亜細亜大学硬式野球部様
既存のカメラを活用して
野球部の
試合を高精細な映像で配信。
最先端の技術に触れることで、
学生の学びにも貢献。
活動・業種:硬式野球部(亜細亜大学硬式野球部)/放送機器メーカー(株式会社朋栄)
ニーズ:カメラ映像の無線伝送
製品:K5G-C-100A
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【背景・課題】
- ●タブレットのカメラ機能を使って配信していたが、画質が荒く、映像がブレるなど精細さに欠けていた
- ●硬式野球部で所有していた、既存の高画質カメラを活用できないかと思っていた
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【施策・成果】
- ●中継・配信が未経験の学生でも簡単にセッティングができた
- ●高精細な映像を配信できるようになった
2021年にYouTubeチャンネルを立ち上げ、公式戦やオープン戦の中継を行っている亜細亜大学硬式野球部。現在その映像配信には「K5G-C-100A」が採用されています。映像配信の運用を行うマネージャーの大出彩斗氏と、学生スポーツ振興課 課長で硬式野球部 副部長の西村忠之氏、そして「K5G-C-100A」の導入を提案した株式会社朋栄の構 孝之氏にお話を伺いました。
※2022年8月現在
試合の映像配信で多くの人に
選手の活躍ぶりを届けたい
2022年春、第71回全日本大学野球選手権大会で20年ぶり5度目の優勝、東都大学野球連盟 春季1部リーグでは3季ぶり27度目の優勝を果たした亜細亜大学硬式野球部。華々しい活躍を見せる彼らの試合の模様は、YouTubeチャンネル「亜細亜大学硬式野球部HP」で見ることができます。選手の家族やファン、スカウトの人たちに試合の様子や選手の活躍ぶりを届けるため、2021年にYouTubeチャンネルを立ち上げました。
「コロナ禍でこれまでのように気軽に試合を見に来てもらうことができなくなってしまいました。そんな状況のなかでも、自分たち野球部の活動をもっと知ってもらいたい、選手の頑張りをたくさんの人に見てもらいたい。そして、なによりも大学野球をもっともっと盛り上げたいという気持ちがあり、映像配信を始めました」(亜細亜大学硬式野球部 マネージャー 大出彩斗氏)
「まず、第一に遠く離れた場所にいる親御さんに、部員たちのプレーや活動を見せてあげたい。また、学内の野球に未だ興味のない学生たちに対しても、もっと野球部の活動を知ってもらいたいと思っていました。もちろん、学生と親御さんが電話などで生活の様子を話していたりすると思うのですが、言葉だけではなく、実際に見せてあげたいと思っていましたし、学生にとってもいろんな人に映像で見てもらえることで頑張れる。やりがいになっていると感じています」(西村氏)
また、亜細亜大学硬式野球部には古くからのファンが多く、またファンとの距離が近いことでも知られています。マネージャー陣が提案した試合の映像配信には、監督からもすぐに賛同を得られたのだとか。そしてこの映像配信はすべて、学生たちが運用を行っています。
「学生マネージャーが中心となって、実況中継、中継の進行、カメラアングルの決定、映像のスイッチング、BSO(ボール・ストライク・アウトのカウント)のリアルタイム入力などを行い、配信しています。部員は106名、マネージャーは15名いて、そのうち映像配信を運営しているのは4~5人です。機材の取り扱いや、中継、配信が未経験のメンバーでスタートしたので、最初は大変なこともありましたが、楽しみながら試行錯誤して、形になってきたかなと思います」(大出氏)
既存のカメラと簡単に接続でき、
高精細なライブ映像を配信できる
試合の映像配信がしたいという亜細亜大学硬式野球部からの要望を受け、配信機材の導入を行ったのが放送機器メーカーである株式会社朋栄です。朋栄では、自社製品の開発、製造はもちろん、システムインテグレーションの提案と同時に、自社システムに組み込める国内外の製品の代理店契約も行っています。
「普段我々は、放送局などのプロフェッショナル用の製品を多く扱っているのですが、今回は学生さんが手ずから運用・配信しているという側面からも、京セラさんの『K5G-C-100A』が我々の提案にベストマッチする製品でした。プロフェッショナル用としても申し分ない高い性能を持ちながら、導入コストを圧倒的に抑えられるという点でも自信をもって提案できる製品です」(朋栄 構 孝之氏)
当初は、報道など実際のテレビ局などでも使われているライブストリーム用アプリケーションを使用して映像配信を行っていました。
「スマートフォンやタブレットに入れたアプリで映像配信が行えるので、導入のハードルが下がると考えました。ただ、このアプリケーションの場合、カメラの性能はスマートフォンやタブレットの性能に依存してしまうため、野球の中継の場合、スコアボード裏からバッターボックスを狙う超望遠映像がクリアでないという問題がありました」(構氏)
「タブレットに望遠レンズを付けて配信を行っていたのですが、試合中にレンズがずれてしまったり、風でブレが起きたりしてしまうんです。セッティングに時間がかかってしまい配信が間に合わないということもありました。なにより、メインカメラの画質が満足できるものではなかった点が一番の問題でした」(大出氏)
その問題を解決するために朋栄が提案したのが5Gに対応した「K5G-C-100A」です。「K5G-C-100A」は、有線・無線でさまざまな既存の製品と接続できるため、今回のような映像配信の運用に最適なソリューションでした。
「硬式野球部で高画質のカメラを所有していたので、このカメラを活かせたらと思っていたのですが、カメラの設置場所と配信設備が遠く離れていて、簡単には組み込めません。その悩みを朋栄さんに相談したところ、ご紹介いただいたのが『K5G-C-100A』でした。カメラの映像を無線伝送できるので、カメラと配信設備の距離の問題もクリアできましたし、新たにカメラを導入することなく無線化できた点も良かったです。過去の映像と比較すると、画質がどれだけ向上したかは一目瞭然です! またポータブルなので持ち歩きが楽な点も助かっています」(大出氏)
「最先端である5Gネットワークに対応していることや、エンコーダー/デコーダーがプリインストールされているため、4K動画の送受信ができるというのが大きな魅力です。また過酷な環境でも温度上昇を抑え、止まることなく安定して運用できるように作られたプロ用途にも使えるデバイスです。それでいて、大きさは厚みのあるスマートフォン程度。プロ用途としても十分使える機能が組み込まれていてこのサイズです。そうしたことから、我々も安心して提案ができました」(構氏)
「K5G-C-100A」のタフな性能は、炎天下のなか、長時間行われる野球の試合中継に最適でした。クリアな映像を届けられるようになり、視聴者からの反響も上々。多い時には1万人もの視聴者数を獲得するなど人気を見せています。
「保護者の方々からはもちろん喜びの言葉をいただきましたし、高校野球時代からの選手のファン、特に亜細亜大学硬式野球部は日本中から選手が集まっていることもあり、選手の地元のファンのみなさまからもポジティブな反応がありました。平日の試合は現地に来れない方が多いので、映像配信はとても喜んでいただいています。また、スカウトの方々からは映像を見て、実際に選手に興味を持っていただいたこともありました。実は選手が実況、解説を行っているのですが、その実況にファンがつくという意外な反響もあるんです」(大出氏)
「YouTubeチャンネルの登録者数の増加や、SNSのコメントなどでも話題に上がることがあり、さまざまな方面から注目していただけていると感じています。他の大学からも、映像配信をやってみたいと相談をいただくことも増え、実際にどのように映像配信を行っているか、見学に来ていただくこともありました」(西村氏)
生の声に応えて実装された機能も。
そのレスポンスの早さに驚かされる
朋栄が「K5G-C-100A」の存在を知ったのは2年ほど前。当時開発中だった「K5G-C-100A」を展示会で見つけ、自社のシステムに組み込めるのではと興味を持ったのだそう。
「通常の5G対応のコネクティングデバイスだけでなく、映像を中継するカメラ映像をデバイスに入力し、SRTという比較的新しい技術の映像のプロトコルで映像の送受信ができる機能がデフォルトで搭載されているため、弊社が提案しているシステムに大変マッチすると感じました。開発段階で情報交換をさせていただいたのですが、我々の要望にも柔軟に応えていただけました。例えば、SRTの遅延時間がオートマチックだったのですが、遅延時間を設定できたらいいですとか、ビットレートもある程度コントールできると有難いというリクエストをしたところ、それを実装いただけました。京セラさんのような大手メーカーが開発する製品に、我々のような一代理店のリクエストを短期間の間に実装していただけたのはすごいですね。そのレスポンスの早さに驚きました」(構氏)
演出を盛り込んだ映像配信で大学野球を
盛り上げたい
映像配信をはじめる大学野球部は増えてきているそう。今後は試合の中継だけでなく、練習風景などコンテンツを増やし、さらに充実させた映像配信を行っていきたいとのこと。
「映像に関してはある程度詰めてくることができたと思うので、今後はテロップやホームランを打った時の演出などを充実させたいと考えています。映像配信を通して、もっと選手をアピールして、亜細亜大学の人気を高めていきたいです。そして大学野球がもっと盛り上がればと思います。他の大学野球部でも映像配信をはじめているので、他の大学の手本になるような映像配信を目指したいです。いずれは視聴者数の争い……なんてこともあるかもしれませんね(笑)」(大出氏)
低コストで導入できる「K5G-C-100A」は教育シーンにも最適。今後ますますニーズが高まる映像配信の技術を、学生のうちから実践を通して学ぶことができます。
「映像配信のために、お金を払ってプロの方々に頼ることは簡単ですが、学生たちが自ら学び、スキルアップしながら続けていくことに意義があります。この経験から、将来の自分たちの進路のヒントになることもあるでしょう。試合中継の実況も、その試合に出ない野球部員がローテーションで担当しています。人前でしっかりと話す。見たものを簡潔な言葉でしっかりと説明するというアウトプットの練習にもなっているのではないかと感じます。秋頃からは亜細亜大学を中心に、他大学からもメンバーを招き、東都大学リーグの配信を学生主体で進めていくことになりました。大学野球と言えば六大学野球が人気ですが、東都大学リーグも、より多くの方に注目してもらえるよう盛り上げていければと思っています。また、この映像配信を今後は他の部の試合中継にも活用していきたいですね。学内の映像制作に興味のある学生を巻き込み、新たな学びの場を提供することも考えています。野球関係者だけの閉じた世界で盛り上がるものではなく、より多くの方々に向けたアプローチで、この取り組みをより身近なものにしていきたいです」(西村氏)
「コストを抑えながら、しかも最先端の技術を使って、少しでもクオリティの高い映像の中継や配信のお手伝いができるよう、常に新しい提案をしていきたいです。亜細亜大学さんの場合、教育の面でも貢献できたことが嬉しいですね。今まではブラックボックスだった放送業界の中継の技術や、最近流行りのクラウドサービスなど、実務を通して最先端の技術に触れながら中継のスキルが身に着きます。この経験は、社会に出てからきっと役立つ財産になるでしょう。スポーツを通して、スポーツのスキルやマネジメント能力だけでなく、プロの中継スキルを持った人材も育つ。これは本当に素晴らしい取り組みだと思います」(構氏)
京セラ担当者より
「K5G-C-100A」は、公衆5Gとローカル5GのSIMを挿して、さまざまな機器を5Gに繋げるルーターです。持ち運びができる点、そして長時間安定した通信ができるよう冷却ファンを搭載している点が大きな特長です。
朋栄様と発売前からお話をしているなかで、今回のように光回線を引くことが難しいケースに、この端末とカメラを接続するだけで手軽に高精細な配信ができるという点で興味を持っていただきました。高価な機器をたくさん導入すればもちろんできることが増えますが、コストをかけずに手軽に導入できることが今回の採用の大きな決め手です。
公園やイベント会場などでも高精細な映像配信を行いたいというシーンは急増中です。今回のように部活動などのスポーツはもちろん、文化祭などの行事など学校でも幅広く活用いただけると思います。ぜひ気軽にお問合せください。
お客様の概要
名称 | 亜細亜大学硬式野球部 |
本拠地 | 東京都西多摩郡日ノ出町平井1449-1 |
活動内容 | 1958年創部。「全力疾走」をモットーに、常に日本一を目指す。2004年より生田勉氏が監督に就任。山﨑康晃、東浜巨ら数多くのプロ野球選手を輩出している。2022年、第71回全日本大学野球選手権大会で優勝を果たした。全日本大学野球選手権大会 5回優勝。東都大学野球連盟1部リーグ 27回優勝。明治神宮野球大会・大学の部 5回優勝。 |
WEB サイト | https://www.asia-u-bbc.com/ |
YouTube チャンネル |
亜細亜大学硬式野球部HP https://www.youtube.com/channel/UCuVmSZQKYYgT0UQLVo9gS_A |
社名 | 株式会社朋栄 |
本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿3丁目8番1号 |
事業内容 | 1971年創業。放送機器の研究開発・製造を行う。さらに国内外の優れた製品も積極的に取り入れた柔軟な提案力で、製品単体からシステムインテグレーションまで幅広い要望に応える。海外の現地法人やティーラ網により世界中に営業展開する。 |
WEB サイト | https://www.for-a.co.jp/ |
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