Pinmicro株式会社様
“屋内専用”の枠を打ち破れ。
屋外での動態管理を可能にし、
サービスの価値をさらに向上。
業種:ITソリューション
ニーズ:測位, GPS, ビーコン
製品:ビーコン対応GPSトラッカーGW
-
【背景・課題・ニーズ】
- ● 動態管理ソリューション「AssistPlus」を、屋外でも利用したいという顧客ニーズがあった。
- ● 自社開発の測位デバイスは屋内用であったため、ニーズにお応えできていなかった。
-
【施策・成果】
- ● 京セラから屋外の測位に使えるGPSトラッカーGWの紹介があり、検証を経て導入することに。
- ● 測位はもちろん、コンパクトで防水機能があり、特に長時間バッテリーが屋外使用に最適だった。
Pinmicro株式会社(以下、Pinmicro社)の主力ソリューション「AssistPlus」のセンサーデバイスに、京セラの「ビーコン対応GPSトラッカーGW(以下、GPSトラッカーGW)」が採用されました。その経緯や、デバイスの評価、そして今後の展望などについて、Pinmicro社 取締役CROの川島 邦之様と、マネージャーの荒木 健吾様にお聞きしました。
類のない体制で、独自の動態管理ソリューションを提供。
ハードウェアから、ソフトウェア、クラウドソリューションまでを自社開発し、これらを組み合わせプラットフォームソリューションとして提供しているPinmicro社。「そのような企業は世界的にも珍しく、日本では数社程ではないか」とのこと。自社開発体制によって多様なニーズに応え、ソリューションを柔軟にカスタマイズして提供できることが、同社の強みだそうです。
この強みを象徴する商品がAssistPlusです。センサーデバイスだけでなく、ソフトウェア、クラウド上のプラットフォーム、そして柔軟なカスタマイズ性を統合。正確な位置情報管理により、オフィスでの入退勤管理をはじめ、工場でのスタッフの動線分析、医療施設でのスタッフや患者の動線管理、倉庫における在庫位置情報の見える化などを実現。様々な業種・業界において活用され、既に1,000社以上の企業に導入されています。
探していたセンサーデバイスに巡り会う。
AssistPlusは、もともとオフィスや工場、そして医療機関での活用を想定したソリューションであり、屋内用のシステムです。しかし2018年頃から、エンターテインメントやテーマパーク業界など、さまざまな顧客から「屋外でも共用で使えないか」という問い合わせが入るようになります。屋内使用を想定した自社製デバイスはWi-Fi接続型であり、そのまま屋外で使用することができません。残念ながら、お断りするしかなかったそうです。
断り続けていたものの、屋内外共通で利用できるセンサーはずっと模索されてきました。2018年末頃から、セルラー対応で防水・携帯性に優れたデバイスが検討されたものの、どれもバッテリーの持続時間が非常に短く、採用に至りませんでした。要望を満たすスペックの製品が無かったわけです。
しかし2020年の冬に、京セラがGPSトラッカーGWをご紹介。Pinmicro社が断ってきたユースケースでの利用を可能にする提案であったことから、今回のプロジェクトがスタートしました。GPS対応であり、防水かつコンパクト、そしてやはりバッテリーの持続時間が長かったことから、ぜひGPSトラッカーGWを導入してみたいと思われたそうです。
スムーズな検証作業を経て、短期間で導入。京セラのサポートも。
導入のための検証は、まずGPSトラッカーGWをAssistPlusのシステムに統合する形で、2021年初頭から進められました。具体的には、GPSトラッカーGWとAssistPlusのプラットフォームを連携させられるかどうかの技術的な検証です。連携できれば、GPSトラッカーGWを使ってAssistPlusのダッシュボード等を稼働させられるからです。
基本的にAWSを利用してきたPinmicro社では、GPSトラッカーGWを動かす上で必要なSORACOM社のサービスを利用するのは初めて。このため、SORACOM社のシステムに上がるデータをAssistPlusのプラットフォームと連携させるために必要な設定について、京セラSE課のスタッフが技術的サポートをおこないました。
「弊社のエンジニアは開発拠点のあるインドにおりますので、英語で直接対応いただけたのは助かりました」(荒木様)
「迅速かつ分かりやすいサポートをいただいたと聞いており、大変感謝しております」(川島様)
検証後、スムーズに導入が進み、2021年5月に正式リリースされました。2021年8月現在、数社と導入商談中であり、第一弾のローンチを同年10月と見込んでいます。Pinmicro社の顧客からは、GPSトラッカーGWのコンパクトさが大変好評だそうです。
顧客ニーズに応え、動態管理の可能性を拡げていく。
屋外における人の動きを検知し、トラッキングする機能は大変魅力的なものの、これを継続的に運用してビジネスとして成り立つユースケースをつくっていかなければならないとPinmicro社では考えています。例えば、花火大会の会場内で人の動きを知りたいというニーズがあります。しかし、花火大会は1会場で年に1回ほど。様々な場所で開催されているとはいえ、毎回各所で設置・撤去を行うことはコストも併せて合理的ではありません。
「収益を生み出す仕組みとするために、屋外で人が強い興味を持つこととは何かを検討しているところです。このご縁を活かし、京セラドーム大阪やサンガスタジアムby
KYOCERAなどと連携して、ビジネスとして成り立つユースケースをつくれたらと考えています」(川島様)
「今後、京セラに期待しているのは、営業力です。このAssistPlusを様々なお客様に紹介していただけたらと思っています」(荒木様)
近年、Pinmicro社には顧客から動態管理とともに、各種バイタルセンサーを求める声が寄せられており、そのような機能を持つデバイスの開発を検討されています。このセンサーデータの送信において、あるいはセンサー自体を搭載したデバイスの開発を、京セラに期待しているとのこと。いずれにせよ、顧客のニーズに向き合い最適なカスタマイズを追求するPinmicro社の精神が、動態管理の可能性をさらに拡げていくことでしょう。
京セラ担当者より
GPSトラッカーGWの機能を活かすために、AssistPlusは最適なサービスではないかと考え、京セラからアプローチさせていただきました。それまで私はGPSトラッカーGWの活用方法として、物流トラックや倉庫内のフォークリフトの動態管理くらいしか考えていませんでした。しかし、スタジアムのような広い場所でのビーコンを使った屋外位置測位など、様々なアイデアを川島様からお聞きし、その素晴らしい発想力に驚きました。GPSトラッカーGWという武器を携えたことで、屋外利用という新たな価値を持ったAssistPlusが、さらなるアイデアによって幅広い分野で活用されていくことを期待しています。
AssistPlusについて
AssistPlusは、ヒトやモノの動きをリアルタイムに追跡・分析することで、企業のビジネスパフォーマンスを向上させる、ソフトウェア、ハードウェア、クラウドの統合ソリューションです。
お客様の概要
社名 | Pinmicro株式会社 |
本社所在地 | 東京都千代田区神田神保町2-20-13 |
事業内容 | リアルタイム位置情報と動態分析を目的としたIoTベースのハードウェア、ソフトウェア、そしてプラットフォームソリューションを提供する日本のリーディングカンパニー。世界最高の技術レベルのリアルタイム位置情報システムを提供し、ビジネスのデジタル化を支援している。 |
WEB サイト | https://pinmicro.jp/ |
※社名および商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。
こちらの事例に関連する商品
ビーコン対応
GPSトラッカーGW
GPS・GLONASS・みちびきとビーコンによる屋内外での動態管理に加え、センサーゲートウェイ機能によりセンサーデータの遠隔モニタリングを可能にした、IoTデバイスです。