UV LED(紫外線LED)光源とは?
一般的なLED光源とは何が違う?
UV(紫外線)とは?
UV(紫外線)とは、Ultra Violetの略で、波長が約100~400nmの電磁波です。
電磁波は波長の違いによって、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波等に分類されます。
我々人間の目で捉えることができる電磁波を可視光線と呼び、その波長域は約400~780nmです。
したがって、UVを人間の目で認識することはもちろんできません。
UVはさらに細かく3種類に分かれ、波長が短い順にUV-C、UV-B、UV-Aと呼ばれ、それぞれ違った分野で活用されています。
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UV-C水浄化、空気浄化、除菌用途、等
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UV-B農作物の病害虫予防、等
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UV-AUV硬化樹脂の硬化用途、等
UV LED
(紫外線LED)光源とは?
一般的な照明用LED光源との違い
一般的な照明用LED光源は、LED素子(発光ダイオード素子)から出る青色波長の光によって、素子の封止材に含まれる黄色蛍光体が励起されることで、青色光と黄色光とを合成した白色光を得ています。
一方で、京セラのUV LED光源には蛍光体が存在せず、LED素子は青色波長の光よりも波長が短いUVを発光します。UV用LED素子から、照明用LED素子とは異なる波長の光(UV)が出る理由は、照明用LED素子とは材料組成が異なるからです。
照明用LED素子の材料にはGaAs(ヒ化ガリウム、もしくはガリウムヒ素)系が広く使用されています。
一方で京セラのUV LED光源に使用されているLED素子の材料は、GaN(窒化ガリウム、もしくはガリウムナイトライド)系のため、照明用途とは異なる波長を発光します。
UV LED光源の歴史
LED光源開発の歴史としては、1990年代に三原色(RGB)の発光素子が出そろい、白色LED光源が誕生しました。
中でも青色LED素子については、ノーベル物理学賞を日本人研究者の方々が受賞されたことで、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
一方でUV用LED素子は、2000年代に入ってから各社の製品開発が続々と成功しました。三原色のLED素子よりも開発が遅れたのは、可視光線よりも波長の短いUVを発光させようとすると、LED素子の発光効率が低下してしまう問題が原因です。
発光効率の向上という課題をLED素子の材料組成を調整することでクリアし、それ以降UV LED光源も社会に普及していきました。
UVランプとの違い
UV LED光源の登場前から、水銀ランプやメタルハライドランプ、ガリウムランプといった、いわゆるUVランプは既に世の中に存在していました。しかし、従来のUVランプと比較してUV LED光源は、より小型で、消費電力を大幅に抑えることができるため、一部用途でUVランプからUV LED光源への置き換えが進んでいます。
また、UV LED光源は、UVランプと比べて熱の発生が少なく、かつ、長寿命のため、省メンテナンスなUV光源として社会に普及しています。
小型
低消費
電力
長寿命
まとめ
本ページでは、UV LED光源について解説いたしました。
京セラはUV LED光源(UV-A波長域)を開発/製造しております。
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