低比重・低熱膨張コージェライト材料に関する特許技術が「令和2年度全国発明表彰 発明賞」を受賞

この度、京セラが独自に開発・実用化した低比重・低熱膨張コージェライト材料に関する特許技術(特許第5762522号)が、「令和2年度 全国発明表彰 発明賞」を受賞致しました。本特許技術は、半導体デバイスの製造に用いる半導体露光装置のウェハーステージに使用されています。
半導体デバイスの高性能化に貢献

半導体露光装置のウェハーステージには従来から低熱膨張ガラスが用いられてきましたが、比剛性の低い低熱膨張ガラスのウェハーステージでは露光装置のウェハー処理スピードを高めることが難しいという課題がありました。
そこで京セラは、半導体露光装置のウェハーステージ用に比剛性が高いセラミックスのコージェライ卜を用いた低比重・低熱膨張材料を開発し、特許を取得しました。
本特許技術によるコージェライ卜材料を使用したウェハーステージは、世界で主流となっているArF液浸露光装置に採用され、露光装置のウェハー処理スピードの向上を実現し、高性能な半導体デバイスの安価な製造に貢献しています。
優れた特性を実現する特許技術

本特許技術では、コージェライ卜の焼結に用いる添加成分として少量で効果の高い成分を選定して低比重化を図り、磁器中の粒界に非晶質相を形成することにより低熱膨張性を損なわない材料設計を行いました。これにより、従来の低熱膨張ガラスの約1.6倍の比剛性を持ち、熱膨張係数の保証値が0±20 ppb/K at 22℃であるコージェライト材料をウェハーステージ用材料として実用化しました。
本特許技術を用いたコージェライト材料は半導体露光装置のほか、天文・宇宙分野への応用展開も進められています。
京セラは、今後もセラミックス材料開発の分野をリードし、快適で豊かな生活を支える新技術創出の可能性を追求してまいります。