金属、有機材料、セラミックスは「三大材料」と呼ばれています。Ceramics(セラミックス)の語源は、粘土を焼き固めたものを意味するギリシャ語のKeramos(ケラモス)と言われています。
もともとは陶磁器を、最近では耐火物、ガラス、セメントを含む非金属・無機材料を指して使用されることが多いようです。そのようなことから、現在では、セラミックスは、「非金属・無機材料で、その製造工程において高温処理を受けたもの」となります。
セラミックスの中でも、特にエレクトロニクス産業をはじめ、各種産業用途に用いられる磁器は高い性能や精度が要求されることから、現在では「ファインセラミックス」と呼んで、粘土や珪石などの自然材料から作られる一般の陶磁器と区別しています。ファインセラミックスは、「高度に精選または合成された原料粉末」を用いて、「精密に調整された化学組成」を「十分に制御された製造プロセス」によってつくられた高精密なセラミックスということができます。
また、JIS R 1600:2011(ファインセラミックス関連用語)では、ファインセラミックスは、『化学組成、結晶構造、微構造組織・粒界、形状、製造工程を精密に制御して製造され、新しい機能または特性をもつ、主として非金属の無機物質』と定義されています。
ファインセラミックスという言葉が一般的に使われるようになったのは1970年代以降です。
1959年の創業時より主に電子工業用セラミック製品を製造していた京セラ株式会社(当時:京都セラミック株式会社)は当初より、創業者である稲盛和夫が「ファインセラミックスとは、従来のセラミックスとは異なり、工業用部品として高い付加価値を有するもので、その価値は量で量るものでは無く、物性的にも構造的にもファインなもので無ければならない。」と訴え続けており、現在使われているような意味で「ファインセラミックス」という言葉を使い始めました。
参考:社団法人窯業協会(現公益社団法人日本セラミックス協会)発行セラミックス8[6],417-418,1973
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