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京セラのVPP実現への情熱の証となる知財:近未来のインフラの共創

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VPPが拓く、持続可能な社会への道

近年、エネルギー問題に対する喫緊の解決策として、「仮想発電所(Virtual Power Plant:VPP)」が世界的に注目を集めています。VPPは、太陽電池、蓄電池、電気自動車(EV)などの分散された電源をIoT技術でネットワーク化し、仮想的に一つの大規模発電所として管理・運用する仕組みです。
大規模発電所から各地へ電力を供給する従来の中央集権型の電力システムに対し、VPPは、再生可能エネルギーの利用率向上、電力系統の安定化、そして災害時にも電力を確保できる高いレジリエンス(強靭性)を持つ分散電源の普及を促進します。電力が余っている分散電源から不足している地域へ電力を供給するなど、電力の需要と供給のバランスを地域全体で最適化することが可能です。

京セラは、このVPPを多様な専門性を持つパートナーとの「共創」を通じて実現する、未来の社会インフラであると強く認識しています。本ページでは、京セラがVPPに注ぎ込んできた情熱と技術力を、私たちの確かな歩みと、それを支える強固な知的財産ポートフォリオを通じてご紹介します。


京セラの挑戦と共創の歴史

京セラは、VPP構想が注目され始める以前から分散型エネルギーシステムの可能性を信じ、10年以上にわたり技術開発と大規模な実証に先行投資してきました。多くのパートナーとの共創を通じて培ってきたこの経験こそが、私たちのVPPへの熱意を証明する確かな足跡です。

VPPにおける京セラの歩み

2014年10月: 自動デマンドレスポンス(ADR)の実証開始。電力逼迫時の需要抑制からエネルギーマネジメント(EMS)制御、効果集計までを全自動化するシステムの構築・最適化試験を実施しました。
2016年: VPP実証に本格着手。経済産業省主導事業に参画し、住宅の太陽電池と蓄電池をネットワーク化し遠隔制御する技術を開発しました。*1
2017年: 大規模VPP実証に継続参加。独自のエネルギー管理プラットフォームで分散電源群を集中制御し、電力系統への調整力提供に成功しました。*1
2018年: IoT技術を活用した再生可能エネルギーの遠隔制御技術を検証。高精度電力センサーとリアルタイム解析で蓄電池の最適充放電に取り組みました。
2019年2月: ブロックチェーン技術を取り入れた次世代型VPPの実証開始。P2P電力取引の仕組みを検証しました。
2019年~2020年: 政府のVPP実証に継続参加。電力市場取引を見据え、蓄電池の遠隔制御による需給調整精度をさらに向上させました。*1
2020年1月: 家庭用蓄電システム「Enerezza®(エネレッツァ)*5」の販売開始。VPPの基盤となる高機能なクレイ型蓄電池を製品化しました。
2021年: Enerezza®を使用した逆潮流放電の検証を実施。遠隔制御を安全に行えることを実証しました。*2
2022年: 経済産業省が公募するDER(分散型エネルギーリソース)実証に参加。需給調整市場の一次調整力向け制御技術の実証を実施し、技術を確立しました。*3
2023年4月: 再生可能エネルギー発電事業推進に向けた資本業務提携。蓄電池を活用した電力の安定供給を推進しました。*4


VPPを支える京セラの技術と強固な知的財産ポートフォリオ

京セラは、上記のような長年にわたる実証と技術開発を通じて、VPPの安定稼働と高度化に必要な広範なコア技術を確立、それらを強力な知的財産として獲得しています。この強固な知的財産ポートフォリオこそが、VPPインフラを共に構築するパートナーの皆様への、京セラの技術力と安心感の証です。
京セラは、VPPの実現に必要な様々な要素技術を自社で開発し、特許として権利化しています。VPPシステム全体を「上流から下流まで」広範にカバーする200件以上のVPP関連特許に加え、蓄電池・太陽電池・燃料電池などの分散電源を遠隔で制御する100件以上の遠隔操作関連特許を保有しています(2025年6月17日時点)。

特に、以下の技術領域で強みを発揮し、その優位性を知的財産で保護しています。

1. 需要家と小売電気事業者双方にとって好ましい経済メリットを実現する制御技術

京セラは、VPPの運用において単なる電力需給バランス調整に留まらず、経済合理性も追求する制御技術を有しています。
長年の研究成果:家庭用蓄電池を導入している需要家の電気代削減に貢献しつつも、電力市場と小売電気事業者との間で動的に変化する卸電力料金を考慮して、小売電気事業者の収益性を向上させる技術(特許第7493110号(1.18MB))など、多くの技術を京セラは獲得してまいりました。このような経済的な面に限らず、VPPにおいては様々な課題に直面することとなりますが、京セラではその解決力を提供することができます。

2. VPPの基盤となる蓄電池技術

京セラが開発した「クレイ型蓄電池(「Enerezza®*5」に搭載)」は、VPPの基盤となる分散電源の1つとして高機能かつ安全な電力リソースを提供します。京セラは蓄電池メーカーとして蓄電池の特性を深く理解しており、その知見を活かしてVPPのシステム構築に挑戦しています。この蓄電池制御技術は、VPPにおける分散電源としての信頼性と運用効率に大きく貢献します。


未来を共創するパートナーシップへ

VPPは、単なる技術システムではなく、持続可能なエネルギー社会への転換を加速させる社会インフラです。その構築と普及には、多様な専門知識と技術を持つパートナーとの強固な連携が不可欠です。
京セラは、長年にわたり培ってきた高安全性・長寿命のクレイ型蓄電池技術、AIを活用した先進的なVPP技術、そしてそれを支える強固な知的財産ポートフォリオを提供することで、VPPの構築と普及を加速させます。

パートナーにとって京セラの価値

  • 開発期間の短縮とコスト低減

京セラの豊富な開発・実証経験と、広範な知的財産ポートフォリオを活かすことで、VPP関連技術の開発やシステム構築にかかる時間とコストの低減に貢献することができます。

  • 技術的優位性の確立

京セラ独自のVPP技術、そしてその基盤となる分散電源の1つとして高機能かつ安全なクレイ型蓄電池とその高度な制御技術を活用し、市場における競争優位性を確立できます。

  • 安心と信頼

強固な知財基盤と、長年の実証で培われた運用ノウハウにより、安定したVPPシステムの構築と運用を実現します。

  • 社会貢献

持続可能なエネルギー社会の実現という社会貢献性の高い目標に、共に貢献できる機会を提供します。

是非、未来のエネルギーインフラを
共に創造しましょう。

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