UV LED光源

UV硬化
(紫外線硬化)
とは?

~光による樹脂硬化のメカニズム~

採用用途が拡大している
UV硬化樹脂

近年、様々な用途で採用が拡大しているUV硬化樹脂ですが、
なぜ光(紫外線)を照射されただけで、液体から固体へ変化するかご存じでしょうか?
本ページでは、UV硬化の原理や他の硬化方式との比較、UV硬化樹脂の採用例などを解説します。

UV硬化の
原理

UV硬化樹脂とは

まず初めに、UV硬化樹脂の組成から解説します。一般的なUV硬化樹脂には、①主剤(モノマー)、②光重合開始剤、③その他(各種調整剤等)が配合されています。通常の樹脂(UV硬化特性を持たない樹脂)との決定的な違いは、UVに反応する光重合開始剤が添加されていることです。光重合開始剤が、UV硬化のプロセスにおいて重要な役割を果たします。

硬化前

硬化前

硬化後

硬化後硬化後

光重合開始剤は、UV光を照射されるとラジカル重合反応を起こし、液体だった樹脂を固体に変化させます。では、"ラジカル重合反応"とは何なのでしょうか?

ラジカル重合反応とは

①UV硬化樹脂にUV光を照射すると、樹脂に含まれる基底状態の光重合開始剤はUV光のエネルギーを吸収することでエネルギー準位が高くなり、励起状態となります。次に、②励起状態になった光重合開始剤は非常に不安定な状態であり、光開裂することでラジカルを生成します。そして、③生成されたラジカルは、主剤であるモノマーと付加反応を起こし、結合します。④結合による成長を繰り返すと、液体であった樹脂が硬化し固体になります。やがて、⑤ラジカルは活性を失い、UV硬化反応が終息します。 これら一連の反応をラジカル重合反応といいます。

① 光重合開始剤の励起

① 光重合開始剤の励起
① 光重合開始剤の励起

② ラジカルの生成

② ラジカルの生成
② ラジカルの生成

③ 主剤との付加反応

③ 主剤との付加反応
③ 主剤との付加反応

④ 成長反応

④ 成長反応
④ 成長反応

⑤ 停止反応

⑤ 停止反応
⑤ 停止反応

UV硬化樹脂の
特長

熱硬化樹脂との違い

UV照射により硬化するUV硬化樹脂に対して、熱硬化性樹脂は熱を与えることで硬化します。UV硬化樹脂ではUV照射をきっかけに重合反応が起こりますが、熱硬化性樹脂では加熱されることで重合反応が起こります。
熱硬化性樹脂は有機溶剤を使用するために作業員の健康リスクが高く、また加熱や乾燥などの生産工程におけるエネルギー消費が大きくなってしまいます。また、硬化時間が大きく異なり、UV硬化樹脂のほうが熱硬化性樹脂よりも短い時間で硬化します。
一方で、UV硬化樹脂はUVを樹脂全面に照射する必要があるため、複雑形状には向かないというデメリットもあります。

低公害


エネルギー

スピード
硬化

どんな用途に採用されている?

近年、様々な用途で採用が拡大しているUV硬化樹脂ですが、印刷、接着、コーティング、露光などの用途で特に多く採用されています。印刷用途では、産業用インクジェットプリンターや各種産業用アナログ印刷のインク硬化。接着用途では、液晶パネルの面接合や、電子部品の局所接着、UV硬化型液状ガスケット(CIPG)。コーティング用途では、スマートフォンの筐体コーティングや光ファイバの保護被膜。露光用途では、半導体ウェハのフォトリソグラフィ用途など、様々な産業を支えています。

印刷、接着、コーティング、露光印刷、接着、コーティング、露光

まとめ

本ページでは、UV硬化について解説しました。
京セラは、UV硬化に使用されるUV LED光源を開発/製造しております。
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