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IP無線アプリの性能を徹底検証

【現場検証】スマホがトランシーバーに!本当に現場で使える?実機で試してみた

高耐久スマートフォン / スマートフォン

スマホがトランシーバーに!本当に現場で使える?実機で試してみた

スマホがトランシーバーになる「IP無線アプリ」とは?

従来型の業務用無線機との根本的な違い

IP無線アプリとは、スマホにインストールすることでトランシーバーのようにボタン1つで複数人と通話できるアプリです。

従来型の業務用無線機(トランシーバー)は、専用機を購入し、使用するためには申請または資格取得が必要です。また、専用の周波数を使うため、通信距離に制限があります。

一方、IP無線アプリなら、スマホにインストールするだけで利用でき、専用機の購入や申請などが不要であるため、導入コストを大幅に抑えられます。また、データ通信網(5G/4G/3G)やWi-Fi®を使用するので全国どこからでも通話が可能です。

IP無線アプリでできること(主な機能)

音声通話をはじめ、通話履歴の録音、音声テキスト化(文字起こし)、グループチャット、映像配信、位置情報の確認などが可能です。

【実機レビュー】建設現場を想定してIP無線アプリの実力を徹底検証

検証環境と使用したアプリ・機材

使用端末とアプリなど

  • 端末:DuraForce EX(KC-S703) 3台
  • アプリ:Buddycom(バディコム)
  • 周辺機器:Buddycom Open(軟骨伝導ヘッドセット)

検証場所

  • 関西鳶(奈良県磯城郡田原本町唐古400-2)

環境

  • 通信環境に問題ない場所で、SIMカードによる接続とテザリングによる接続をそれぞれ実施

実機検証・レビュー記事制作協力

検証① 通信品質:騒音下での聞こえやすさ

フォークリフトで工事資材運び出し、トラックで運送する作業中での通話の聞こえやすさを検証しました。

騒音レベルは85dB程度で「電車が通るときのガード下」に相当します。0.3m以内に近づいて大きな声で話さないと会話が難しい状況です。

フォークリフト近くで通話をしている様子

結果、騒音の中でもはっきりと相手の声が聞こえました。また、検証当日は風が強かったにもかかわらず、風切り音が気になりませんでした。

検証② 操作性:PTT(プッシュトゥトーク)ボタンの即応性

DuraForce EXに2つあるダイレクトボタンのうち、1つをPTTボタンとして、IP無線アプリ(Buddycom)に設定し、グローブを装着した状態での操作性を検証。

なお、PTT(プッシュトゥトーク)とは、ボタンを押している間だけ音声送信ができ、ボタンを離すと受信状態になる機能(交互通話方式)のことです。

DuraForce EXに2つあるダイレクトボタンを操作している様子

ダイレクトボタンを押すとすぐ反応し、画面がスリープ状態でもアプリが起動するので、グローブを装着したままでもストレスなく通話ができました。

また、DuraForce EXは「グローブタッチ®」機能を搭載しているため、グローブを外さずタッチパネル操作ができたのも便利でした。

検証③ バッテリー消費:業務で1日使用したらどのくらい減る?

3時間の検証作業を行い、新品バッテリー(1個)と中古バッテリー(2個)を使用したときのバッテリー消費量を確認しました。このとき、IP無線アプリは常に立ち上げたまま通話状態にし、他アプリを併用しました。

結果は、「新品は残り90%」「中古は残り82%と79%」。

このため、1日の作業でバッテリーが切れる心配はほぼないと言えます。もしもバッテリーの消費が激しく、すぐに充電できない状況が発生しても、DuraForce EXは電源を落とさずにバッテリー交換ができるので、予備バッテリーを携帯しておくとより安心です。

検証④ 付加機能1:文字起こしや位置情報共有は使えるか?

IP無線アプリに搭載されている、通話内容を自動で文字起こしする「音声テキスト化機能」と、「位置情報共有機能」を使用してみました。

DuraForce EXで通話内容の文字起こしテキストを確認している様子

早口にならないようはっきりと話すことで言葉の誤認識を防ぎ、通話内容がしっかりとテキストで記録されたほか、位置情報共有機能については、各端末の所在地がマップ上に正しく表示されたのを確認しました。

検証⑤ 付加機能2:トランシーバー起動中に他のアプリは操作できるか?

IP無線アプリを使用中に他のアプリを操作できるかを検証しました。

結果は、IP無線アプリを使っていても、他アプリの操作も問題なく行え、ダイレクトボタンを使うことで、別アプリで作業をしていても、相手からの呼びかけにすぐ応答できました。

検証⑥ 付加機能3:複数台で同時に話せるのか?

IP無線アプリを起動した3台のスマホを使い、それぞれが同時に発話できるかを確認しました。

Buddycomの場合、単方向通話と双方向通話の両方を設定することができます。単方向通話ではマイクオン(発話可能)にできるのは1人のみです。誰かが話している間、他の人はダイレクトボタンを押しても音声が送信されない仕組みになっているため、複数人の声が重なって「誰が何を話しているかわからない」といった状況を防げます。

検証⑦ 付加機能4:通話できる距離はどのくらいなのか?

足場3階から「数百m先にいる人」と「1階にいる人」と通話し、音質を検証しました。

足場3階から100m以上離れた場所で通話している様子
足場3階から100m以上離れた場所で通話
足場3階と地上で通話している様子
足場3階と地上で通話

IP無線アプリはデータ通信網(5G/4G/3G)やWi-Fiを利用するので、距離や高低差があっても音質が落ちることなく、通話ができました。

検証結果まとめ:現場で「使える点」と「課題となる点」

使える点

各検証のとおり、騒音下での聞こえやすさや操作性、通話音質などに問題はありませんでした。バッテリー消費量も大きくなく、アプリの動作も安定していました。

加えて、現場作業での使用を想定した設計がされている京セラ製スマホ「DuraForce EX」と、IP無線アプリ「Buddycom」の相性が良く、使用感は非常に良好でした。

課題となる点

高所作業を想定して、ハンズフリーで通話できるヘッドセットを着用したケースも検証しました。通常時は問題なく快適に使用できましたが、強風などの環境要因により一時的に音声が聞き取りにくくなる場面がありました。しかし、スマホ本体のマイクでの音声通話に切り替えたことでクリアな音声を維持できました。

高所作業では安全確保のため、基本ヘッドセットを使用し、状況に応じてスマホ本体での通話と使い分けるのがいいでしょう。

また、高所でスマホを出し入れする際の落下防止のため、ストラップの利用をおすすめします。DuraForce EXは、本体に4つのストラップホールが設けられているので、使いやすい箇所にストラップを付けることができます。

使ってみてわかった!スマホトランシーバーのメリット

メリット①:騒音下でもクリアな音質。ノイズキャンセリングの効果

ノイズキャンセリング効果により、重機の騒音や風の音といった周囲の音がカットされるので、声がクリアに聞こえます。無線機のように他の無線との混信や電子機器によるノイズ干渉などがないので、ザーザー音もしません。

メリット②:広大な現場や遮蔽物越しでも途切れにくい。キャリア通信を使用できる安定性

IP無線アプリは、データ通信網(5G/4G/3G)やWi-Fiを利用して通話するため、通信圏内であればどこからでも通話が可能です。特定小電力トランシーバーでは電波が途切れがちだった遮蔽物越しでも、安定した通信を維持できます。

IP無線アプリで遠くの人と通話をしている様子

メリット③:スマホ1台で完結。図面確認から連絡へのスムーズな移行

スマホをトランシーバーとしても利用するので、無線機を別途持ち歩く必要がありません。しかも、図面アプリで設計図を確認しながら、そのままダイレクトボタンを押して通話ができるため、確認から連絡までの作業をスマホ1台で完結できます。

メリット④:聞き逃しても大丈夫。通話履歴の再生が現場ミスを防ぐ

作業に集中しているときや両手がふさがっているときなど、すぐにメモができない環境でも、通話内容を録音・履歴再生できる機能があるので、指示を聞き逃してもいつでも確認できるため安心です。

メリット⑤:免許・申請・中継器が不要。インストールするだけで利用できる

従来型の業務用無線機は、利用するための申請や、通信エリアを広げるために中継器の設置が必要ですが、IP無線アプリはスマホにアプリをインストールするだけ。煩雑な手続きや準備は不要です。

導入前に知っておきたい!スマホトランシーバーの懸念点と対策

懸念点①:使用状況によるバッテリー消費

バッテリー交換が必要になった場合、DuraForce EXには本体の電源を完全に落とさず予備バッテリーに交換できる「ウォームスワップ」機能が搭載されているので、バッテリー交換後、再起動を待つことなくスマホを使用できます。

懸念点②:スマホ本体の操作性と堅牢性

一般的なスマホは、PTTボタンとして設定できるボタンがなく緊急時の操作が難しい、防水・耐衝撃などの耐久性が低く過酷な工事現場では故障・破損リスクが高いといった懸念があります。

しかし、DuraForce EXはPTTボタンに設定できる2つのダイレクトボタンがあるため操作がしやすく、また、31項目の耐久試験をクリアした堅牢性を備えています。埃や雨にさらされる場所でも、足場などの高所でも安心して使用できます。

「業務用無線機」と「スマホトランシーバー」どちらを選ぶべき?

【比較表】通信範囲・機能性・コストで比較

業務用無線 スマホトランシーバー
通信距離・範囲 制限あり 全国どこからでも
遮蔽物 途切れやすい 安定している
携帯電話通信事業者のエリア外 使用可 使用不可
免許・申請 必要 不要
導入コスト 高い(専用機などの購入費) 低い(アプリ利用料)

こんな現場には「スマホトランシーバー」がおすすめ

全国どこからでもつながるため、「大規模工事」「大規模イベント」「運送」など、広範囲を移動する現場に最適です。

また、「大型商業施設」「ホテル」「病院」など、フロアをまたいで広い屋内を行き来する業務にも向いています。

こんな現場には「業務用無線機」がおすすめ

IP無線アプリは、データ通信網(5G/4G/3G)やWi-Fiを利用して通話するため、携帯電話通信事業者のエリア外では使用できません。山奥や海上といった通信圏外となる現場では、業務用無線がおすすめです。

地震などの災害時、データ通信網(5G/4G/3G)やWi-Fiがダウン・混雑している状況でも、業務用無線が有効な場合があります。

現場で使えるおすすめIP無線アプリ4選

  • 以下の情報は、2026年3月時点のものです。

Buddycom(バディコム)

音と動画で現場が変わる、プロフェッショナルのためのスマホIP無線。

  • 個別通話やグループ通話で、必要な時に必要な人と繋がる。
  • 音声でのやりとりが難しい時も、チャットや映像配信を活用して簡単にコミュニケーションがとれる。
  • イヤホンマイクを使えば、スマホをポケットに入れたままでも通話ができる。
Buddycom専用PTT機能付きイヤホンマイク
Buddycom専用PTT機能付きイヤホンマイクを装着している男性
Buddycom Open

Buddycom専用の軟骨伝導ヘッドセットです。耳をふさがないため、蒸れにくく衛生的で、長時間の使用でも快適です。連続待機は15時間、連続通話は12時間と、1日使用してもバッテリー切れの心配がありません。

Bluetooth®マイク「MKI-P3」+耳掛けイヤホン「MKI-E1」セット

日本の音響機器メーカーと共同開発したBuddycom専用品で、Android、iOSに対応しています。連続使用時間は最大約15時間と、長時間の使用にも耐えられます。

SkyTransceiver plus(スカイトランシーバー プラス)

官庁公共の現場が認める高い信頼性、既存無線トランシーバーとも併用可。

LINE WORKSラジャー(ラインワークスラジャー)

AIを使った文字起こし機能や京セラ製端末のダイレクトボタンとの連動も可能。

VOYT CONNECT(ボイット コネクト)

スタッフ同士がすぐにつながり、現場の連携と作業効率を高めるAI搭載インカムアプリ。

これらの機能を現場で活かすには堅牢なスマホが必須!

現場の過酷な環境に耐える高耐久スマホ

過酷な工事現場には、耐久性、バッテリー性、操作性などを兼ね備えた、DuraForce EXをはじめとする、京セラの高耐久スマホが欠かせません。

DuraForce EXの端末写真

京セラの高耐久スマホはバンパーを搭載した堅牢フォルムで、米国国防総省の調達基準(MIL-STD-810H)の21項目と京セラ独自の10項目の試験をクリアしたタフネス設計です。高さ1.8mからコンクリートへ落下しても耐えられるほか、ディスプレイは強化ガラスとハイブリッドシールド(傷つき防止樹脂パネル)を重ね合わせているので割れにくい構造となっています。また、防塵・防水対策もほどこしているため、粉塵や砂埃が舞う環境での作業や、急な雨に当たっても安心して使用できます。

まとめ:スマホトランシーバーは現場の状況に合わせて賢く活用しよう

今回の検証で、IP無線アプリは「騒音下でもクリアな音質を確保できる」「通話内容をテキスト化できるので指示の聞き逃しを防げる」など、工事現場といった過酷な環境でも十分に実用的であり、多くのメリットをもたらすことがわかりました。

一方で、IP無線アプリはスマホのデータ通信網に依存するという性質上、電波の届かない山奥や海上、あるいは災害による通信障害が発生した際は、従来型の業務用無線機が有効です。現場の環境や目的に合わせて選択する、または併用することをおすすめします。

また、IP無線アプリの性能を現場で発揮させるには、スマホの選び方も非常に重要です。グローブを装着したままでも応答できるPTTボタンを備え、過酷な環境に耐えうる堅牢設計の高耐久スマホと組み合わせてこそ、現場でストレスフリーな運用が実現します。

工事現場での円滑なコミュニケーションと業務効率化に向けて、自社の環境に合わせたスマホトランシーバーの導入をぜひご検討ください。

スマホを「現場トランシーバー」に変える

スマートフォンでトランシーバーを使った通話をしている様子

無線機とスマホをこれ1台に集約。スムーズな現場DXは端末選びから

  • グローブをしたまま瞬時に通話・応答
  • 重機の騒音下でもクリアな音声。広大な現場や遮蔽物越しでも通信が安定
  • コンクリート落下や急な雨にも耐えるタフネス設計
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  • 「DURA FORCE」「ハイブリッドシールド」「グローブタッチ」は、京セラ株式会社の登録商標です。
  • Wi-Fi®はWi-Fi Alliance®の登録商標です。
  • Bluetoothワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.が所有する登録商標であり、京セラ株式会社は、これら商標を使用する許可を受けています。
  • その他の社名および商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。

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