日本Nreal株式会社様 特別対談

軽量でサングラスのように
手軽に装着できる
ARグラス「Nreal Air」と
協働した京セラの5G対応デバイス
「Nreal Air」× 京セラ製「K5G-C-100A」

・活動・業種:スマートARグラス、3Dシステム開発メーカー
・ニーズ:安定した電波受信と高負荷のAR映像処理時の熱問題の解決
・製品:「K5G-C-100A」

日本Nreal株式会社様導入事例
左 :日本Nreal株式会社 Manager 陳 傑(Jayden Chen)氏
中央:京セラ株式会社 通信開発部第1開発部ソフト基盤開発課 鳥居 拓
右 :京セラ株式会社 通信機器事業本部ソリューション営業部営業推進課 小倉 久忠
    【背景・課題】
  • ●さまざまな利用環境下での5G電波受信の安定性
  • ●ARグラスへ電源供給、映像処理時の熱問題
    【施策・成果】
  • ●複数のアンテナの内蔵による安定した電波の受信性能
  • ●内蔵の放熱ファンにより高負荷時の熱問題を解決
  • ●内蔵大容量バッテリーによる長時間駆動を実現

昨今、急激に拡大しているAR(拡張現実、Augmented Reality)市場。その中で、だれもが手軽にARを体験することができるデバイスと期待されているのがスマートグラス。そしてコンシューマ向けのスマートグラス市場で、現在世界の最前線を走っているのが「Nreal」です。

こうした中、「Nreal」が高負荷のAR映像処理の安定性向上や長時間の駆動に最適なデバイス候補として、期待しているのが京セラの5G対応デバイス「K5G-C-100A」です。「Nreal Air」と「K5G-C-100A」が協働することで、期待するシナジー効果とは何か。日本Nrealの陳 傑Managerに、京セラ株式会社 通信開発部第1開発部ソフト基盤開発課 鳥居、同社 通信機器事業本部ソリューション営業部営業推進課 小倉と共にお話をうかがいました。
※2023年2月現在

まず、「日本Nreal株式会社」様について
教えていただけますか

陳氏 「Nreal」は、個人向けに拡張現実(AR)のユーザー体験を作ることに取り組み、ハードウェアやソフトウェアのソリューション開発を行っている技術メーカーです。創業は2017年で現在は6年目。設立の3年後に当時世界最小、最軽量、最大視野角を誇るARグラス「NrealLight」の開発に成功しています。

この「NrealLight」は、2019年にアメリカで開催された「CES(Consumer Electronics Show)」でも高く評価され、同時に「CES Best Startup Company Award」も受賞しています。ちなみに「Nreal」は、CES設立以来この賞を受賞した唯一の中国企業でもあります。

2020年からKDDIさん(KDDI株式会社様)のご協力のもと、日本で「NrealLight」販売をスタートし、現在はARグラスの「Nreal Air」と「NrealLight」を、KDDIさんだけでなく他のキャリアでも販売しています。他にもアマゾンや家電量販店でも販売しており、取り扱い先は今後も拡大していく予定です。

日本Nreal株式会社Manager 陳 傑(Jayden Chen)氏
日本Nreal株式会社Manager 陳 傑(Jayden Chen)氏

HMD※1やスマートグラスの市場は、
現在どのようになっているのでしょう

陳氏 「Nreal Air」や「NrealLight」などといったARグラスやHMD※1を使った仮想現実は、日本でも市民権を得つつあります。コンシューマ用途においては、もはや普及段階に入りつつあるといってもいいでしょう。同時に、コンシューマ用途だけでなく製造現場の教育や研修分野、販売分野などでの導入が急拡大していくと我々は考えています。弊社の「Nreal Air」と「NrealLight」は、ARデバイスとして世界中で高く評価されていますし、そのシェアは、現在、日本でトップシェア※2、グローバル市場でも約8割※3を誇っています。世界をリードしているARグラスといっていいと思います。
※1:ヘッドマウントディスプレイ ※2:2023年2月現在 ※3:2022年8月時点 日本Nreal株式会社調べ

ARグラス「Nreal Air」 大迫力のゲーム体験
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ARグラス「Nreal Air」 マルチ画面でマルチタスク
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ARグラス「Nreal Air」 お家でプライベートシアター
ARグラス「Nreal Air」 お家でプライベートシアター

「Nreal Air」の特長について詳しく
教えていただけますか

陳氏 「Nreal Air」は、高性能ながら79gという驚異的な軽さとスタイリッシュなデザインを両立した最新のARグラスです。サングラスのようなデザインの中に、目に優しいフルHDの高解像度のディスプレイを搭載していて、室内だけでなく飛行機や電車での移動中でも、いつでもYouTubeTM動画などのストリーミングメディアや、ゲームがシアターのような大画面で楽しめます。
また、「Nreal Air」とスマホ、Bluetooth®マウスとキーボードを用意するだけで、どこでも仕事をすることもできるでしょう。その可能性は無限です。日常生活に溶け込む画期的なARグラス、それが「Nreal Air」なのです。

ARグラス「Nreal Air」
ARグラス「Nreal Air」

「Nreal」様と京セラの最初の“出会い”に
ついてお聞かせください

陳氏 「Nreal Air」は、バッテリーや演算装置を搭載しておらずスマホなどを接続して使うものです。そんな「Nreal Air」を導入している一部の法人ユーザーから言われたのが、スマホ利用時に、電波の受信性能が不安定になることがあるということです。また、長時間使っているとスマホだと電池が持たないということ。そんな課題を解決できるデバイスを探していたときに、KDDIさんとのつながりから紹介していただいたのが京セラさんでした。

そして、京セラさんが私たちに提示してくれたのがこの「K5G-C-100A」です。「K5G-C-100A」は、安定した高速大容量伝送に最適な5G対応デバイスで、電波の受信性能に優れ、また電池の持ちも良い。さらにローカル5Gにも対応していて「K5G-C-100A」自身がルーターにもなるので電波の中継もできる。これこそ我々の課題を解決してくれるデバイスだと思い、協力関係を結ぶことになったのです。

京セラ 鳥居 「K5G-C-100A」は、遠隔支援や製造現場の管理、マーケティングの用途など、さまざまな現場で使われているIoTデバイスです。公衆5Gとローカル5Gが利用でき、さまざまな機器を5Gにつなげられますし、こういったIoTデバイスとしては安価です。導入されている企業でも簡単に使えて、受信性能も安定しているという評価もいただいています。そんな「K5G-C-100A」は、Nreal様の製品「Nreal Air」とも相性が良いのではないかと考え、私たちから「K5G-C-100A」を提案させていただきました。

「Nreal Air」の現状の課題を解決できるデバイスが「K5G-C-100A」
「Nreal Air」の現状の課題を解決できるデバイスが「K5G-C-100A」

陳氏 「Nreal Air」はコンシューマ用途だけでなく、先にも述べたような工場での遠隔支援や新人教育などにもとても適したARデバイスだと私たちは考えています。今後そのようなシーンでの利用を考えたときにも、京セラさんの「K5G-C-100A」は、とても適していると思います。業務用途でも、さまざまな可能性が考えられるだろうと、そういった期待もあって協働することを決めたのです。

「K5G-C-100A」は、具体的にどのような点が「Nreal Air」との相性が良いとお考えでしょうか

京セラ 鳥居 Nreal様から最初に言われたのは、「Nreal Air」は映像処理が重くスマホだとすぐ発熱してしまい、アプリケーションが途中で落ちてしまうことがあるということでした。私たちはそういった課題にこそ「K5G-C-100A」は適していると判断しました。

「K5G-C-100A」は、安定した5G通信が可能なだけでなく、デバイス自体がエッジコンピューティングにも対応できる高性能なCPUを搭載しており、さまざまなアプリを実装させることも可能です。加えて本体は排熱構造となっているうえ、冷却ファンを搭載しているので負荷の高いAR映像処理を行っても安定した動作と連続通信が可能です。

バッテリーの持ちに関しても内蔵バッテリー容量は6,000 mAhと通常のスマートフォンと比べて1.5倍もの大容量。その点も適していますよね。「Nreal Air」に限らずARグラスをはじめMRデバイスはバッテリーの消費が大きいのが当たり前ですが「K5G-C-100A」はARや MRデバイスを使用するような他の現場でも、バッテリー容量十分と評価されていましたしその実績もあった。それで相性が良いだろうと判断しました。

「Nreal Air」と「K5G-C-100A」の相性について語る日本Nreal 陳氏と京セラの鳥居
「Nreal Air」と「K5G-C-100A」の相性について語る日本Nreal 陳氏と京セラの鳥居

「K5G-C-100A」は、他にはどのような
現場で使われているのですか

京セラ 小倉 一般的な使い方としては映像伝送が多いですね。例えばサッカーの試合中継などでも使うことができます。サッカーは試合時間が前半45分、後半45分と非常に長いですが「K5G-C-100A」は前半と後半の計90分の試合映像を、5Gで高速に伝送し続けるというような過酷な使い方をしても、問題なく動作し続けます

もしスマホなら発熱によりアプリが落ちてしまう可能性もあるでしょうし、バッテリーもおそらく持ちません。しかし、「K5G-C-100A」なら90分間給電せずに映像を伝送し続けることが可能です。そういった高負荷環境下での安定性に関しては実績もありますし、各現場で高く評価していただいています。
※お客様のご利用環境やご利用状況によって異なります。

「K5G-C-100A」の導入事例を語る京セラの小倉
「K5G-C-100A」の導入事例を語る京セラの小倉

「Nreal」様から見て「K5G-C-100A」を
使うメリットは何でしょう

陳氏 やはり、スマホよりも電波受信性能が高く、また動作の安定性に優れているということでしょう。「K5G-C-100A」 は5Gデバイスであり、それ自体がとても高性能なルーターでもあるので、ARグラス以外の他のデバイスをつないでも、とても安定しています。実際に試してみましたが、電波環境があまりよくない開けた場所でも、安定した通信と長時間の駆動が可能でした。その優れた性能を活かせれば今後の「Nreal Air」の可能性も広がるので、それも大きなメリットだと感じています。

京セラ 鳥居 「K5G-C-100A」は、元々がBtoB向けの製品なので、デバイスにカメラが付いておらず、またローカル5Gに対応端末ということもあって、通常のスマホとは違った使い方ができるのも業務用途で使いやすい大きなポイントとなっていると思います。

京セラ 小倉 電波の受信性能に優れているのは、京セラは、元々スマホメーカーであり、ノウハウや実績があるからでしょう。「K5G-C-100A」は、本体に複数のミリ波レーダを内蔵しており、どのような方向からでも確実に電波を受信することができます。それでいてBtoB製品によくありがちな外付けのアンテナはありません。外付けアンテナがないことで置き方なども自由となりますし、使い勝手にも優れていると思います。

では、「Nreal」様から見て「K5G-C-100A」への要望や不満はありますか

陳氏 現状では特にございません。「K5G-C-100A」の性能は期待通りです。京セラさんとは、互いの技術やノウハウを共有しながら、これから一緒に「Nreal Air」やARデバイスのためのアプリの開発などを進めていきたいと考えています。そして、今まで以上に多くの方に「Nreal Air」を使ってもらい、AR体験がもっと日常のモノとなるような世界を目指し、Nrealも努力していきたいと思います。

京セラ側からは、今後一緒に
「こんなことがしてみたい」ということはありますか

京セラ 小倉 映像伝送などの分野で何かできないかと期待しています。例えば、サッカースタジアムなど、観客がいるような現場で「Nreal Air」 を装着しながらサッカーを応援する。そして、気になった選手について、「K5G-C-100A」をつないだ「Nreal Air」で詳しく調べ、その情報をAR映像でフィールドの試合を見ながらチェックする、などということにもできるのではと考えています。

また、まだ事例はないのですが、工場などで使われているペーパーの作業指示書を「Nreal Air」 + 「K5G-C-100A」に刷新するなどということもできると思います。現場で、次に何をするべきなのか、ということがAR映像で分かりやすく見せることもできれば、新人教育でも習熟度は全く変わってくるでしょう。そういった使い方にも期待しています。

京セラ 鳥居 「Nreal Air」は、非常にリーズナブルでコスパに優れているので、MRやARを導入するハードルが低い。それが大きなポイントですね。多くの方に使っていただけるでしょうし、どんな可能性があるのか我々ももっと研究していく余地がまだまだあると思います。
今ARを使った遠隔支援の研究が進んでいますが、実用化された例というのはまだ多くはありません。それにはARデバイスの価格の問題や適切なアプリがないという理由もあるでしょう。ただ、時間はかかるかもしれませんが、いずれ確実にARを日常の生活や仕事で自然に使用する世界が訪れるのは間違いないでしょう。それに「Nreal Air」は非常に適していると思います。京セラとしては、「Nreal」様と協力しながらスマートグラスなどARデバイスが、どのようなことに活用していけるのか、さまざまな可能性を研究していきたいと考えています。

「Nreal」様の今後の展望を
教えてください。

陳氏 今後やっていきたいことの一つは社会貢献です。すでに海外で実装されている一つの例を上げると、耳の聞こえない方に向けてのARアプリが実装されています。リアルタイムに相手の話す音声を文字情報化し、AR映像として「Nreal Air」で表示をする。日本でも同じことができれば、聴覚障害のある方が、手話ができない方との自然な会話やコミュニケーションができるようになり世界も広がります。そういった社会貢献につながるようなプロジェクトを「Nreal」としては、京セラさんと共に進めていきたいと考えています。

数年前くらいからですが、日本国内のメタバースの認知度や人気も急激に高まっています。それに伴い、XR業界やARデバイスも注目を徐々に浴びはじめ、市場はさらに拡大していくはずです。我々はARデバイスやソフト開発のリーディングメーカーとして、社会貢献をはじめユーザーの皆様の生活の質、QOLを向上していけるようなそんな活動も進めていきたいと考えています。

京セラから「Nreal」様へ
「期待することやご要望」はありますか

京セラ 鳥居 工場など製造の現場に特化したARデバイス端末などの開発をやっていきたいと考えたとき、Nreal様はとても期待できるパートナーだと思います。特にBtoBの市場、日本の市場に向けた展開に関して協力してやっていければと思っておりますので、今後ともぜひよろしくお願いします。

陳氏  ARデバイスは、高額というのが一つの大きなハードルですが、「Nreal」の製品はスラムカメラが付いたNrealLightで約7万円、「Nreal Air」なら4万5,980円と非常に入手しやすい価格です。そんな「Nreal Air」 + 「K5G-C-100A」で、プロダクトやサービスを広げビジネスをさらに拡大して、エコシステムを構築していきたいと考えています。それには京セラさんをはじめ、皆様のご協力なしでは成し得ません。こちらのほうこそ今後ともよろしくお願いいたします。

社名 Nreal Technology Limited
本社所在地 北京市海淀区北三環西路43号院2号ビル15階
設立 2017年1月
WEBサイト https://www.nreal.jp/
※YouTube は Google LLC の商標です。
※Bluetooth®ワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG,Inc.が所有する登録商標であり、京セラ株式会社は、これら商標を使用する許可を受けています。

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