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小型化に優れたノイズ抑制技術 EBG構造

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京セラは、岡山大学とともに、不要な電波を遮断するEBG(Electromagnetic Band Gap)構造に関する研究を、2014年から続けてきました。
京セラは、グローバルに多数の特許を取得し、EBG構造を採用した基板設計の提供、特許ライセンス等に関するご相談を受け付けており、ビジネス拡大に取り組んでいます。

現代において必須のノイズ対策

現代社会は、IoT、5Gなどにより、無数の電子機器が、無線通信で繋がる世界です。そして電子機器は進化し続けており、これによる駆動電圧の低電圧化、クロック周波数の高周波化、電子部品の高密度実装等の理由から、電子回路が、ノイズの影響を受けやすくなっています。他の電子機器に影響を及ぼさないように、ノイズの発生を低減すること(ElectroMagnetic Interference: EMI)、また他の電子機器からのノイズの影響に耐性を持つこと(ElectroMagnetic Susceptibility: EMS)を達成するための設計が、EMC設計(ElectroMagnetic Compatibility: EMC)です。

高いレベルのEMC設計がなければ、現代社会は既に成り立たず、そしてこれからの社会において、EMC設計の重要度が更に増していくことは明らかです。このEMC設計におけるアプローチの一つに、EBG構造があります。

EBG構造

導体パッチを周期的に配列させることで、材料の周波数分散を人工的に制御する構造としてEBG構造があります。プリント配線板上に用いるEBG構造としては、「マッシュルーム型EBG構造」やビアを用いない「ビアレスEBG構造」などがあります。これらの構造を用いて特定の周波数帯における高周波ノイズを抑制します。
プリント配線板上にデザインされたEBG構造の有用な機能としては、デジタル回路とアナログ回路が同じ基板内に存在する場合において、デジタル回路からアナログ回路に混入してくる特定周波数帯における高周波ノイズを抑制することができます。

一般的にプリント配線板上でデジタル回路からアナログ回路へのノイズの対策を行う場合、電源プレーンやGNDプレーンにスリットを設けた対策をおこないますが、スリットにより直流電流の供給を阻害するデメリットがあります。
これに対してEBGは、EBGデザイン内に直流電流の経路を確保しながら、高周波ノイズを抑制するための電極形状(配線パターン)を設けることで効果が期待できます。
EBGはノイズ対策の対象とする周波数が低いと形状が大きくなるデメリットもありますが、周波数が高くなるとサイズが小型化でき、2.4GHz帯や5GHz帯のノイズ対策に用いるには有効な手段のひとつです。
EBGの形状はプリント配線板のパターン設計時に作り込むので、ノイズ対策を行いたい周波数に個別に対応することが可能です。

京セラの保有する特許について

京セラは、EBG構造における電極形状や、周辺構造、検査方法等について20件以上の特許を保有しています。以下に一部の特許を紹介します。

特許第6497649号
(岡山大学、株式会社トーキンとの共有特許)

IDE(櫛歯型電極)EBG構造
【請求項1】
デジタル回路とアナログ回路の間の絶縁層上に電源供給路を配置した印刷配線板において、デジタル回路とアナログ回路の境界の電源供給路に一次元または二次元に周期的にEBG単位セルを配置し、隣接EBG単位セルの細線電極との間で交差指状電極を形成し、EBG単位セルは他層に接続されるビアがなく、直流電流供給用のブリッジ部を保持していることを特徴とする印刷配線板。

特許第6894602号
(岡山大学、株式会社トーキンとの共有特許)

渦巻状配線型EBG構造
【請求項1】
デジタル回路とアナログ回路との間に電源プレーンを配置した印刷配線板において、前記電源プレーンは、その一部に、前記デジタル回路から前記アナログ回路へ向かう方向に単列で並ぶオープンスタブEBG構造を有し、前記オープンスタブEBG構造は、開放部を中心とした渦巻状、スパイラル状またはミアンダ状の形状が複数形成されたパターンからなることを特徴とする印刷配線板。

京セラは、今後もオープンイノベーションを活用し、新たな社会的価値の創造と事業の成長を加速し、社会の進歩発展に貢献していきます。

※本ページは、掲載時点の情報に基づいて作成しており、特許の権利状況等は最新の状況とは異なる場合があります。

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