燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて電気を作るクリーンな発電装置で、京セラはより高い発電効率が期待できるSOFCの研究開発を1985年から開始しました。発電の心臓部となるセルと、セルの集合体であるセルスタックについて、京セラは長年培ってきたファインセラミック技術をベースに研究を重ね、高出力密度と高信頼性を併せ持つ『円筒平板型セルおよびセルスタック』の開発に成功※1し、2011年にセルスタックの量産化を実現させました。並行してSOFCコージェネレーションシステムも独自で設計開発をすすめ、2019年に世界最小サイズ※2の家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファームミニ」※3の発売にいたりました。
今回、SOFCに関する研究開発・事業が評価され、一般社団法人 科学技術と経済の会が主催する第9回技術経営・イノベーション大賞における「選考委員特別賞」を受賞しました。また、本年度においては製品として、「エネファームミニ」※3と、発電効率・耐久性が向上した「エネファームtypeS」※4の2製品が計6賞を受賞しております。
昨年、日本政府により2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことが宣言され、あらゆる産業において脱炭素化に向けた技術開発やビジネスモデルの変革に対する取り組みが加速しています。その中でも、水素と酸素の化学反応を利用する燃料電池技術は、低炭素社会の実現や脱炭素化に向けた利活用が期待される技術として注目されています。京セラは、今後もさらに発電効率と信頼性を高めたSOFCの開発や社会ニーズに合った燃料電池技術の研究、開発に努めてまいります。
エネファームミニ ※京セラはセルスタックおよび燃料電池システムを開発 |
エネファームtypeS ※京セラ製セルスタックを内蔵 |
※2 定置型家庭用燃料電池において世界最小サイズ(京セラ株式会社調べ)。2021年1月26日時点。
※3 東京ガス株式会社との協業により製品化。開発はダイニチ工業株式会社とパーパス株式会社と共同で行った。
※4 京セラ株式会社はセルスタックの開発を担当。
※「エネファーム」および「ENE・FARM」は、ENEOS株式会社、大阪ガス株式会社、および東京ガス株式会社の登録商標です。
■受賞一覧
主催 | 賞名 | 対象製品 | 共同受賞者 |
一般社団法人 科学技術と経済の会 |
第9回技術経営・イノベーション大賞「選考委員特別賞」 | SOFC技術開発・事業 | 単独 |
一般財団法人 新エネルギー財団 |
令和2年度新エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」 | エネファームミニ | ダイニチ工業株式会社 パーパス株式会社 |
一般財団法人 コージェネ財団 |
コージェネ大賞2020 技術開発部門「優秀賞」 | エネファームミニ | ダイニチ工業株式会社 パーパス株式会社 |
一般社団法人 日本ガス協会 |
2020年度「技術賞」 | エネファームミニ | ダイニチ工業株式会社 パーパス株式会社 |
一般財団法人 コージェネ財団 |
コージェネ大賞2020 技術開発部門「特別賞」 | エネファームtypeS(セルスタック) | 大阪ガスマーケティング株式会社 大阪ガス株式会社 アイシン精機株式会社 |
一般財団法人 省エネルギーセンター |
2020年度(令和2年度)省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門「省エネルギーセンター会長賞」 | エネファームtypeS(セルスタック) | 大阪ガスマーケティング株式会社 大阪ガス株式会社 アイシン精機株式会社 株式会社ノーリツ リンナイ株式会社 パーパス株式会社 |
Innovation for Cool Earth Forum(ICEF) | ICEF2020 トップ10イノベーション | エネファームtypeS(セルスタック) | 大阪ガス株式会社 アイシン精機株式会社 株式会社ノーリツ リンナイ株式会社 パーパス株式会社 |
<ご参考>
京セラニュースリリース「エネファームミニ」
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/1005_ssfv.html
大阪ガスプレスリリース「エネファームtypeS」
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2020/1285045_43661.html