京都オパールは、天然オパールと同一の石英粒子をもとにし、京セラ独自の宝石合成技術によって、長い歳月をかけながら大切に育てられます。
1980年から宝石として販売しているイナモリストーンの人工オパール(クレサンベールオパール)との大きな違いは、多彩なカラーを楽しんでいただくための人工的な染色(樹脂含浸)処理を加えていることです。この人工処理によりオパール特有の“割れ”や“欠け”などのいわゆる”脆さ(もろさ)”を克服し、多種多様のカットが可能になりました。
遊色効果を醸し出すオパール構造の創出は、世界に類はなく、この独特の気品漂う風合いは、成型された樹脂製品では真似ることはできません。
同素材は米国のアクセサリー市場を中心に、20年以上の販売実績があります。このたび、京都生まれのオパールを日本国内において、たくさんの方々に知っていただきたいとの思いから“京都オパール”という愛称を選びました。
従来型のオパール素材では実現できなかった比較的大きな形状や薄いシートのような材料を実現するために京都オパールの主原料である(石英=シリカ粒子)に強い電荷を与える樹脂を開発し、いわゆるコロイド結晶化に成功しました。天然オパールと同等である特有の発色のメカニズムを樹脂中に再現し、従来の京都オパール(無機及び樹脂含浸タイプ)と比較してコスト低減・生産容量拡大・加工性向上を実現しました。
京都オパール (無機タイプ) |
京都オパール (樹脂含浸タイプ) |
京都オパール (高分子コロイド結晶(ポリマー)タイプ) |
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化学組成 | SiO2・nH2O | SiO2 (シリカ) + 樹脂(約20%) | SiO2 (シリカ) + 樹脂(約80%) |
鉛筆硬度 | 9H以上 | 9H以上 | 3H以上 |
比重 | 1.90 - 2.20 | 1.80 - 1.90 | 1.35 - 1.40 |
耐熱温度 | 900 ℃ | 130 ℃ | 130 ℃ |
最大サイズ | 約 30 x 30mm(*) | 約 50 x 50mm(*) | 約 297 x 210mm |
最大厚み | 約 8mm | 約 15mm | 約 30mm |
* 不定形原石からの切り出しとなります。
天然オパールと同様の外観的特徴・内部構造を再現 | 割れや欠けに強い(樹脂含浸タイプ) |
不純物や欠陥が少ない内部構造 | 多彩なカラーバリエーション(樹脂含浸タイプ) |
* ディスプレィにより色調は変化しますのでご参考まで
ごふん
胡粉
かりやす
刈安
さくらいろ
桜色
じんざもみ
甚三紅
からくれない
唐紅花
にじいろ
虹色
かきつばたいろ
杜若色
あさぎいろ
浅葱色
つゆくさいろ
露草色
ちとせみどり
千歳緑
るりいろ
瑠璃色
ももしおちゃ
百塩茶
高分子樹脂中にオパール特有の”遊色効果”を実現 | マシニング加工品可 |
約120μm厚のシートは透光性の高い素材に | 多彩なカラーバリエーションも作成可能 |
オパールは非晶質といって、宝石と呼ばれる鉱物の中でも結晶構造を持っていないものです。もとになっているのは、わずかな水分を含む二酸化ケイ素の微細な粒子。この球状の微粒子がびっしりと詰まって並びゼリー状に固まったものがオパールです。独特の虹色の輝きは、この粒子の並びと光との相関で生まれるわけです。天然のオパールは、二酸化ケイ素を多く含む地下水が冷却する過程で生成され、その多くは岩石の破片が集積し、沈澱して固まった推積岩の中から発見されます。京セラは独自の宝石合成技術により、溶液中に二酸化ケイ素を溶かし、その微少で均一な粒子が沈澱し、ぎっしりと並んだ状態をつくりだすことに成功しました。この沈澱層から水を抜き取ってゆっくり乾燥させ、長い時間をかけて固めて板状のオパール層をつくるのです。
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