SIMフリーかWi-Fi専用か?迷っている方へ向けた徹底比較ガイド
構内PHSの代替機はこれ!法人スマホ「SIMフリーモデル」と「Wi-Fi®モデル」を比較
高耐久スマートフォン / スマートフォン
SIMフリーかWi-Fi専用か?迷っている方へ向けた徹底比較ガイド
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2023年3月に公衆PHSのサービスが終了しました。医療機関や工場などで使用されている「構内PHS」は、当分の間は使用可能ですが、構内PHSを使用するための交換機やアンテナ、端末部品の生産が年々縮小傾向にあります。それに伴い、既存の機器が故障した際の保守が困難になりつつあります。
電波法の改正により、不必要な電波を減らすための新スプリアス規格が設けられます。
新規格に適合しない無線設備については、現在は経過措置として当分の間使用が認められていますが、将来的に経過措置が終了した場合、旧スプリアス規格で製造された構内PHSを使用し続けることは電波法に抵触する可能性があります。
▼参照:総務省「電波利用ポータル」無線設備のスプリアス発射の強度の許容値
構内PHSからスマホへの移行は、単なる通信機器の入れ替えだけではありません。
音声通話と簡易なテキスト送信が主体の構内PHSに対し、スマホはさまざまなシステムと連携できます。例えば、医療機関であればナースコールや電子カルテとの連携、医療過誤防止の三点認証など、医療の現場業務の効率化・DXも図れます。
総務省の調査によると、4G・5Gを含む携帯電話端末を通常の使用形態で使用した場合、植込み型医療機器への影響は確認されなかったとの結果も出ています。
▼参照:総務省|携帯電話端末の電波の植込み型医療機器への影響に関する調査レポート(2025年3月)
https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/medical/r6_appx_3_2.pdf(3.1MB)
5G/4Gの公衆網、Wi-Fiに続く第3の選択肢として、近年注目を集めているのが「sXGP(Shared Extended Global Platform)」です。
sXGPとは、PHSと同じ1.9GHz周波数帯を利用した、自営通信用TD-LTE™(4G LTE通信規格の一種)を構築できる通信規格で、免許不要で運用できます。
施設内に専用アンテナを設置し、スマホにsXGP専用のSIMカードを挿入して通信を行います。
Wi-Fiも自営ネットワークを構築できる通信規格ですが、sXGPはWi-Fiとは異なり、医療系をはじめとする他機器と電波干渉しにくいのが特徴です。
ほかにも、携帯電話と同じ通信技術を使用しているため、アクセスポイントを切り替えるハンドオーバー処理がスムーズで、敷地内を移動中でも音声の途切れがほとんど発生しません。
また、sXGPは専用のSIMカードによる所有者認証を行うため、第三者による不正アクセスのリスクも低減できます。
これらの特徴により、医療機関や工場など、安全で安定した自社通信網が必須な環境に適した通信規格と言えます。なお、sXGPはSIMフリーモデルで利用可能です。
Wi-Fiは多くのスマホやタブレットで利用されている通信方法です。
大容量・高速のデータ通信が可能で、サイズの大きなファイルや電子カルテのデータをやり取りすることもできます。
Wi-Fiに対応している機器も多く、医療機器との連携が容易なことも特徴です。
一方で、移動中に通話等の接続が不安定になる場合があるため、Wi-Fiハンドオーバー(接続先のアクセスポイントを自動で切り替える技術)を考慮したネットワーク設計が重要になります。
医療機関でのPHSの置き換え先として、導入が増えているのがFMCです。
FMCとは、「Fixed Mobile Convergence」の略称で、固定通信と移動通信を連携・統合し、ひとつの通信基盤として利用する仕組みです。
具体的な活用例のひとつとして、FMCとクラウドPBXなどの内線システムを組み合わせることで、スマホを内線端末として活用できます。これにより場所に依存しない内線環境の構築が可能となり、業務効率化に役立ちます。
また、データ通信においても、院内にWi-Fi環境が整備されている場合は建物内ではWi-Fiを利用し、院外やWi-Fiエリア外ではキャリア回線へ自動的に切り替えて通信することが可能です。
Wi-Fi単体の運用では、電波状況により通信が不安定になる場合がありますが、キャリア回線がバックアップとして機能することで、より安定した通信環境を実現できます。
さらに、キャリア回線を利用した認証やセキュアな通信が可能であり、医療現場においても、安全性と可用性を両立した通信インフラとして活用が進んでいます。
| sXGP | Wi-Fi | FMC | |
|---|---|---|---|
| 特徴 | ・音声品質が安定 ・医療機器と電波干渉しにくい ・SIM認証でセキュリティが強固 ・免許不要 ・基地局の設置が必要 |
・大容量、高速のデータ通信が可能 ・一般的に使い方が認知されている ・不安定にならないようアクセスポイント設計が必要 |
・Wi-Fiとキャリア回線を併用することで通信が安定 ・クラウドPBX連携で内線環境を構築可能 ・キャリア回線を利用した安全な通信 |
PHSからスマホへ移行する際には、特に以下の5点が重要です。
まずは、自社施設のネットワーク環境を確認しましょう。
すでに施設全体をカバーするWi-Fi環境が整備されている場合でも、そのままスマホの音声通話(VoIP)を利用できるとは限りません。
特に安定した音声通信を利用するためには、追加のインフラ整備が発生する場合があります。
現状のWi-Fi環境が「データ通信中心の設計」なのか、「音声通信にも対応可能な設計」なのかを見極めた上で、sXGP、Wi-Fi、FMCといった通信方式を、用途に応じて選定・組み合わせることが重要です。
sXGPはPBXと接続することで、従来のPHSと同等の内線運用が可能です。安全な通信環境で安定した音声通話を実現できるため、PHSの後継として期待されています。
FMCはクラウドPBXなどの内線システムと連携して、スマホを内線端末として使用できます。場所に依存しない内線環境が構築でき、PHSの後継としても活用可能です。
Wi-FiでもPBXと連携することで内線通話が可能なケースがあります。スマホに対応するPBXであれば、PBX事業者提供の内線アプリ(VoIP)で内線通話が可能です。提供元のPBX事業者に確認しておきましょう。
一般的にsXGPの場合、音声品質が安定し、かつ医療機器との干渉もほぼありませんが、導入するには基地局の設置が必要です。
FMCの場合、音声品質はWi-Fi・キャリア回線の品質によって左右される場合があります 。
Wi-Fiの場合は、移動時の通話が途切れないよう、アクセスポイントの配置設計が必要になります。
それぞれ音声品質と運用コストに違いがあるので、自社の業務に合った通信方式を選びましょう。
サービス内容について知りたい場合は、お問い合わせフォームからぜひ一度お問い合わせください。
導入時には、初期費用とランニングコスト(月額費用)のシミュレーションが不可欠です。
Wi-Fi専用スマホは、アクセスポイントの設置が必要になると初期投資額が大きくなりますが、スマホごとの月々のデータ通信料は発生しません。
対してSIMフリーモデルスマホは、FMCやクラウドPBXでキャリアSIMによる公衆網の基地局を利用する場合、大掛かりな初期投資は抑えられますが、導入するスマホの台数分のデータ通信料が毎月発生します。
総所有コスト(導入・運用・維持・廃棄までの全工程にかかる総費用)を比較検討した上で、自社に合う方を選定しましょう。
スマホを導入することで、通話以外にもさまざまな機能を利用できるようになります。
病院であれば、スマホ1台で画像やテキストメッセージのやり取り、電子カルテ連携、ナースコール連携などが実現できます。
工場であれば、バーコードリーダーによる在庫管理、IPトランシーバーとしての利用が可能です。
これらの機能を十分に使いこなすには、スマホ端末自体のスペックが重要になります。
京セラでは、上記のようなケースを想定したスマホをご用意しておりますので、ぜひご参照ください。
医療機関や工場では、硬いリノリウム床材やコンクリート床への落下、水滴や粉塵によるリスクが発生しやすく、一般的なスマホでは画面割れや故障で業務に支障をきたすおそれがあります。
京セラ製スマホはすべて、国防総省の調達基準(MIL規格)に準拠した耐衝撃性や、防水・防塵性能を備えた耐久性の高い設計となっているため、破損のリスクが少なく、業務端末として適しています。
医療機関や、食品・薬品などを扱う工場では、厳密な衛生管理が不可欠で、日々の業務の中で使用する機器をアルコールなどで消毒する必要があります。通常のスマホでは薬品への耐性がなく、塗装の剥がれやパーツの劣化、ディスプレイのコーティング剥離につながるものもあります。その点、京セラ製スマホは耐薬品性に優れているため、消毒用として市販されているイソプロピルアルコール、エタノール、次亜塩素酸ナトリウムを少量含ませた柔らかい布で拭き取りが可能です。さらに、泡ハンドソープで手洗いすることもできます。
医療機関の夜勤を含むシフト勤務、工場の長時間稼働により、スマホは複数のスタッフ間で連続して使用することが一般的です。そのため、スマホを選ぶ際には長時間の連続使用に耐えられるバッテリー性能と、ユーザー側でバッテリーを交換できる仕様が必要です。
京セラ製スマホは、消費電力を抑えられる機能を搭載しているほか、一部の機種では電源を完全に落とすことなく予備バッテリーへ交換もできるため、長時間稼働でも安心です。
京セラ製スマホには、「SIMフリーモデル」と「Wi-Fiモデル」があります。その違いについて解説します。
特定の通信事業者に限定せず、どの通信会社のSIMカードも使えるスマホです。通話やデータ通信を行うために必要な契約者情報を記載したICチップカード(SIMカード)をスマホに挿入し、データ通信網(5G/4G)を利用して通信を行うため、スマホの手配と回線契約で広域にわたり安定した通信を確保できます。また、前述のsXGPを使用する場合は、このSIMフリーモデルを選択します。
SIMカードを利用せず、施設内に構築されたWi-Fi環境(アクセスポイント)を利用して通信を行います。キャリア回線契約が不要であるため、スマホごとの月額料金が発生せず、ランニングコストを抑えられます。
また、Wi-Fi専用モデルは、移動中に近くにより強い電波のアクセスポイントがあっても、接続中のアクセスポイントを保持し続ける現象が起きます。この影響で、移動時に通信が一時的に不安定になる場合があります。
これを防ぐには、既存のWi-Fi環境に適したハンドオーバー(基地局の切り替え)の設計に対応したスマホを選定しておくと安心です。
| SIMフリーモデル | Wi-Fiモデル | |
|---|---|---|
| 通信エリア | ◎ 通信圏内であればどこでもつながる。外出先でも利用可能。 |
○ 自社で設置したアクセスポイントがカバーする範囲のみつながる。 |
| ランニングコスト | △ スマホごとに毎月、データ通信料や回線利用料が発生する。 |
◎ 毎月のデータ通信料は不要。 |
| 構内のインフラ整備 | ○ スマホごとの回線契約で利用可能。大掛かりなインフラ整備は不要。 |
△ すでにWi-Fi環境が整っていてもインフラ整備が必要な場合がある。 |
| 通信の安定性 | ◎ 比較的安定。ただし、地下や窓のない部屋などではつながりにくくなる場合がある。 |
○ アクセスポイントの配置などにより通信品質が変動する場合がある。 |
「KC-S703(SIMフリーモデル)」は、自営ネットワークを構築できるsXGPに対応しているため、高いセキュリティレベルが求められる医療機関などでも安心して利用できます。また、災害時にも安定して利用できる点もメリットの1つです。
DuraForce EXは、自動的にアクセスポイントをつなぎ替えながら通信の接続を維持する「Wi-Fiハンドオーバー」機能を備えています。既存のWi-Fi環境に合わせてハンドオーバーのタイミングを変更できるため、安定した通信を確保できます。また、Wi-Fi環境を学習してアクセスポイントごとに最適な切り換え閾値を自動で設定する「Wi-Fiローミングアシスト」も搭載されています。
【導入実績】
武蔵野赤十字医療機関様にてDuraForce EX(KC-S603)が採用されています。コストを抑えつつ、医療現場に求められる安定した通信とスマホの堅牢性が評価されています。
構内PHSのサービス終了やインフラ機器の生産縮小に伴い、法人スマホへの移行は多くの組織や企業で避けられない課題となっています。しかし、自社に適さない通信方式を選択してしまうと、業務への影響やコストアップにつながるリスクがあります。
構内PHSから法人スマホへの移行を適切に進めるためには、以下の要件を考慮することが重要です。
京セラには、SIMフリーモデル、Wi-Fiモデルともに、法人スマホに最適な製品を取り揃えています。法人スマホへの移行に関する無料相談、お客様の環境に応じたデモ機の貸出も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
著者:通信機器事業本部 コラム編集部