~ 虚像インナーミラー技術 ~
カメラ映像を使用し後方を確認する電子ミラー、その設計者・開発者が思い描く安全運転の形に近づく技術/部品を提案します。
業界注目の電子ミラー、その課題とは

電子ミラーは安全運転に寄与する優れた部品です。しかし、従来の光学ミラーに慣れているドライバーにとって、距離感や視界の違いに違和感を覚えることがあるため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
なぜなら電子ミラーは、従来の光学式ミラーとは異なり、ミラー表面に映し出した映像を見る際に、画面に焦点を合わせる必要があるからです。
このため、車体前方とミラー表面と焦点を頻繁に移動させる場合、目の疲労が生じやすいという課題があります。
特に高齢ドライバーや、眼精疲労を抱えたドライバーなど、焦点距離の調節機能が低下している際には、ピントを合わせるのに時間がかかり、運転中の視認性や安全性に影響を及ぼす可能性があります。
視認性向上の方法

車載用パーツの開発者にとっては、視認性などを改善した目にやさしい製品の開発が課題になります。特に電子ミラーにおいては、老眼や疲労時の目に優しく、従来の鏡のような奥行きや広視野角をどのように実現するかが問われています。
表示部分に奥行きを持たせるには、焦点距離を遠方に設置するための大きな機構が必要で、電子ミラーの様に車内スペースが非常に限られる場合には高いハードルがありました。京セラは、ヘッドアップディスプレイ用の液晶ディスプレイの提供などで培った知見を応用し、スペースが限られた場所でも焦点距離が調整でき、ディスプレイの視認性の向上につながる光学技術を開発しました。これにより従来の電子ミラー以上の、見やすさや目の疲労軽減が期待できます。
快適で安全なドライビングへ
今回開発した老若男女幅広い人たちに利用いただける目の疲労軽減ができる光学技術だけでなく、従来京セラが提供してきたミラー用の高性能な液晶ディスプレイも含め、様々なソリューションを電子ミラー開発のために提供し、社会へ貢献していきます。また運転時に焦点調整が必要なのは、バックミラーを見るときだけではありません。サイドミラー含めた電子ミラー、CIDやインストルメントクラスターなどの情報を確認するときにも頻繁に焦点調整が行われます。そのようなデバイスにも応用可能です。設置場所や用途など様々な分野での活躍が期待できる技術となっています。これにより、ドライバーにとって快適で安全なドライビングエクスペリエンスを提供します。(京セラ製のディスプレイとの組み合わせがベストですが、既存のディスプレイを利用したいというような場合にもご相談ください。既存のディスプレイに合わせた光学設計も可能です。)