液晶ディスプレイに関する技術は、ここ数十年発展を続けています。
ここでは液晶ディスプレイの原理や構造、プロセスについてご紹介します。
液晶ディスプレイの仕組み
近年の通信情報量増加に伴い、情報を速やかに認識するツールとして「液晶ディスプレイ」の重要性が高まっています。当社は液晶ディスプレイ製造の第一人者として、自動車、産業機器向けなどを中心に、さまざまなディスプレイを提供しています。本ページでは、「液晶」、そして液晶ディスプレイの概要や仕組みなどについて解説します。
液晶とは
物質には、主に「固体」「液体」「気体」3種の形状が存在していますが、固体と液体双方の性質を兼ね備えた物質状態が「液晶」です。固体、液体、液晶それぞれ、物質を形作る「分子」の配置が、下記のようなかたちになっている必要があります。
固体、液体、液晶それぞれの分子の配置
こちらの図を見ると、固体は分子の位置、方向が規則的に並び、一方で液体は不規則にさまざまな方向を向いています。そして、液晶は分子の位置は揃っていないものの、方向はおおよそ揃っているという、両者の中間のような見た目をしていることがわかります。
このような「流動的であるのに、方向はおおよそ揃っている」という特性を生かすことで、液晶ディスプレイを作ることが可能となるのです。
次は、液晶ディスプレイについて、さらに詳しく説明していきます。
液晶ディスプレイとは
「液晶ディスプレイ」とは、ここまでで説明した、液晶分子を活用した表示装置のことです。透明な電極を配置した2枚のガラス基板の間に液晶を挟んで、ディスプレイとして活用できます。
液晶ディスプレイには、指先ほどの小さなものから看板のような大型のものまで、さまざまなサイズのものがあり、腕時計、携帯電話、PCモニター、ATM、テレビなど身近なものから、自動車の計器やナビゲーション、工場設備の操作盤など、多くのシーンで活用されているのです。
次は、液晶ディスプレイの表示の仕組みはどのようになっているのか、詳しく見ていきましょう。
液晶ディスプレイの表示の仕組み
液晶ディスプレイの画面表示に大きく関わっているのが「電界」の存在です。離れた電極に電圧をかけると「電界」は発生し、液晶分子は電界に合わせて向きを変化させるという特徴を持っています。ガラス基板内での液晶は、下記のような動きをします。
液晶分子の向きにそって、光の向き(位相)が変化します。液晶層の外に配置する偏光フィルターで、光の位相を制限し、液晶分子の向きを、電圧のON・OFFで操作することで、液晶ディスプレイの表示をコントロールしています。
次は、京セラが提供する液晶ディスプレイの形式、「TFT液晶ディスプレイ」について解説していきます。
TFT液晶ディスプレイとは
液晶ディスプレイの中でも、「TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)」を用いて表示のON・OFFを制御するものは「TFT液晶ディスプレイ」と呼ばれています。これは高精細であることが求められる大画面パネルにおいても、高品質の映像を表示することができるため、液晶ディスプレイの中でも主流の形式です。特長としては、視認性が高く、低温や高温環境下でも高パフォーマンスを発揮できる、ということが挙げられます。
なお、京セラのTFT液晶ディスプレイをはじめとするラインアップをチェックしたい方は、以下も参考にしてください。