京セラ独自の
「ハイブリッド印刷法」とは?
~半導体はんだバンプ加工~
はんだバンプ加工工程において
短納期と高精度の両立を実現しました
京セラは、半導体ウエハ後工程受託サービスに含まれるはんだバンプ加工工程において、「スクリーン印刷工法」を採用しています。 他のはんだバンプ加工方法と比べて、はんだバンプ加工精度に劣るスクリーン印刷工法ですが、京セラは独自に導入した「ハイブリッド印刷法」によって、はんだバンプ加工精度を向上させました。 本ページでは、スクリーン印刷工法の課題をふまえ、ハイブリッド印刷法の詳細について解説します。
半導体はんだバンプ加工方法の
種類
フリップチップ実装方式の普及に伴い、半導体はんだバンプ加工の需要も高まっています。半導体ウエハにおけるはんだバンプ加工方法は、ボール搭載工法、めっきバンプ工法、スクリーン印刷工法が主に存在しますが、京セラはスクリーン印刷工法を採用しています。
ボール搭載工法
めっきバンプ工法
スクリーン印刷工法
スクリーン印刷工法の課題
スクリーン印刷工法では、メタルマスクを用いてはんだペーストをウエハ上に印刷します。
メリットは、他の工法よりも少ない工数(=短いリードタイム)でバンプ形成が可能な点です。また、ボール搭載工法よりも小さく、めっきバンプ工法よりも大きなサイズ(高さ約50~100μm)のバンプ形成が得意です。
一方、はんだバンプの加工精度が低いことがデメリットです。メタルマスクを用いて印刷するため、メタルマスクの位置を精密に制御しなければ、はんだバンプの位置精度に直結します。また、バンプサイズがより大きいほど、ウエハからメタルマスクを離す際に、ペーストがマスクから抜けにくくなり、バンプ未搭載不良を引き起こすリスクが高まります。
メタルマスクの位置制御
メタルマスクの位置がはんだバンプ位置精度に直結する
メタルマスクへのはんだペースト残り
ハイブリッド印刷法
とは?
スクリーン印刷工法には、2種類の印刷手法があります。「オンコンタクト印刷法」と「オフコンタクト印刷法」です。
「オンコンタクト印刷法」は、メタルマスクとウエハを密着させることで、印刷の位置精度を向上させることができます。一方で、メタルマスクにはんだペーストが残ってしまうリスクは解消できません。
もう一方の「オフコンタクト印刷法」は、あえてメタルマスクとウエハを密着させず、スキージーの押下圧にて接触・印刷する方法です。マスクとウエハの接触面積を抑えることで、メタルマスクへのペースト残りを改善できますが、メタルマスクの位置精度は、オンコンタクト印刷法に比べて劣ります。
オンコンタクト印刷法
オフコンタクト印刷法
京セラは、スクリーン印刷工法の課題である、メタルマスク位置精度向上と、メタルマスクのはんだペースト残り解消を実現するために、「ハイブリッド印刷法」を導入しました。
京セラが導入したハイブリッド印刷法とは、オンコンタクト印刷法とオフコンタクト印刷法のメリットを合わせ持つ新たな印刷方法です。メタルマスクとウエハの接触面積を抑えることで、メタルマスクへのはんだペースト残りを防ぎつつ、ウエハとメタルマスクを線接触ではなく面接触させることで、メタルマスクの位置精度を落とさず印刷可能です。
ハイブリッド印刷法を導入したことではんだバンプ加工精度が向上し、スクリーン印刷工法でありながら、バンプピッチ100μmでの安定したはんだバンプ加工精度を実現しました。
ハイブリッド印刷法
拡大図
半導体ウエハ後工程を、
よりスピーディーに、
より正確に
スクリーン印刷工法によるはんだバンプ加工は、めっきバンプ工法のようなレジストパターン形成の必要がないため、比較的工数が少なく、リードタイムの短縮が可能です。一方で、スクリーン印刷工法の課題であったはんだバンプ加工精度を、京セラは、ハイブリッド印刷法を導入することで解決しました。
今後半導体デバイスは、より集積度が向上し、さらに様々な機器へ普及していくと考えられています。より高精度な半導体デバイスを、よりスピーディーに手配することが、今後重要だと京セラは考えており、高精度・短納期の半導体ウエハ後工程受託サービスで、日本の半導体業界をサポートします。
まとめ
本ページでは、京セラのハイブリッド印刷法を用いた半導体はんだバンプ加工法を紹介しました。
京セラは、はんだバンプ加工を含む半導体ウエハ後工程受託サービスを提供しております。
ご不明点がございましたら、何でもお気軽にお問い合わせください。
下記リンク先にてサービス紹介カタログもダウンロードできますので
ぜひお客様における半導体デバイスの調達戦略構築にお役立てください。