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独自技術で安心・安全な自動運転を支援する
京セラのADAS向けデバイス

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近年、​自動車にレーダー・カメラ・各種センサを搭載して自動運転を実現する自動運転システムや、自動車を安全に運転できるよう支援するADAS(高度運転支援システム)が世界的に注目され、開発が進んでいます。

京セラは、自動運転の社会実装の実現に貢献すべく、当社の通信事業や部品事業を通じて培った開発技術、設計力などにより、自動運転の「目」の役割を担う「カメラ-LiDARフュージョンセンサ」の開発を進め、早期の市場投入をめざしています。


■カメラ-LiDARフュージョンセンサ
(Camera - LiDAR Fusion Sensor)

代表的なデバイスである「LiDAR」※1や「カメラ」を自動運転システムやADAS等に用いるときは、LiDARユニットとカメラユニットそれぞれを並列的に設置し、カメラでは物体の画像データの取得を、LiDARでは距離データの取得を行っています。しかし、並列に設置されたユニット同士は互いの光軸がずれているために、2つのユニットからのデータには必然的に視差とよばれるズレが生じています。そのため、カメラがとらえた物体から当該カメラまでの正確な距離をLiDARで測定することは困難でした。また、このズレを補正するために統合処理を行いますが、瞬時に正確な情報を必要とするADASや自動運転システムでは、この負荷の重い統合処理により生じるタイムラグが大きな課題となっていました。

京セラ独自の特許技術
「カメラ
-LiDARフュージョンセンサ」
京セラはLiDARとカメラを「ワンユニット化※2」することで、より高精度な画像をタイムリーに取得できる「カメラ-LiDARフュージョンセンサ」を開発し、当該センサに関する技術を特許化しました。

■特長
1.カメラとLiDARのワンユニット化※2
京セラの独自技術によって、カメラユニットの光軸とLiDARユニットの光軸を一致させることにより、カメラで捉えた物体から当該カメラまでの距離を正確に計測できるようになりました。さらにデジタルミラーデバイス (Digital Mirror Device :DMD)によってLiDARへの外乱光(ノイズ)の侵入を排除することで、高精度なセンシングが可能です。

※1 LiDAR(Light Detection and Ranging)とは、レーザー光による検知と測距を行うセンサ。
※2 京セラでは、価値ある研究成果の保護および活用を目的に、カメラとLiDARのワンユニット化に関する技術を、日本、米国、欧州、中国、韓国の5カ国に特許出願し、日本および米国では、日本特許第6640149号、US10838044をはじめ、特許が登録されております。

2.データ取得の遅延がなく、車載用に活用可能
ワンユニット化したことで、カメラの画像データとLiDARの距離データを統合させるプロセスの負担が非常に軽くなり、遅延のすくない検知を実現。走行中の安全確保のため、タイムリーで正確な情報を必要とする車載用デバイスとしてご活用いただけます。

■京セラのセラミック技術が実現した耐久性
一般的にLiDARは、周辺をスキャニングする際、モーターでミラーを回転させますが、自動車の揺れや振動に対する耐久性が低いことが課題でした。当社ではこれまでセラミックパッケージの製造・開発で培ってきた高度なセラミック技術により、走行環境に耐えうるMEMSミラーを用いた独自のソリューションを開発しました。

■開発状況
カメラ-LiDARフュージョンセンサは、現在、開発中で2024年度の市場投入をめざしています。また、今後は、車載のみならず、建設機械やロボットなどのモビリティのほか、人や物を認識するセキュリティシステムなど、さまざまな分野での活用も期待されています。

※カメラ-LiDARフュージョンセンサ紹介動画はコチラ

※本ページは、掲載時点(2022/2/3)の情報に基づいて作成しており、特許の権利状況等は最新の状況とは異なる場合があります。

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