アモルファスシリコンドラム
用語集

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電子写真印刷方式

カールソンプロセス

カールソンプロセス1000px_3校.jpg

ゼログラフィー法とも呼ばれ、帯電からクリーニングに至る一連のプロセスを繰り返すことにより連続的に印字を行います。右にカールソンプロセスの概要図を示します。

感光体(感光ドラム)

電子写真印刷における中核部品であり、帯電特性と感光特性を利用して印画を可能にします。薄膜に有機材料を用いたものとアモルファスシリコンのように無機材料を用いたものとがあります。

帯電

感光体に表面電荷(イオンや電子)を付与し、均一な表面電位を形成するプロセスです。帯電に用いるデバイスを帯電器と呼び、代表的な帯電器としてスコロトロンと帯電ローラがあります。

露光

帯電プロセス後に光を照射し、感光体層表面に静電潜像を形成するプロセスです。露光光源には半導体レーザ光源やLED光源などがあり、LEDプリントヘッドはこのLED光源に当たります。

感度

露光エネルギーに対する表面電位の落ち込みの具合を感度と呼びます。帯電した感光体は露光で発生したキャリアによって表面電荷が打ち消され、表面電位が減少します。露光エネルギーと表面電位の関係性を曲線で表したPIDC(Photo Induced Discharge Curve)を用いて評価されます。

残留電位

帯電後に十分な露光量を与えても、減衰しきれず残る電位のことを指します。

現像

静電潜像をトナーにより可視化するプロセスです。静電潜像から外部に張り出す電界が駆動力となってトナー粒子をひきつけ、画像形成が行われます。現在は反転現像法が主流となっており、ドラム表面の帯電と同極性に帯電したトナーが静電潜像部に付着します。

トナー

静電潜像を顕像化させる帯電色素微粒子をトナーと呼びます。カーボンブラックのような着色顔料と帯電制御剤、および添加剤を樹脂中に分散させた5~20μm程度の粉体トナーや、絶縁性液体中に樹脂や帯電制御材を着色顔料に吸着・分散させた液体トナー等があります。

転写

感光体上のトナー像を用紙に移すプロセスです。電場を形成することにより、帯電したトナーを静電的に吸着させます。

定着

用紙上のトナーを熱、圧力、溶剤などで用紙に固着させるプロセスです。トナー相互あるいはトナーと用紙間との接着、投錨作用によって固着させます。

除電(イレース)

感光体表面全面に比較的強度の高い光を照射し、ドラム表面に残った静電荷を取り除くプロセスです。

クリーニング

転写後感光体上に残存するトナーを除去するプロセスです。弾性ブレードや除電ブラシを感光体の表面に押し当てて、転写しきれなかったトナーを除去します。

画像メモリ(残像、ゴースト現象)

感光体表面に作られた画像パターンが、次の周の画像上に薄く現れる現象を指します。露光で発生したキャリアの一部が膜の中に残り、次の帯電プロセスに影響することで発生します。

a-Si感光体機能の発現

アモルファスシリコン

crystal_amorphous.jpg

a-Si:Hで表され、SiH4(シラン)ガスのグロー放電により作製します。アモルファスとは非晶質という意味であり、結晶シリコンのような規則正しい配置を持たず、長距離秩序を壊しながら3次元ランダムネットワークを構成しています。

ドーピング

a-Si:Hに不純物(ドーパント)を添加することをドーピングと呼び、半導体中の電子数やエネルギーを精密に制御することができます。ドーパントとしてホウ素(B)などのⅢ族元素を添加するとp型、リン(P)や窒素(N)などのⅤ族元素を添加するとn型のa-Si:H膜が得られます。シリコンドラムはp/n型や真性(i型)のa-Si:H膜を積層することにより、感光体としての機能を発生させています。

電荷注入阻止層

アルミニウム基体あるいは帯電した感光体表面からの電荷注入を阻止する役割をもつ層です。電荷注入阻止が不十分であると、感光体表面の帯電電荷が保持できなくなります。

光導電層

入射光により光励起キャリアを発生させ、感光体表面の帯電電荷を打ち消す役割をもつ層です。一般的な層厚は20~40μmであり、厚くするほど帯電特性や感度特性が向上する傾向にあります。

表面保護層

物理的・化学的に感光層表面を保護する役割をもつ層です。シリコンドラムにおいては、バンドギャップや硬度の観点からアモルファスカーバイト(a-C:H)やアモルファスシリコンカーバイト(a-SiC:H)を用いています。

プラズマCVD

プラズマCVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)

減圧された反応炉容器内で原料ガスをプラズマ状態に分解し、活性化された成膜種を基体表面に堆積させることで膜形成を行う成膜技術です。通常の熱CVDと比べて低温で膜形成ができ、またいくつかの原料ガスを組み合わせることにより膜の種類や組成比を制御し、形成した膜の特性を制御できるという特徴があります。シリコンドラムの他、太陽電池や液晶ディスプレイなどの製造に広く使用されています。

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