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  4. 安心・安全な車社会をつくる、ADAS(先進運転支援システム)分野への挑戦
Interview

安心・安全な車社会をつくる、
ADAS(先進運転支援システム)・自動運転分野
への挑戦

Mobility
Introduction

高齢者でも安心・安全に車に乗れる“事故のない社会へ”。
自動運転に必須の技術を開発

日本社会の高齢化にともない、運転事故の高齢者の割合が増加しています※1。老化による運動能力や判断力の低下によって引き起こされていると考えられ、近年大きな課題となっています。

一方では、高齢で運転できない人が増えることで生じる「交通空白地」も拡大しています※2。過疎地などで自家用車に乗れず、人材不足で物流や交通も滞ると、ライフラインが絶たれる地域があります。それが「交通空白地」です。

これらの社会問題の解決策として期待されるのが、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転の技術。これらの技術は自家用車だけでなくバスなどの公共交通機関や、トラックなどの物流分野でも注目されています。

京セラADAS基盤技術ラボは、レーダーやステレオカメラ、LIDAR、AI認識カメラなど自動運転の実現に不可欠な機器やシステムを開発する部署。「お年寄りによる交通事故を減らしたい」「公共交通機関が充実していない地域であっても、お年寄りが安心して暮らせる社会をつくりたい」という思いから、京セラは自動運転をアシストするセンシング関連製品やシステムの開発に取り組んでいるのです。

[参考サイト]
※1 内閣府ホームページ 特集:高齢者に係る交通事故防止(https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html)
※2 国土交通省 近畿運輸局ホームページ 地域公共交通の現状(https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000010186.pdf)

Technology Data
死角検知・出庫時衝突検知・駐車支援・空間検知
自動運転に不可欠なキーデバイス

マルチファンクション型ミリ波レーダー

車の「死角検知」、「駐車支援」、「出庫時衝突検知」、「空間検知」など、状況に応じて必要とされるセンサーです。

人の眼を超えるセンシング技術

カメラ-LIDARフュージョンセンサ

自動運転の目として欠かせないセンサー「LIDAR」とカメラを一体化し、それぞれのデータを組み合わせることにより、物体検知の精度を向上させることができます。

物体検知 歩行者・車・バイク・自転車を高性能に認識
物体検知とフリースペース検知を実現

AI搭載車載カメラ

様々なものを同時に検知することができない従来の車載カメラに対し、開発中のAI認識カメラは、ディープラーニング (深層学習) を利用しており、数センチ角の小型カメラ単体で自動車、バイク、自転車、子供を含む歩行者、さらには走行可能領域を示すフリースペースさえも検知することができます。

01

多分野の研究を行う、京セラならではの強み

京セラが手がけるさまざまなADAS・自動運転関連の開発のなかでも、力を入れているミリ波レーダーの技術。開発責任者を中心に、同ラボの若手研究者に話をしていただきます。
  • 部責任者
    研究開発本部先進技術研究所
    ADAS基盤技術ラボ
  • AI搭載車載カメラ開発担当者
    研究開発本部先進技術研究所
    ADAS基盤技術ラボ
    第1研究開発課1係
  • ステレオカメラ開発担当者
    研究開発本部先進技術研究所
    ADAS基盤技術ラボ゙
    第2研究開発課3係
  • 私たちは現在、様々な自動運転搭載技術を開発しています。その中でも、ミリ波レーダーの開発に力を入れているのはなぜでしょうか?

  • 衝突事故を防ぐためにミリ波レーダーが役立つと考えているからだよ。レーダーを元に車側がAIなどを使って、自動的に衝突を避けてくれるようなシステムにつなげたいね。

  • 競合他社も、今ミリ波レーダーを盛んに開発していますよね。そのなかで、京セラならではの強みって何なのでしょうか。

  • 京セラの強みとして、過去に通信基地局の開発で培ったアンテナやアダプティブアレイという技術を応用している点があるね。今まで異なる分野で培った技術を活かしながら、開発を進めることができるというわけだ。

    • アダプティブアレイ 複数アンテナの位相を適応的に制御することにより、送信電波の指向制御(到達距離の延長)や受信電波の干渉を除去させる機能
  • 幅広い事業を手がける京セラだからこそ可能な研究開発方法ですね。
    カメラとLIDARを一体化する研究もしていますが、これは京セラ独自の技術ですよね?

  • 京セラ独自の技術です。
    今、京セラが開発している技術は、カメラとLIDARを一体化させて、カメラで撮影した画像に、正確な三次元の情報を埋め込むという、どちらの技術も活かすことができるセンサー。
    自動運転になったら、 LIDARは欠かせないセンサーになると思っていて。LIDARだけではなくて、周りにたくさんカメラをつけて、カメラの情報とLIDARの情報を紐づける。共通の光学系であるカメラとLIDAR、この2つを用いることによって、両者の座標系にずれがない状態で、物体の距離情報を正しく得られるようにする研究を進めています。

  • カメラは光学部門で培った技術ですよね。一からカメラを作ることができて、さらにLIDARと一体化できるというところは京セラの強みなのかなと思っています。

  • そうだね。京セラの幅広い技術を基盤に、ADAS分野で唯一無二の存在感を示そうとしている。ところで、ADAS基盤技術ラボでは、若手にも積極的に研究開発に携わってもらっているけれど、君たちそれぞれの分野を研究するなかで、どんなことを感じているのかな。なにかぶつかっている壁はある?

  • 私はAI搭載車載カメラの開発を担当していますが、難しいと感じているのは、信頼度をあげることですね。製品の特性上、見逃しが直接事故につながってしまいます。どれだけ精度を上げて、歩行者や自動車を認識できるか。製品化に向けてあらゆる場面を想定してひとつひとつテストを行い、脆弱な部分を潰していかなければなりません。それが膨大な作業なので、実際に利用いただけるようになるまで、時間がかかってしまうのが悩みですね。

  • 私が開発するステレオカメラでは、撮影できる環境がいつも同じとは限らないというのが難しいところです。例えば、すごく車内が高温になり、それが原因でカメラが微妙に変形してしまっただけで、検出する距離がズレたり、物を認識できなくなってしまう。さらには間違って認識してしまったり。車内の温度変化が、カメラの正確さを担保する上で障害となっているんです。

  • 君たちの悩みは正しい悩みだよ。ADASを支える技術には、“絶対”に間違いがあってはならない。“絶対”なんて無いといわれているけれど、それでも“絶対”間違いが起こらないための方法を考える必要がある。それは「交通事故を無くす」という京セラの思いを実現するために、超えなければならない壁だね。

02

若手の発想力を積極的に活かし、
未来の社会に向けて、多様なアプローチで研究開発していく

ADAS基盤技術ラボでは、さまざまなセンサー技術を同時並行で開発しています。機能的に重なる部分があっても、多様な機器を研究開発しているのは、3年、5年、10年後を見ているから。自動運転技術が成熟するまでの各々のフェーズで、さまざまな可能性に対応できるように、幅広い技術を研究開発しているのです。これからの技術開発を担っていく若手社員に先輩社員は何を期待しているのでしょうか。
  • 京セラは、今までセンサー等デバイス単品で市場に提供している側面が大きかったのですが、培ってきた様々な技術を応用して、システム化することで、統括したサービスを提供できるようできるようにしたいです。そして、乗用車だけではなく、商業車、モビリティ、パーソナルモビリティだったり、農業に関わる機器など、京セラの技術を活かせる領域を切り拓いていきたいです。

  • 5年後10年後と言うところを見据えて、開発する必要がある。さらにこれからは、組み合わせるだけじゃなくて、新しい技術をどんどん取り入れていかなきゃいけないよね。
    もちろん今現在に必要とされる技術に注力することは大切だ。だけど僕らの大きなミッションとしては、誰かが既にやっていることではなく「未来の社会に本当に必要だと思うもの」「京セラがやるべきこと」を見つけていくことにあると思う。若手の自由な発想を発揮できる場が京セラにはあるから。

  • それでいうと私はAIに注目しています。私はAIの認識カメラも開発しているので、京セラが培ってきた組み込み技術を活かして小型化した上で、ちゃんと歩行者とか自動車を見逃すことなく、認識できるような信頼度の高いものを作りたいです。

  • わたしたちは何のために研究を続けているかというと、「交通事故をなくしたい」という思いや「交通、物流の労働者不足を解消するために自動化したい」というような思いがあるからだと思う。今後も研究を続けていく上で、その思いは忘れないでほしいな。

  • 思いって大事ですよね。これからも開発を続ける上で悩んだ時はなぜ自分がこの研究をしているのかを考えます。

  • 若手は開発を10年、20年やっている人とは全然違う発想が出てくると思うので、そこの感覚は大事にして欲しいし、伸ばして欲しいんだ。そして自分の会社以外の、外の技術をどんどん調べて吸収する貪欲さを持ってほしい。若いうちは失敗してなんぼだし、京セラのチャレンジできる風土を積極的に活用して、技術者として成長することを期待してるよ。

  • 確かに京セラでは、新しいことに挑戦して失敗したとしても、受け止めてくれる雰囲気があります。臆せずに新しい挑戦を続け、一つでも多く成功事例を積めるようになっていきたいなと思います。

  • ADASの分野に限らず、技術は日進月歩で進んでいるので、新しい技術に対するアンテナは常に立てておきたいですね。新しい技術が出たら調査して、それをどう自分たちの研究に還元できるかを考えながら、研究を続けていきます。

Message

京セラならではの技術力、市場対応力で、
事故のない世界の実現に貢献していく

京セラは事故の無い社会を目指し、日々、多様な車載用センサー技術を研究・開発しています。「安全性」を求めるモビリティ領域での製品量産化は多くのハードルが存在します。しかし、今まで培ってきた技術の応用力とチャレンジ精神を強みに、京セラのテクノロジーは、これからもまだまだ進化し続け、安全で安心な社会に貢献していきます。