ゴルフ場での開発実証に導入
ローカル5Gの高速通信を実現
京セラ ローカル5G対応デバイス「K5G-C-100A」
月刊ニューメディア(2023年6月号)の掲載記事を、
株式会社ニューメディアの許諾を得て転載しています。
京セラの5G対応デバイス「K5G-C-100A」が導入事例を増やしている。同製品はエッジコンピューティングやルーター機能など、ローカル5Gとそれを活用したIoTに必要な各種機能を兼ね備えた高機能端末で、2021年の発売後、現在もソフトウェアアップデートによる機能追加を続けている。ケーブルテレビ事業者などさまざまな業界で採用が進んでおり、今年(2023年)ケーブルテレビ株式会社が栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部(栃木市)で実施したゴルフ場での開発実証にも採用され、ローカル5G基地局との高速・低遅延で安定した通信を実現した。この4月にも、ユーザーから要望が多かったVPN接続に関する機能追加を行なうなど、進化を続けている。(取材・文:渡辺 元・本誌編集長)
排熱・エッジ処理・エンコーダ搭載など
ケーブルテレビに適した「6つの特長」
ケーブルテレビ株式会社が栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部で実施した開発実証では、ドローンによるコース巡回・芝の育成状態管理、ドローンによる飲食配送、ウェアラブルカメラによるプレー動画撮影・提供や遠隔レッスンをローカル5Gによる通信で行なった。京セラの5G対応デバイス「K5G-C-100A」は、ドローンの操縦者に設置するとともにドローン本体にも搭載し、操縦者と基地局、ドローンと基地局をローカル5Gで接続した。ウェアラブルカメラの利用では、コース上のプレーヤーの側に置き、ショットなどを撮影したプレー動画をローカル5G基地局に送信した。高速・低遅延・安定した通信ができる機能の高さと、持ち運びできる小型・軽量が活かされた。
「K5G-C-100A」は通信キャリアのパブリック5Gとケーブルテレビ事業者などのローカル5Gの両方に対応。ドローン、IoT機器、監視カメラ、ロボットなどと接続できる。京セラが商品企画から設計、販売、アフターサポートまでを一貫して国内で行なう「JAPAN MADE」の信頼性が強みになっている。
「K5G-C-100A」の機能面での大きな特長は次の6つだ。
第1の特長は、安定した5G高速通信の実現。筐体に排熱用空冷ファンを搭載し、規定温度を上回ると自動的にファンが稼働する。5G端末の大きな課題だった発熱によるクロック停止を防ぐことで、安定したスループットを実現した。
第2は、エッジ処理・解析によるクラウド負荷軽減。取り込んだ映像をエッジ側で解析し必要なデータだけをクラウドに上げるため、大容量の動画データを取り扱う用途でもクラウド利用のランニングコストを軽減できる。
第3は、アプリケーションCPUの搭載。エンコーダ/デコーダやUSBカメラなどのさまざまなアプリを本体に実装できるため、映像伝送でエンコーダを外付けする必要はない。
第4は、電波ログ取得や稼働監視の機能。事前の電波状態のチェックや突発的な不具合が発生した場合でも、本体ディスプレイ上で各種サポートを受けられるため、保守サポートの負荷を軽減できる。
第5は、多様なインターフェイスへの対応。DHCPやPort Forwardingにも対応しているため、本格的な5Gルーターとしても使用可能だ。
そして第6の特長は、本体にSIMを2枚挿入できること。ローカル5Gとパブリック5Gをハイブリッドで連携させることが可能だ。
全文は以下よりご覧ください
https://www.newww-media.co.jp/backnumber/202306/202306p37.pdf