「令和４年度近畿地方発明表彰 発明奨励賞」を受賞
京セラの窒素パージ型UV LED光源
この度、京セラ社員の光照射装置に関する発明（特許第6677857号）と、感光体に関する発明(特許第6619433号)が、令和４年度近畿地方発明表彰 発明奨励賞を同時に受賞致しました。地方発明表彰は、大正10年に開始され、実施されている優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者を顕彰するものです。
UV LED光源 G5AN
紫外線硬化型インクを使用する例えばインクジェット方式の印刷装置には、紫外線（UV光）を照射してインクを硬化させるUV照射装置が用いられます。また、雰囲気中の酸素によってインクのUV硬化反応（ラジカル重合反応）が阻害され、表面硬化不良を引き起こす酸素阻害を避けるため、印刷媒体のUV照射領域に窒素等の不活性ガスを供給して、インクの硬化性を向上させるUV照射装置が特に注目されています。近年では、省エネルギーやSDGｓの観点から、UV LED光源の採用が進められています。
そこで京セラは、UV LED光源に対して、小型でありながら印刷媒体のUV照射領域に効果的に不活性ガスを供給することができる空冷方式UV LED光源 窒素パージモデル G5ANを開発いたしました。G5ANは、今回受賞した特許第6677857号の構造を採用しています。
特許第6677857号について
光源の筐体側面から、光照射面にかけてガスの流路を配置するとともに、光照射面の光照射口の近くにガスの排気口を備える構造とすることで、光照射装置のサイズの増加を抑えつつ、窒素等の不活性ガスを硬化させたい箇所に効果的に吹き付けることが可能となります。これにより、硬化させたい箇所から、酸素阻害の原因となる酸素を除去し、インクの硬化不良を低減させることが可能となります。本発明は、日本のみならず米国および中国でも特許権利化に成功し(JP6677857B2,JP6674064B2,US11458446B2,CN111526992B)、欧州でも権利化に取り組んでおります。京セラは、G5AN等の販売促進のため、各国での権利活用を行っていきます。
※本ページは、掲載時点の情報に基づいて作成しており、特許の権利状況等は最新の状況とは異なる場合があります。
