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    京セラIoT通信機器を用いた車両管理システムの課題解決と構築例

    一般企業の営業用車両から物流企業のトラック、工事用の特殊車両など、車両を扱う組織にとって車両管理は重要な業務のひとつです。ここでは車両管理の目的と方法についての一般的な情報とその課題、京セラのIoT通信機器「GPSマルチユニット」、「ビーコン対応GPSトラッカーGW」 を活用した車両管理システムの構築例についてご紹介します。

    車両管理の目的 — 何のために車両管理をするのか

    企業などの組織における車両管理の目的は、主に次の4点に集約されます。

    • 交通事故によるリスクの低減
    • 業務効率の改善
    • 不必要なコストの削減
    • リース車両・レンタル車両の適切な運用

    多くの組織において上記の4点を考慮し、車両管理を実現することが求められています。

    交通事故によるリスクの低減

    企業などの組織にとって、交通事故は、組織の存続を左右しかねない重大なリスク要因です。従業員が業務中に自動車を運転していて事故を起こしてしまった場合、会社側にもその責任は及びます。これは民法第715条をはじめ、複数の法令において使用者責任として示されています。
    企業・団体は、組織と従業員をリスクから守り事業を継続するために、車両の保守点検を定期的に行って車両の状態を良好に保つとともに、制限速度違反や長時間運転などの事故につながる規定違反が発生していないかを監視、指導する義務があり、事故や損害が発生してしまった際にはその責任の所在や補償の範囲を明確にする必要があるのです。

    業務効率の改善

    車両管理が適切に実施されていないと、業務効率の低下につながります。
    車両と運転者の稼働状況や時間ごとの状況変化を把握できていないと、使っていない車両がそのままになってしまったり、必要な場所に車両や人員の補充が行えないこともあります。複数の拠点を持ち多くの車両、運転者を抱える事業者ではこの最適化により業務効率が改善されると、従業員の労働時間を短縮でき、結果として企業としての競争力強化につながります。

    不必要なコストの削減

    会社の車両には固定資産税が課税されます。税金の圧縮という観点からも、適切な車両数を把握し、高い稼働率で運行させるための管理が求められます。加えて、必要に応じて適切なメンテナンスが行われていなければ、故障や不具合の頻度が高まり、結果的にコスト増につながる、ということも忘れてはいけません。
    もちろん、運転者も車両の状況に対して無駄や無理のない適切な運用が求められます。 車両と運転者の効率的な運用は、そのままコストの削減につながります。

    リース車両・レンタル車両の適切な運用

    乗用車のみならず、物流を担う貨物車両や建機のような特殊車両においても、リースやレンタルの市場が拡大しています。業務車両のように車両の所有者と管理者、利用者が異なり、業務上の義務や責任が発生する場合に、契約の管理や使用状況の監視、故障や事故の際の補償等の認定のための情報管理も、車両管理の目的のひとつとして認識されつつあります。

    車両管理の方法

    実際の車両管理は大きく分けて車両自体の状態とその運用状況の管理、車両を運転する運転者の管理に分けられます。
    車両管理のための管理事項には、法令等で定められているものと、事業者の業種によって規定したものや各事業者が設定した管理基準など、様々な事項があります。
    ここでは一般的な物流企業が行っている車両管理の方法について、その一例をご紹介します。

    車両管理において管理する情報とその方法

    車両管理規定
    従業員が業務中に使う車両に関して企業が定めるルールのことです。一般的には、総務部門で作成することが多く、すべての車両管理の業務フローを定義するマニュアルとしての意味を持ちます。
    車両管理台帳
    車種や車検日、加入している保険情報、使用状況など、車両自体の情報を管理するための管理台帳です。一般的にスプレッドシートやデータベースで管理されます。
    運転者台帳(運転者名簿)
    運転者の情報をまとめた管理台帳です。旅客自動車運送事業運輸規則 第37条では「乗務員台帳」、貨物自動車運送事業輸送安全規則 第9条では「運転者台帳」として作成義務が規定されており、労働基準法で定められている労働者名簿を兼ねて作成することができます。
    運転日誌(運転日報)
    日々の運転の様子を日報形式で記録するための帳票です。保有している車両の種類や台数により、記載するべき法定項目が異なるので注意が必要です。こちらも近年はデジタル化が進んでいます。
    タコグラフ
    車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラックに対し装着が義務付けられている運行記録計のことです。走行距離、速度、時間、急加速や急減速、エンジン回転数などを記録することができる機材で、アナログ式のものとデジタル式のものがあります。
    ドライブレコーダー
    フロントガラスなどに取り付けるビデオカメラです。事故が起きてしまったときに、過失割合を算出する際の証拠として提出することができるため、事業用車両を中心に普及が加速しており、たとえば、東京都内のタクシーでの導入率は99.6%に達しているという調査もあります。(平成30年3月31日現在 全国ハイヤー・タクシー連合会調べ)

    車両管理のシステム化の必要性とIoTによる解決の期待

    車両を扱う企業にとって、車両管理は必要不可欠な管理業務です。しかし緻密な管理を行うために車両管理システムを導入するコストは大きく、多くの企業が車両管理の徹底に頭を悩ませています。その解決にIoT技術の活用が期待されています。

    車両管理システムの導入に対する期待

    車両の運用状況や運転者の勤務状況は以前より電子データ化されてきましたが、スケジュールに対する遅延や事故や故障などの突発的なトラブルなどの情報をより緻密に把握し対応するための車両管理システムを実現するためには、情報のデータベース化と通信技術による自動処理が必要です。
    物流においては配達遅延の防止や対応、タクシーなどの旅客運用では渋滞情報や突発的な需要集中への対応など、様々なオペレーションを自動化しリードタイムを短縮することで車両運用のコストを大きく削減でるため、車両管理システムの導入は他業種よりも進んでいます。 物流・旅客以外の業種でも、車両管理システムの導入は車両管理の徹底、自動化によるコストの削減、さらには記録ミスや記録者の主観性の問題といった人の手による記録の不明瞭さを排除した客観的な可視化というメリットもあり、その期待は高まっています。

    車両管理のクラウド化とIoT技術の活用

    車両管理システム導入のメリットは大きいものの、自社所有の車両を多数運用している企業などでは大規模なシステムと各車両への通信設備の導入がコストの面から難しく、普及が進んでいない企業も多く残っていました。
    そんな中、近年ではクラウド活用によるシステムのSaaS(Software as a Service)化やIoT技術の発達により、大きなイニシャルコストをかけずに小規模なシステムの導入が可能となってきたことで、車両管理システムのクラウド化は広い業種・業態に広がっていくと考えられています。

    京セラのIoT通信機器で車両管理のハードルが下がる

    車両管理のコストを軽減する方法として、IoTを活用した新しい車両管理システムが登場しつつあります。
    京セラの開発した 「GPSマルチユニット」「ビーコン対応GPSトラッカーGW」も、そういったシステムに活用できるアイテムです。両機器とも消費電力が少なく広範囲で通信が可能な「LTE Cat.M1※」に対応し、移動体の状況を計測し任意の間隔で送信可能です。また、GPSマルチユニットは3種類のセンサーを搭載、ビーコン対応GPSトラッカーGWはビーコンやBLEセンサーの情報を取得する機能を搭載しており、車両管理に利用するにあたって有用性の高い機能や特徴を備えています。
    ここでは、IoTを活用した車両管理システムの仕組みや、実際の車両管理業務の改善方法についてご紹介し、そのなかで京セラのIoT通信機器ががどのように活用できるかを解説します。

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    京セラのIoT通信機器を活用した車両管理システムの構築例

    IoTを活用した車両管理システムの一例として、京セラのIoT通信機器を用いて車両管理システムを構築するケースについて考えてみましょう。

    GPSマルチユニット

    車両内にGPSマルチユニットを搭載
    京セラのGPSマルチユニットには、ユニット単体でGPS(位置情報)、温度、湿度、加速度のセンサーのほか、バッテリーや通信機能が搭載されており、車内に持ち込むだけでそのまま使うことができます。


    データの収集・送信・活用
    車両の移動を検知すると、自動でトラッキングを開始する機能を活用することで、特別な操作を必要とせず、車両の移動にあわせて自動的にデータを収集し、サーバーに送信します。これらのデータを車両管理などの他システムにご利用いただくことも可能です。

    ビーコン対応GPSトラッカーGW

    車両内にビーコン対応GPSトラッカーGWを搭載
    京セラのビーコン対応GPSトラッカーGWは、GPSマルチユニット同様にユニット単体でGPS(位置情報)を取得可能なことに加え、ビーコンを受信可能です。運転者がビーコンを所持し、車両にビーコン対応GPSトラッカーGWを搭載することで、運転者の乗車の有無が分かります。


    データの収集・送信・活用
    ビーコン対応GPSトラッカーGWが受信したビーコン情報や位置情報は、あらかじめ設定した通信頻度に従ってクラウドに送信されます。これらのデータを車両管理などの他システムにご利用いただくことも可能です。



    具体的な活用方法・運用上の変化:

    • 車両の位置や運転者の乗車の有無を把握できるようになるので、休憩時間の遵守、私的利用の防止につながる
    • GPS(位置情報)やビーコン、加速度センサーから取得した情報から運転日報を自動出力できるようなシステムを構築することで、運転者が運転日誌を作成する手間を軽減する
    • 各ユニットから送られてくる情報を蓄積・分析することで、稼働率の低い車両や燃費効率の悪い車両・運転者を特定できる

    リース車両・レンタル車両の管理にも有効

    IoTを活用した車両管理は、リース車両やレンタル車両の管理においても、自動化や効率化を促進します。
    たとえば、レンタカー事業者は、契約内容の管理や事故対応などにおいて、たとえ車両のエンジンが停止している状態であっても、車両状態の把握ができるようになります。車載機器から独立した管理用デバイスとして搭載し定期整備時に電池交換することで継続稼働し、交通事故などのトラブル発生時には改ざんのない測定情報を提供することができるほか、自動車や建設機械の盗難時には広いエリアをカバーし位置情報を取得し続けることができ、追跡に役立てることも可能です。

    京セラのIoT通信機器による車両管理システム導入のコスト軽減と期間短縮

    通常、こういった「スマート車両管理システム」を独自に開発しようとすると、導入検討から使用機器とシステムの選定、実際のシステム構築まで、莫大なコストと膨大な時間がかかってしまいます。しかし煩雑な運用マンパワーに頼っている企業ほど、車両管理システム導入による管理負担の軽減と業務の効率化の効果は大きく、初期投資を抑えながら管理システムを構築するニーズは高まっています。

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