THE NEW VALUE FRONTIER
  1. Home
  2. 再生可能エネルギーによる脱炭素社会の実現に向けて
再生可能エネルギーによる脱炭素社会の実現に向けて
02
Solid Oxide Fuel Cell (SOFC) / 固体酸化物形燃料電池
森林の光
光る電球
未来を担う若手社員たちの挑戦サステナブルな社会の実現に向けた京セラの取り組み

再生可能エネルギーによる
脱炭素社会の実現に向けて

スマートエナジー事業本部 スマートエナジー製造事業部
2020年入社

きっかけさえあれば 誰でもSDGsに貢献できる

きっかけさえあれば
誰でもSDGsに貢献できる

遠隔からの設備メンテナンス
現場での設備メンテナンス

―現在の仕事について教えてください

太陽電池のセル※1やモジュール※2、蓄電池などの製造ラインの新規設計や既存ラインの管理をしています。製造工程の稼働状況や作業内容を分析し、課題を改良・改善することで、効率的で生産性の高い製造ラインを日々追求しています。現在は製造スペースの見直しなどの再構築を図るため、設備の位置や通路の状態といった動線と人員配置を最適化する移設作業に携わっています。

また、スマートエナジー製造事業部(以下、SE製造事業部)の各部署メンバーで構成するIT推進委員会に参加し、定型業務の自動化や業務効率の改善など、ICT技術やデジタル技術を使った課題解決にも取り組んでいます。例えば製造ラインのプログラム改修など、従来は製造現場に足を運んで対応する必要があった作業も、製造設備をネットワーク接続したことによって、設備から離れた場所からでも迅速かつ効率良く行えたり、設備の稼働率・製品の生産数などをモニタリングできたりするようになりました。

※1 : 太陽電池の最小単位
※2 : セルを組み合わせて1枚のパネルにしたもの

遠隔からの設備メンテナンス
現場での設備メンテナンス

―SE製造事業部ではどのようなSDGs活動に取り組んでいますか?

京セラでは太陽電池の研究開発に着手して約50年、長い歴史の中で培ってきた技術力やノウハウを生かし、再生可能エネルギーによる脱炭素社会の実現に向けた活動に取り組んでいます。

2020年7月からは、蓄電池を活用した再生可能エネルギー「自己託送※3」実証実験を開始しました。これは、滋賀県野洲市の市有地(2,000㎡)に設置した京セラ製太陽光発電システムで発電した再生可能エネルギーを、約2km離れた京セラ滋賀野洲工場に関西電力の送配電網を通して供給するものです。

電力を生み出す電源(主力電源)には火力や原子力などさまざまなものがありますが、現在、国では再生可能エネルギーの主力電源化を目指す施策を進めています。京セラでは、この実証実験を通して、安定的で適切なエネルギー需給構造の構築に寄与するとともに、地域と連携した安定的で持続可能なスマートシティ、マイクログリッドの構築に取り組んでいます。

※3 : 企業などが自社工場などで発電した電力を一般送配電事業者の送電線を利用し、別の自社拠点に供給する制度

自己託送設備

―ご自身がSDGsや地球環境に興味を持ったきっかけは?

職場の先輩の影響で始めたキャンプです。よく訪れる琵琶湖岸の岩場や浜辺には、漂着したり、放置されたりしたゴミをよく見かけます。近年、ニュースなどで海洋ゴミ、特にマイクロプラスチックが海の生き物や環境に与える影響を知り、魚も人間も地球もWin-Winの関係を築けないかと考えるようになりました。

こうしたことをきっかけに、湖岸で目についたゴミを拾うことはもちろん、キャンプに行くときはマイ箸を持参したり、食材を自宅でカットして持って行ったりすることで、現地でできるだけゴミを出さないようにしています。

日常生活でも職場への水筒の持参や、レジ袋の有料化に伴ってのエコバッグ携帯を意識的にするようになりました。手作りやおしゃれな物など、デザインや機能で選ぶ楽しさもあります。いずれも小さな行動ですが、きっかけさえあれば誰でもSDGsに貢献できると感じます。

エコバックとマイボトル
マイボトルで飲み物を飲む社員
クリーンエネルギーを安定的に 利用できる社会に貢献したい

クリーンエネルギーを安定的に
利用できる社会に貢献したい

―ご自身も含め、「Z世代」は企業にどのようなSDGs活動を求めていると感じますか? また、京セラだから可能なSDGs活動とはどのようなものだと思いますか?

2020年10月、国が脱炭素社会の実現に向けて、2050年までにCO2排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを宣言しました。こうした社会背景もあり、私たちの世代にも脱炭素に対する意識は高まっていると感じます。エネルギー事業を担う企業として、CO2排出を抑制する活動が、より強く求められているのではないでしょうか。

京セラの強みは、太陽光発電事業に限らず幅広い事業を展開し、それぞれの分野の顧客ニーズを把握していることです。そうしたニーズの中にはSDGs活動につながるものも含まれます。真摯にお客様のニーズに応え続けることが、京セラのSDGs活動の加速につながると思っています。

―これからの社会を担う若手社員に対して、会社からどのような期待を掛けられていますか?

若手の育成や、若手が活躍できる制度づくりの充実を感じます。

特に育成という点では、現在京セラで加速する業務のデジタル化に対応するため、グループ会社が主催する研修に参加させてもらったり、資格試験の受験をバックアップしてもらったり、しっかりしたサポート体制で大切に育てていただいていると感じています。

社員へのインタビュー
インタビュー社員と上司の談話

―最後にSE製造事業部やご自身のSDGs活動に関する目標、夢を教えてください

脱炭素社会の実現は、地球環境を守るために必要なことだと理解している人は多いと思います。ただ、現時点では住宅への普及率からみても、まだ太陽電池や蓄電池の導入に対し二の足を踏んでしまっている方が多いのが現状です。高い品質と長寿命が京セラ製製品の強みですが、いくら良い製品でも使ってもらわなければ意味がありません。この課題を解決するために私ができることは、省力化や効率の良い製造ラインの構築で、製造コストを削減すること。世界中の人が安くて安全なエネルギーを安定的に利用できる社会にすることが目標です。

将来に向けた京セラの取り組み

RE100の取り組み

京セラとデジタルグリッド株式会社様は、京セラ横浜中山事業所において、相対(P2P)※4による再生可能エネルギーの電力取引に関する実証実験を行っています。本実証実験は、京セラ社員宅の家庭用卒FITの余剰電力と、新規で建設する京セラ非FIT太陽光発電所(千葉県旭市)の電力をデジタルグリッドプラットフォームで需給調整して、京セラ横浜中山事業所に供給します。また、本事業所に既設のオンサイト非FIT太陽光発電所の電力も使用いたします。これらの電力で補いきれない場合は、日本卸電力取引所(JEPX)から購入した電力に、京セラ所有の既設FIT太陽光発電所のトラッキング付非化石証書を付与して事業所に供給します。本実証実験により、京セラ横浜中山事業所は消費する電力の全てを太陽光由来の電力で賄います。

※4 : 相対(P2P)電力取引とは、AIを活用した発電予測技術などを利用して、太陽光発電や蓄電池などを所有している個人や法人などの発電家の電力を集め、需要家へ電力を供給する取引のこと

図:実証試験の概念