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NTT西日本グループ様 /
株式会社ケイ・シー・シー様

ビーコンとGPSで位置情報を正確に検知。
小学生の登下校を見守り、
安全安心な町づくりに貢献。

業種:情報通信業
ニーズ:ビーコンとGPSの一体型端末、省電力化
製品:ビーコン対応 GPSトラッカー

NTT西日本グループ様/株式会社ケイ・シー・シー様導入事例
NTTビジネスソリューションズ株式会社(NTT西日本グループ)廣瀬伸悟氏(左)、株式会社ケイ・シー・シー岩本典夫氏(右)と田原本小学校の教員の皆様
    【背景・課題】
  • ●子どもが巻き込まれる事件や事故は後を絶たず、より安全安心な登下校のあり方が模索されている
  • ●「子どもの見守り」をサポートするICT技術の開発を考えた際に、既存のデバイスの中には、位置情報の精度や電池持ちなどの点において満足できるものがなかった
    【施策・成果】
  • ●GPSとビーコンを組み合わせることで、子どもが屋内・屋外どちらにいても位置情報を捕捉できるようになった
  • ●持ち歩かないときは端末がスリープ状態になり、平日の登下校に十分な電池持ちを実現することができた

NTT西日本グループが提供する「児童みまもり情報配信ソリューション」において、重要な役割を果たす「みまもり端末」に、京セラの「ビーコン対応 GPSトラッカー」が採用されました。その経緯や、デバイスの評価、そして今後の展望などについて、NTTビジネスソリューションズ株式会社(NTT西日本グループ)廣瀬伸悟氏、株式会社ケイ・シー・シー岩本典夫氏にお聞きし、実際にこのソリューションを導入された奈良県田原本町の町役場総務部防災課の松井和樹氏と、田原本町小学校の教員の皆様にもお話を伺いました。
※2022年1月現在

位置情報共有サービスで児童を見守り、保護者の不安を少しでもやわらげたい

「児童みまもり情報配信ソリューション」について語る廣瀬氏。
「児童みまもり情報配信ソリューション」について語る廣瀬氏。

昨今、犯罪件数が減少する中、13歳未満の子どもが巻き込まれる事件や事故件数は横ばいで推移しており、発生時刻はとりわけ15時から18時の下校時間帯に集中しています。政府からも、2018年に地域における安全対策強化の指針をまとめた「登下校防犯プラン」が発表され、いかに自治体、学校、家庭などが連携し、地域ぐるみで子どもの安全確保に取り組むかが、課題となっています。

そのような状況下で、位置情報を活用したサービスをはじめ、ICT技術で社会課題の解決に取り組んできた、NTT西日本グループの企画したサービスが「児童みまもり情報配信ソリューション」です。

「児童が持つ『みまもり端末』が、屋内では設置したビーコンの信号を検知、屋外ではGPSによって端末の位置情報を測位します。保護者はSNSアプリを通して、いつでもどこでもその情報を確認することが可能です。また、同じプラットフォーム上で自治体や学校からの情報、地域の危険箇所情報、不審者情報、災害情報など、子どもの安全に必要な情報を受け取ることもできます」(廣瀬氏)。

「児童みまもり情報配信ソリューション」について語る廣瀬氏。
「児童みまもり情報配信ソリューション」について語る廣瀬氏。

「児童みまもり情報配信
ソリューション」のシステム概要

「児童みまもり情報配信ソリューション」のシステム概要

※「児童みまもり情報配信ソリューション」は、ケイ・シー・シーが開発・運用し、NTTスマートコネクトを通じて提供しています。
※位置の特定精度は電波環境に依存するため、環境によっては位置を特定できない場合があります。
※「LINE」は、LINE株式会社の商標または登録商標です。

京セラとともにつくり上げた理想の端末

京セラとの出会いやビーコン対応 GPSトラッカーについて話す株式会社ケイ・シー・シーの岩本氏。
京セラとの出会いやビーコン対応 GPSトラッカーについて話す株式会社ケイ・シー・シーの岩本氏。

「児童みまもり情報配信ソリューション」の開発及び運用は、アプリケーションや通信ネットワークのシステム開発を手掛ける株式会社ケイ・シー・シーが担当。同社はこれまでNTT西日本グループといっしょに、マラソン大会やスタンプラリーなど、位置情報を活用したイベント向けアプリケーションを提供してきました。

「先にNTTさんとお話が進んでいて、じつは京セラさんに出会う前にデバイスについても決まりつつあったんですが、たまたま別案件で出展していた展示会で、当社のブースに京セラさんが来られたことがきっかけで、ご相談をさせていただくことになりました」(岩本氏)

それまで検討していた既存のデバイスはどれも、学校への登下校時に持ち運ぶ端末として「電池の持ちが満足できるものではない」、「位置情報の精度が低い」などの問題点があり、このソリューションのために新しい端末をつくろうとしていた矢先の出来事だったそうです。

『みまもり端末』
『みまもり端末』

「これまでも技術面については他のメーカーと話していたので、ある程度の知識はありました。しかし、京セラさんとのミーティングでは、それまで知らなかったことを教えてもらったばかりでなく、こちらが気づいていないことまでフォローしてくださっていたことも。さらに、こちらの意図を汲み取って様々な提案をしてくれました」(岩本氏)

例えば、子どもたちの誤操作を防ぐためにボタンは極力少なくしたいという要望に対しては、細い針状のものでしか押せないスイッチの形状の提案、デザイン面においても、角に丸みを持たせたマットな手触りで優しい形状の製品デザインの提案があったそうです。それらの提案には、子どもたちが持つものという前提に立った明確な意図がありました。

「柔軟な対応と守備範囲の広さで、自分たちだけでは考えつかないようなところまで含めて提案してくれる。その寄り添ってくれる姿勢が、最終的に京セラさんの製品を採用した決め手になりました。」(廣瀬氏)

『みまもり端末』
『みまもり端末』
端末を持ち話し合う廣瀬氏と岩本氏。NTT西日本グループが企画・販売・提供し、株式会社ケイ・シー・シーがシステムの開発や運用を担う。
端末を持ち話し合う廣瀬氏と岩本氏。NTT西日本グループが企画・販売・提供し、株式会社ケイ・シー・シーがシステムの開発や運用を担う。

柔軟な対応を象徴するエピソードをもう一つ。

「実は、当初京セラさんから提案を受けた端末は、ビーコン機能が搭載されていないGPSマルチユニットでした」(岩本氏)

ビーコンとGPS、それぞれに対応できる端末を2台持つとなると、電池の充電タイミングも合わず、どちらか一方が電池切れで機能しないなどの不都合が起こりえます。また、ビーコンのみ、GPSのみを使った児童見守りは他社サービスが先行していたので、ビーコンとGPS一体型の端末が希望でした。

それを受けて京セラ内では、屋内・屋外ともに位置情報の取得が容易になる、ビーコンとGPS一体型の端末の可能性を検討。このプロジェクトをきっかけに、のちに複数のセンサーから情報を入手できるゲートウェイ機能を追加した「ビーコン対応 GPSトラッカーGW」をリリースすることとなりました。

「一体型にするため電池持ちが悪くなるという課題も、これまでのスマートフォンやIoTデバイス開発のバッテリマネジメントを応用して節電できるように工夫され、見事解決してくれました。これも京セラさんから提案を受けたものです」(岩本氏)

こうしてビーコンとGPSを一台で受信でき、防水・防塵・耐衝撃性があるうえ、週末に充電すれば平日は充電不要というほどの省電力。端末を持つ子どもたちの生活に寄り添った、まさに「児童みまもり情報配信ソリューション」にぴったりな理想のデバイスが実現したのです。

位置情報サービスで田原本町の安心安全を守り、よりよい町づくりを目指す

田畑が広がるのどかな奈良県田原本町。登下校の道には、人通りが少ないところもある。
田畑が広がるのどかな奈良県田原本町。登下校の道には、人通りが少ないところもある。

2020年から田原本小学校の一年生に「児童みまもり情報配信ソリューション」を試験的に導入した奈良県田原本町。それ以前は、小学校から自宅への距離が遠い児童などもいることから、登下校の安全面で不安を感じていました。

登下校は、「部団」と呼ばれる地域ごとに分けられた集団で行い、ボランティアが通学路に立って見守り活動をしていますが、それでも途中で1人になる地域があったり人通りが少ない場所があったりします。

「特に入学すぐの1年生は下校に慣れていないため本来の道を逸れ、前に歩いている子について行くなど、道を間違えてしまいがちで、ときには探しに行くこともありました」(教員)

しかし、この「みまもり端末」を持つようになった現在は、仮に子どもが道を間違えてしまったとしても、保護者がすぐに位置情報を確認することができます。

田畑が広がるのどかな奈良県田原本町。登下校の道には、人通りが少ないところもある。
田畑が広がるのどかな奈良県田原本町。登下校の道には、人通りが少ないところもある。
小学1年生を教える担任の先生方
小学1年生を教える担任の先生方

「位置がわからないと、どこを探していいのかわからず、不安になったり時間がかかったりと大変です。けれど、この端末があれば位置情報がわかるのですぐに迎えに行くことができますよね。保護者からもいつでもどこにいるかわかるので、より安心して子どもを送り出せるという声をいただいています」(教員)

「また一部の保護者は、遊びに出かけるときや習い事のときなど、登下校の時間以外にも使用されていて、生活に溶け込んだ使い方をされているように感じます。それでも壊れたという方は、まだ一人もいません」(教員)

またこの端末は防犯ブザーのように子どもたちが押せるボタンがあったり、ランドセルや首からさげるためのヒモを取り付けたりできないシンプルなデザインですが、それについても「子どもたちが自分でなにもできないので、かえって安心して持たせられる」という評価の声が上がっていました。

田原本町役場の総務部防災課の松井和樹氏
田原本町役場の総務部防災課の松井和樹氏

さらに、田原本町では蓄積された位置情報を、安全安心なまちづくりに生かすための構想が練られています。

「位置情報のルート解析によって、例えば、意外と知られていないけれど、子どもたちがよく通る道があるということがわかれば、ガードレールを設置したり、横断歩道の整備を警察に要望したりすることができます。このサービスから得られる情報は、住みよい町づくりに活用できる可能性を秘めていると思います。」(松井氏)

現在みまもり端末は、田原本小学校の1年生を対象に配られていますが、今後は全学年や他の小学校の子どもたちも持てるように協議が重ねられているそう。

「例えば全国の小学生がみんな、このみまもり端末を持っているということになれば、犯罪の抑止にもつながると思います。とにかく未然に防ぐことが大切なので、このサービスが全国に広がって欲しいですね」(松井氏)

子どもたちの手のひらにおさまる小さな端末が、登下校の安心をサポートするというサービスの枠を超えて、住みよい町づくりや犯罪の抑止に繋がっていく。このデバイスには子どもたちのように大きな可能性が秘められているのでしょう。

田原本町役場の総務部防災課の松井和樹氏
田原本町役場の総務部防災課の松井和樹氏

京セラ担当者より

通信機器事業本部 IoT営業部 IoT営業課責任者 大山 陽
通信機器事業本部 IoT営業部 IoT営業課責任者 大山 陽

NTT西日本グループ様、ケイ・シー・シー様から、事業計画や検討状況をくまなく共有していただけたからこそ、それに応えるかたちで、様々な提案をさせていただきました。そういった積み重ねで信頼いただくことができ、我々のデバイスを採用いただいたのだと考えております。

本プロジェクトをきっかけに、ゲートウェイ機能を追加した「ビーコン対応 GPSトラッカーGW」をリリースすることができました。

本案件のように、デバイスで足りない要素があれば一緒に検討を進め、ご要望に沿ったものを作ることは、当社としては本望です。少しでも気になるデバイスがあれば、お問い合わせいただき、一緒により良いものをつくり上げていきましょう。

お客様の概要

社名 NTTビジネスソリューションズ株式会社(NTT西日本グループ)
本社所在地 〒530-0011 大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪タワーC 14F
事業内容 ICTを活用したソリューションの企画、提案およびビジネスユーザーに対する情報通信システムの提案など
WEB サイト https://www.nttbizsol.jp/
社名 株式会社ケイ・シー・シー
本社所在地 〒135-0042 東京都江東区木場2-17-16 ビサイド木場
事業内容 自社製品&サービスの提供、WEBシステムや通信システムなどの各種アプリケーション開発の受託、そのほか、テクニカルサポートや基盤構築&導入支援、IT教育を手掛ける
WEB サイト https://www.kcc.co.jp/

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