京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫)は、クロック用水晶発振器において、業界最小サイズ※1ながら、従来品比約50%となる0.9V駆動の低電圧化を実現した「KC1210Aシリーズ」を開発しましたので、お知らせします。
2025年9月17日(水)からサンプル対応を開始し、量産は2026年夏を予定しています。
※1 セラミックパッケージを使用したクロック用水晶発振器において(2025年8月 京セラ調べ)
KC1210Aシリーズ
1.業界最小サイズ(1.25mm×1.05mm×0.5mm MAX.)の超小型・低背 2.従来品比約50%の低電圧0.9V駆動を実現 |
■開発の背景
AI機能を搭載したスマートフォンやウェアラブルデバイスの普及に伴い、高速通信や大容量データ処理といった高機能化が進んでいます。しかし、機器の高機能化は搭載部品点数と消費電力を増加させ、その結果、バッテリーの消耗や充電頻度の増加といった課題が顕在化しています。
その解決策として小型かつ低電圧駆動の発振器の需要が高まっており、この市場のニーズに応える製品として、当社はKC1210Aシリーズを開発しました。
京セラは、小型振動子で業界をリードする実績と独自の技術力で、日々進化するスマートフォンやウェアラブル機器の高機能化に応える新製品の開発を進め、さらなる機器の進化に貢献してまいります。
■KC1210Aシリーズの特長
1.業界最小サイズ※1(1.25mm×1.05mm×0.5mmMAX.)の超小型・低背製品
当社独自の小型素子設計技術※2により、諸特性と小型化を両立し、当社従来品(KC2016K)比、面積約60%減の1.31mm2 max.を実現。体積は約1/4となり機器の高機能化による高密度実装にも貢献いたします。
※2 半導体フォトリソプロセスとプラズマCVM工法による水晶素子のウエハ一貫工程
当社従来品KC2016K(写真左)と新製品KC1210A(写真右)のサイズ比較
2.低電圧 0.9V駆動を実現
新型の低電圧駆動発振ICの採用により、電源電圧を当社従来品比約50%の低電圧0.9V駆動を実現しました。その結果、消費電力も従来品と比べて約50%削減できる見込みであり、今後さらなる消費電力の増加が予想されるスマートフォンやウェアラブルデバイスにおいて、省電力化に大きく寄与いたします。
■主な用途
・スマートフォン
・VRゴーグル
・ウェアラブルデバイス
・IoTモジュールなど
■KC1210Aシリーズ製品概要
製品名 |
クロック用水晶発振器 |
形式 |
KC1210Aシリーズ |
サイズ |
1.25mm×1.05mm×0.5mm (MAX.) |
生産拠点 |
山形東根工場 |
量産開始 |
2026年夏(予定) |
動作温度範囲 |
-40~+85℃ / -40~+105℃ |
■電気的特性
出力周波数範囲 |
9.6MHz~100MHz |
出力タイプ |
CMOS |
周波数許容偏差* |
±25×10-6/ -40~+85ºC, ±50×10-6/ -40~+105ºC |
電源電圧 |
0.8~1.8V |
消費電流 |
3.5mA (Max.) / 50MHz, 0.9V, CL=15pF |
*初期偏差@25℃、動作温度特性、電源電圧変動、負荷容量変動、
経年変化1st yr@25℃、振動・衝撃を含みます。