「自治体DX推進計画」の枠組みから京セラグループの先進事例まで徹底解説
自治体DXの先進事例8選 │ 窓口・防災・マイナンバー・選挙DXの最前線
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「自治体DX推進計画」の枠組みから京セラグループの先進事例まで徹底解説
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近年、多くの自治体が直面している人口減少や少子高齢化、それに伴う労働力不足。限られた人的資源の中で、いかにして行政サービスの質を維持・向上させ、職員の業務負担を軽減するか──。
この課題を解決するため、全国の自治体で急速に進められているのが「自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)」です。
しかし、変革が求められる領域によっては「何から着手していいかわからない」「これまでと手続きが変わることを住民にどう浸透させたらいいか」と迷う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、自治体DXを支える各種ソリューションをはじめ、自治体DXを成功に導く具体的なヒントを、京セラグループの豊富な先進事例とともにわかりやすく解説します。ぜひ、ご参考ください。
自治体DXとは、データやデジタル技術を活用し、業務プロセスを根本から変革することで、行政サービスの質と住民の利便性を向上させる取り組みです。
そこで、自治体DXを計画的に推し進めるための指標が、総務省が2020年12月に策定した実行マニュアル「自治体DX推進計画」です。めまぐるしく変わるデジタル情勢などを踏まえ、2026年1月に最新の「第5.1版」へと改定されました。
なぜ、総務省は自治体DXに注力するのでしょうか。それは、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」と深く結びついています。
デジタル田園都市国家構想とは、地方が抱える社会課題をデジタルの力で解決し、持続可能な環境・社会・経済の実現を目指す地方創生施策です。全国の自治体がデジタル技術で便利になれば、社会課題を持つ地方/地域でも快適な暮らしが可能になります。
自治体DXは、まさにこの目標を具現化するための土台であるのです。
第5.1版において、自治体が最優先で取り組むべき「自治体DXの重点取り組み事項」として8つの領域が掲げられています。
| 重点取り組み事項 |
内容 |
|---|---|
| 自治体フロントヤード改革の推進 |
住民と行政の接点(窓口や申請方法)をデジタルで高度化・多様化する |
| 地方公共団体情報システムの標準化 |
計20の基幹業務(住民基本台帳、国民健康保険など)のシステムを全国統一仕様へと移行する |
| 「国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針」に基づく共通化等の推進 |
国と地方の連携システムを効率的に運用する |
| 公金収納におけるeL-QRの活用 |
各種税金の納付書に「eL-QR(全国共通の地方税統一QRコード)」を印字し、キャッシュレス化と収納業務を効率化する |
| マイナンバーカードの取得支援・利用の推進 |
マイナンバーカードの利便性を高めて普及を促す |
| セキュリティ対策の徹底 |
巧妙化するサイバー攻撃から住民の重要情報や行政システムを守る |
| 自治体のAI利用推進 |
生成AIや音声認識技術などを活用し、議事録作成などの内部業務を効率化する |
| テレワークの推進 |
柔軟な働き方を実現し、災害など非常時でも業務を継続できる体制を整える |
これらすべては独立した取り組みではなく、それぞれが連動することで自治体全体の業務の最適化を図ることができます。
自治体DXの進捗は、領域ごとに大きな差が見られます。下の表は、主要な取り組みに関する指標の推移をまとめたものです。
DX推進体制の整備やシステム標準化、マイナンバーカードの普及、セキュリティ対策といった基盤領域は着実に進展しています。一方で、「書かない窓口」などのフロントヤード改革やAI活用といった住民接点・業務改革に直結する取り組みは拡大途上にあります。
こうした傾向から、自治体DXには比較的進めやすい領域と、時間を要する領域があることがわかります。
| 自治体DX取り組み状況 |
令和5年度 |
令和6年度 |
|---|---|---|
| DX推進専任部門の設置(全自治体) |
53.3% |
55.7% |
| 自治体フロントヤード改革「書かない窓口」への取り組み(全市区町村) |
20.9% | 30.2% |
| 自治体フロントヤード改革「リモート窓口」への取り組み(全市区町村) |
8.2% |
8.6% |
| 人口に対するマイナンバーカードの累計交付枚数率(全国) |
77.7% |
84.5% |
| セキュリティ対策「CSIRTの整備」(全自治体) |
80.8% |
83.1% |
| AIの導入(都道府県、指定都市) |
100% |
100% |
| AIの導入(指定都市を除く市区町村) |
49.9% |
57.9% |
| テレワークの導入(全国) |
61.6% |
62.9% |
| デジタル・ディバイド対策の実施状況(全自治体) |
69.7% |
72.9% |
自治体DX推進計画の重点事項の1つである、計20の基幹業務システムを全国一律の共通仕様に合わせる「地方公共団体情報システムの標準化」は、原則2025年度末までの移行を目指すこととされています。
しかしながら、「地方公共団体情報システムの標準化」の現状は、期限内の移行が困難で2026年度以降に延期せざるを得ない「特定移行支援システム」を有する自治体が52.3%(2025年12月末時点)と全体の半数以上となっています。
特定移行支援システムは、国(デジタル庁・総務省など)が自治体の状況を踏まえて移行期限を設定し、原則5年以内の標準化を目指して支援する仕組みとなっています。
自治体システムの標準化に次ぎ、総務省が注力しているのが「自治体フロントヤード改革」です。
フロントヤードとは、住民と自治体が直接関わる「接点」を指します。つまり、フロントヤード改革とは、従来の対面・書面を中心とした窓口業務のあり方を見直し、デジタル技術を組み合わせることで、住民と自治体の接点を多様化する取り組みのことです。
総務省がこれを「実証事業」として強力に後押しする背景には、地方公務員の採用難があります。今後ますます人員不足が深刻化する中、限られた人員で行政サービスの品質を維持・向上させるためには、対面のみに依存した従来の窓口運用を変革する必要があるからです。
そこで自治体フロントヤード改革が目指すのは、住民に対して「書かせない」「待たせない」「迷わせない」「行かせない」窓口の実現です。具体的に以下の施策が全国で導入され始めています。
| 主な施策 |
内容 |
|---|---|
| マイナンバーカードの利活用 |
本人確認をはじめ、ICチップの空き領域を活用したサービスを展開することで、手続きを簡潔かつ安全に行える |
| 書かない窓口 |
デジタルに不慣れな方などが地方自治体の窓口に来られた際も、デジタル技術を活用することで、職員の負担を軽減しつつ、行政サービスの向上、マイナンバーカードのメリットを享受できる取り組み |
| オンライン申請 |
マイナポータルなどを通じ、24時間いつでも自宅や外出先から行政手続きを行える |
| AIチャットボットによる対応 |
住民からの問い合わせにAIが24時間自動で応答し、窓口や電話の混雑を緩和する |
これらの施策により窓口やバックヤードの業務が効率化されると、職員の業務負担を軽減できるほか、時間や人員といったリソースに余力が生まれ、より手厚いサポートを必要とする住民への対応などに充てられるようになります。
また住民にとっては、手続きの簡素化や待ち時間の短縮、オンライン申請で場所や時間にとらわれず行政サービスを利用できることも重要なメリットといえます。
自治体DXが進まない要因の1つは、「人材不足」です。
多くの自治体では、少子高齢化により地方公務員の採用が困難となっています。加えて、大規模災害や公共インフラの老朽化、こども・子育て施策の充実など各領域におけるデジタル人材の獲得競争の激化と都市部への人材流出により、専門知識を持つ外部人材の採用・登用も容易ではありません。
結果として、デジタル領域に精通した専任人材やデジタル人材を確保できず、通常の行政業務と兼任の職員がDXを担当するため、業務改革にまで手が回らないという状況にあります。
行政特有の「財政・予算システム」がハードルとなっている場合があります。
自治体の財政は原則として「単年度予算制度」です。しかし、大規模な基幹システムの刷新を行うDX施策は、複数年にわたる継続的な投資を必要とするケースがほとんどです。
また、補助金や交付金の申請には複雑な手続きを要することもあり、新規のDXには着手しにくいという課題もあります。
先述したとおり、現在、全国自治体にて基幹業務システムから標準仕様に準拠したシステムへ移行する作業が行われています。しかし、ここで「ベンダーロックイン問題」が技術的な制約となっているケースもみられます。
公正取引委員会が実施した「官公庁における情報システム調達に関する実態調査」に示されているとおり、これまで自治体で使用してきたシステムは、既存ベンダーに依存しやすい構造であることが指摘されています。長年の保守・改修によりシステムが複雑化し、仕様の詳細を既存ベンダーしか把握していないケースでは、既存システムからのデータ移行などが極めて困難な状況となっています。
自治体組織は、不正や癒着の防止などにより、数年ごとに定期的な異動があります。そのため、住民や職員の利便性を高めるための独自DXに着手してもノウハウが組織内に蓄積されにくく、担当者が変わるとこれまでのやり方に戻る傾向があります。
自治体DXは、情報システムを担う部署の働きだけで完結することは難しく、「全庁的な調整」が必要不可欠となります。
部局間で運用ルールを統一するには、現場の声をつぶさに拾う丁寧なアプローチがなければ、DXは空転してしまいます。
このような制約がある中、自治体のリソースのみでDXを遂行することは非常に困難です。だからこそ、人材を安定的に確保し、現場業務からシステム移行まで幅広く支援できる外部パートナーの活用が有効になります。
住民と行政の接点である「窓口」をデジタル化することは、フロントヤード改革の最優先事項です。
行政手続きにおいて住民が名前や住所を手書きする手間をなくす「書かない窓口の実現」、増加する外国人に向けた「多言語翻訳システム」などにより、住民が抱える「言葉の壁」や「情報の壁」を取り除き、誰もが取り残されないユニバーサルな行政サービスを目指します。
内部業務のデジタル化は、限られた人員で多様な業務を行う上で欠かせません。そこで注目されているのが、「RPA(※)」「AI-OCR(※)」などの活用です。
例えば、紙の書類に書かれた文字をAI-OCRで読み取り、RPAを用いて申請書に入力したり、集計してレポートを作成したりすることが可能で、手動による入力ミスがなくなるため、内部業務が効率化します。
総務省「地域DXポータルサイト」によると、大阪府豊中市の83業務にRPAとAI-OCRを導入したことで、年間約10,900時間の削減効果(2024年3月時点)をもたらしたという報告がされています。
近年、激甚化する自然災害に対し、自治体には迅速な状況把握と住民の安全確保、そして住民の生命と財産を守るための非常時優先業務を執行するためのBCP(※)が求められています。
そこで多くの自治体で導入しているのが、スマホやタブレットなどの「モバイル端末の活用」です。
平時からモバイル端末を使用することで、日々の業務で使い慣れているアプリなどをそのまま災害時にもスムーズに利用できます。
また、専用機を導入するよりも高い投資対効果を発揮しながら、地域全体の防災DXを強力に推進できる可能性があります。
先述した「なぜ自治体DXは進まないのか」の理由の1つとして、資金調達のしにくさを挙げましたが、国が主導する交付金を活用することで、自治体の財政負担を抑えながらDXを推進することが可能です。
例えば、「地域未来交付金(旧:デジタル田園都市国家構想交付金)」は、地域経済を活性化させる独自の取り組みを国が支援する交付金制度で、自治体DXの推進にも活用できます。
交付金制度の全体概要や申請に関する情報は、内閣官房・内閣府の「地域未来交付金 ポータルサイト」をご確認ください。
では、これらの領域で実際にどのような取り組みが行われているのでしょうか。次のセクションで、京セラグループの具体的な導入事例8選をご紹介します。
京セラグループには、住民の利便性向上や、職員の業務効率化を支える多彩なデジタルソリューションを取り揃えています。グループ各社の専門性を集結して全国の自治体を多角的に支援しています。
自治体DXにおいて、住民がその効果をもっとも実感できるのが「窓口・行政サービスDX」です。ここでは、字幕表示システムや画像解析AIを導入した事例を紹介します。
京都市では、スマート区役所の推進に力を入れており、その一環として聴覚障がいのある市民に対して、円滑な窓口でのコミュニケーション方法を模索していました。
聴覚障がいのある市民との対話は筆談を用いていましたが、書きながらの対応となるため、相手の表情を見ながら会話ができず、相手の気持ちをくみ取りにくいという課題がありました。また、文字を書くことに時間がかかり、スムーズなコミュニケーションも難しい状況でした。
そこで、2024年3月より、京都市内11区役所・3支所庁舎の障害保健福祉課の窓口に「Cotopat® Screen」を導入しました。
Cotopat® Screenとは、音声をリアルタイムに認識し、字幕で表示するシステムです。透明スクリーンに字幕を表示するため、お互いの表情が見えるのが特長です。
これまでの筆談の課題を解消し、温かみのある対面応対が実現し、利用した市民からは、「文字だけでなく、画像の表示があるのが良い」「補聴器を付けていても聞き取りにくいときがあるので、大変助かった」と好評を得ています。
さらに、外国人住民とのコミュニケーション円滑化を目的として、2026年2月から4月にかけて、市内9区役所・1支所庁舎の市民総合窓口室にもCotopat® Screenを導入しました。こうした取り組みを通じて、デジタル技術を活用したインクルーシブな社会の実現を目指しています。
大阪市は、大阪市区役所DX実行計画を策定し、その計画の1つとして「誰にでもやさしい、快適な区役所」の実現を目指しています。
なかでも生野区は、約23%(2025年3月末時点)が外国人住民で、都市部としては日本でもっとも外国人住民比率が高い地域です。住民の国籍も約80か国というグローバルタウンです。
また、阿倍野区においては、加齢によって聴力が低下した高齢者や聴覚障がいがある方とのコミュニケーションを改善したいと考えていました。
そこで、2025年7月より、両区役所の窓口に「Cotopat® Screen / Mobile」を導入しました。
Cotopat®は、音声をリアルタイムで字幕化し表示する機能に加え、134言語の翻訳表示、双方向翻訳(※)や図解表示などにより、多様な利用者との意思疎通を支援します。
また、Cotopat® Mobileは、職員と住民が同じ画面を見ながら説明できるため、保育園の申込み方法など、画面を一緒に見ながらの案内にも便利です。
Cotopat®の導入により、正確かつわかりやすいコミュニケーションが可能になり、外国人住民や高齢者、聴覚障がいがある方とのやり取りがスムーズになったという声が挙がっています。
鹿児島市立天文館図書館は、市内最大の繁華街・天文館地区にある複合商業ビルの中に開館した施設です。
同図書館は休館日を設けていないため、職員が終日滞在して作業できる時間が限られており、蔵書点検などを日々の業務と並行して行わなければなりませんでした。
そこで、AI蔵書管理サポートサービス「SHELF EYE」を導入しました。
SHELF EYEとは、本の背表紙をカメラで撮影し、それをAIで解析して蔵書点検の効率化を支援するサービスです。ICタグを利用した蔵書点検サービスは、全蔵書にICタグを貼付する工数やコストが必要ですが、SHELF EYEはタブレット端末を用意するのみでよいため、ICタグと比較して導入コストを削減することが可能です。
同図書館にてSHELF EYEによる約3万冊の蔵書点検を行ったところ、従来のバーコードスキャン中心の運用と比べ、作業時間を約30%削減することができました。
災害が発生した際、自治体には迅速な状況把握と確実な指揮命令、そして避難所や職員間におけるシームレスな情報共有が求められます。ここでは、高い堅牢性を備えたモバイル端末を活用した事例を紹介します。
伊豆市では、2022年9月4日に、南海トラフ巨大地震等の大規模地震を想定した「総合防災訓練」を実施しました。
災害対策本部には、災害状況などを状況共有するため、大型モニターのほかに2つの補助モニターが設置されますが、文字や地図が見えにくいという課題がありました。
そこで、同訓練にて大型のスマートAIボード(NHP社製)とリンクさせて、京セラ製のWi-Fi®タブレット9台を試験的に使用しました。
本製品は、災害時でも安心の「堅牢性(防水・防塵、耐落下など)」だけでなく、アルコール除菌が可能な「耐薬品性」も備えているため、感染予防の徹底が求められる災害対策本部での使用に最適です。
試験使用の結果は、スマートAIボードに映し出した映像を各人の手元にあるタブレットで確認ができ、スムーズな情報共有を実感したという意見が多数ありました。加えて、スマートAIボードとタブレットの双方から書き込みながらのやり取りも可能であるため、さまざまな活用法も期待できると高い評価を得ました。
市役所Bでは、災害発生時に防災担当職員だけでなく、広く職員間で連絡・情報共有が必要と考え、広域で使用できる業務用無線システムの導入と、職員への端末の配布を検討していました。
しかし、広域で使える無線は免許や申請が必要で、基地局の設置には多額のコストがかかります。個別の専用無線機も高額であるため、導入台数が限られ、希望する数百台単位での導入は困難でした。さらに、専用無線機は携帯するにはかさばり、常時持ち歩くのには負担があります。そのため、平時からコミュニケーション手段として活用できるものを希望していました。
そこで選ばれたのが、京セラ製の高耐久スマホです。
京セラ製の高耐久スマホは、防水IPX5/8と防塵IP6Xを取得し、落下や衝撃については米国国防総省が定める耐久試験をクリアした堅牢性が特長です。そして、スマホにIPトランシーバーアプリをインストールすることで、無線機として使用することが可能です。携帯電話の通信事業者網を経由して通信するため、免許や申請、基地局の設置などが不要です。スマホの側面にある「ダイレクトボタン」にIPトランシーバー機能を割り当てることで、簡単に通話できる点も大きな魅力です。
当初、検討していた専用無線機に比べて導入コストを抑えられたことで、希望していた数百台単位でのスマホ導入を実現しました。
マイナンバーカードを利活用する動きは、窓口業務だけにとどまらず、さまざまな領域へ広がっています。ここでは、災害時の避難所運営や地域の交通インフラ維持といった、住民の命と生活を守るためのマイナンバーカードとモバイル端末の活用事例を紹介します。
瀬戸内町は、鹿児島県南部に位置する奄美大島南端部と、その南方に点在する3つの二次離島(有人離島)で構成されるまちです。災害発生時には、状況に応じて二次離島の住民が船舶で本島の避難所へ避難する場合があり、その際の入島状況や避難所への入退所の把握が課題となっていました。さらに、瀬戸内町には自力避難が困難な要配慮者が約4400人(2026年1月時点)に上り、限られた職員で迅速に安否確認できる仕組みを構築したいとも考えていました。
そこで、2025年12月21日、瀬戸内町総合防災訓練にて、マイナンバーカードを利活用した避難者名簿作成(※)の実証実験を行いました。このとき、マイナンバーカードを読み取る端末として、京セラ製のタブレット「DIGNO® Tab2 5G」とスマホ「DuraForce EX」を使用しました。
DIGNO® Tab2 5Gには、この実証実験に欠かせないNFC読み取り機能をディスプレイ前面に搭載しています。読み取り位置を示すガイドが画面上に点滅するため、港や避難所に職員がいなくても、どこにマイナンバーカードをタッチすればいいのかがわかりやすい点が、選ばれた理由でした。
実際に使用した職員からは、「読み取り感度の良さに驚いた」という声とともに、受付業務をスムーズに行えたという感想も聞かれました。
美咲町で実施している高齢者向けタクシー利用助成制度「黄福タクシー」は、毎月1000件以上の利用があるサービスです。しかし、タクシー事業者や役場では乗車時に提示する“紙の利用者証”をもとにした運行データの集計や精算業務に膨大な時間がかかるという課題がありました。
そこで、2026年1月19日よりマイナンバーカードを用いた新システムを導入しました。このデジタル化において重要な鍵を握っていたのは、日々の運行を担うタクシー事業者でした。
美咲町の高齢化率は40%を超えており、同町のタクシードライバーも多くが高齢者です。デジタルに不慣れな世代でも使えるシステムを実現したのが、京セラ製タブレット「DIGNO® Tab2 5G」でした。誰でも迷わず操作できるよう、マイナンバーカードの読み取り位置がひと目でわかるデザインで、この使いやすさがスムーズな運行に大きく貢献しました。
何よりも、他自治体での導入実績を持つ地域交通向け運行・管理アプリ「まちのクルマアプリ」を活用したことが、ゼロからシステムを構築する必要なく、コストや工数の抑制になりました。
選挙という極めて厳格な運用が求められる現場においてデジタル技術の導入は、記入ミスによる無効票の削減や、開票業務の正確性とスピードアップをもたらします。ここでは、伴走支援を受けながら住民からの支持と大きな成果を上げた事例を紹介します。
新富町では、2026年3月1日に行われた町議会議員補欠選挙にて、京セラの電子投開票システム「デジ選®」を導入しました。その背景は、全国平均を下回る若年層の投票率、そして誤字脱字などによる無効票など、選挙における課題の解決でした。しかし、デジ選®を導入するにあたり、高齢世代のデジタル・ディバイドという懸念がありました。
そこで新富町は、住民に向けて丁寧な広報活動を実施しました。さらに、京セラが伴走者となって、イベント会場での「電子投票体験」、広報誌への「原稿作成」をサポートしました。これらの働きかけにより、デジタル・ディバイドを懸念していた高齢世代に周知が行き届き、出口調査では電子投票に対する好意的な回答が多く寄せられる結果となりました。
さらに京セラは、選挙事務従事者向けの「研修会」や「マニュアル・啓蒙動画の作成」に携わったほか、選挙告示日から投開票当日まで新富町に常駐し、選挙事務従事者がいつでも相談できる体制を整えました。新富町にとって初めてとなる電子投開票の立ち上げに対して、現場から「たいへん心強かった」という安堵と信頼の声が上がったほか、従来の開票作業と比較して開票時間が約半分に短縮されるという業務効率化も達成し、選挙DXの一例として大きな成果を上げました。
| 自治体名 |
ソリューション領域 |
導入システム・端末 |
主な成果 |
|---|---|---|---|
| 京都市 |
窓口DX(障がい者福祉・多言語) |
字幕表示システム「Cotopat® Screen」 |
筆談の課題を解消し、温かみのある対面応対を実現 外国人住民とのコミュニケーション円滑化 |
| 大阪市 (生野区・阿倍野区) |
窓口DX(多言語・高齢者) |
字幕表示システム「Cotopat® Screen / Mobile」 | 134言語の翻訳表示などで住民との意思疎通を円滑化 |
| 鹿児島市 (市立天文館図書館) |
公共施設DX(図書館) |
画像解析AI「SHELF EYE」 |
約3万冊の蔵書点検時間を約30%削減 貸出業務の負担軽減 |
| 静岡県伊豆市 |
防災DX(災害対策本部) |
Wi-Fi®タブレット | 災害対策本部にいる全員が文字や地図など情報の確認が可能に |
| 市役所B |
庁内通信DX(業務無線代替) |
高耐久スマホ+IPトランシーバーアプリ |
専用無線機からスマホへのリプレイスで、平時・災害時の兼用が可能 |
| 鹿児島県瀬戸内町 |
防災DX(避難所運営) |
5Gタブレット「DIGNO® Tab2 5G/ 高耐久スマホ「DuraForce EX」 |
マイナンバーカード空き領域の活用で、避難者名簿作成の効率化を実証実験 |
| 岡山県美咲町 |
地域交通DX(高齢者支援) |
5Gタブレット「DIGNO® Tab2 5G」 |
マイナンバーカードとの連携で、高齢者タクシー助成の事務を効率化 |
| 宮崎県新富町 |
選挙DX(電子投開票) | 電子投開票システム「デジ選®」 | 開票人員を約¼、開票時間を約½に削減。伴走支援で住民や職員への啓蒙活動もサポート |
本記事では、国が推進する最新の「自治体DX推進計画(第5.1版)」の枠組みから、京セラグループの全8事例までを紹介しました。
自治体の人員不足が加速する中、行政サービスの質を維持・向上し続けていくには、自治体DXと、それを支える信頼できるパートナーが不可欠です。
自治体のDXを停滞させないためにも、まずは「次の一手」から始めてみませんか?
「自治体DX事例一覧表」にて、自治体の規模や抱える課題が近い事例をご確認いただき、もっとも着手しやすく、効果がわかりやすい領域を絞り込みましょう。
京セラグループは、確かな技術力と豊富な実績をもとに、自治体の地域特性やリソースに合わせた、「住民にやさしく、職員を支える」ソリューションをご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。自治体の未来を創る伴走者として寄り添い、サポートします。