ー横浜・元町の未来をメタバース空間で創造するー「マイクラで未来の商店街を作ろう!!」協力イベントを開催しました
2022年10月23日、横浜未来機構公認プロジェクト「学び×横浜未来メタバースプロジェクト」が主催するイベント「マイクラで未来の商店街を作ろう!! 」が実施されました。
■学び×横浜未来メタバースプロジェクトとは
■当日のイベントの様子
■イベントメンバーにインタビュー
■最後に
学び×横浜未来メタバースプロジェクトとは
スクラップ & ビルド、そして復活と進化の港町、国際都市横浜。皆さんは横浜の未来をどのように創造しますか?
学び×横浜未来メタバースプロジェクト、通称「よこめたっ。」。本プロジェクトは横浜で活動する人々、国内外の人々と連携をしながら、新たなチャレンジに取り組むプレイヤーを応援するイノベーション創出の推進機関である「横浜未来機構」の公認プロジェクトのひとつです。今回のイベントでは横浜・元町商店街をフィールドに、ゲーム「Minecraft」(以下マイクラ)上でのメタバース体験を通じて、クリエイティビティを引き出し、親子や市民、民官学が参加型で新しい「学び」×「メタバース体験機会の場」を創出しています。
また、午後のプログラムでは横浜未来機構の正会員である弊社も会場協力をさせていただき、親子で参加している方々を迎え入れました。
今回は本プロジェクトのイベントの一つとして開催された、「マイクラで未来の商店街を作ろう!! 」について「よこめたっ。」チーム学生ボランティアの池田さんにレポートしていただきました。
当日のイベントの様子
≪元町ショッピングストリートに集合!いざ、横浜・元町ショッピングストリートへ≫
午前11:00。参加してくださる親子の皆様、そして「よこめたっ。」チームがいよいよ元町に降り立ちました。この日は秋晴れで探索日和。元町はどのようなまちなのだろう、どんな工夫をされているのだろう…。ワクワクとドキドキを胸に、プログラムスタートです。
↓今回、参加してくださった皆様と…一枚パシャリ!
午前中のプログラム、元町ショッピングストリートの探検スタート!
午前中のプログラムは、元町ショッピングストリートを実際に歩き、肌で元町を感じるというもの。未来を想像するにあたり、リアルを知っておくということはアイディアの大きなカギになりました。子どもたちも夢中でワークシートに取り組みます。普段歩いているだけでは目にも留めなかったまちの工夫を子どもたちが発見し、そして親子でなぜその工夫がされているのかを共に考え会話するシーンが印象的でした。
午後のプログラム、マイクラで商店街をつくろう!
午前に自らの目で、肌で感じたことをヒントに、午後はいよいよメタバース空間のひとつであるゲーム「Minecraft」を用いて各々の手で未来を形作っていきます。あらかじめ作成された元町ショッピングストリートのフィールドに新たなエリアを追加したり、全く別の場所に一から作成したりと作り方は様々。真剣な目線で黙々と作り続けていました。その集中力はよこめたっチームも驚くほどでした。また、想像力はもちろんのこと、子どもたちのもつマイクラの操作方法や知識の豊富さに圧倒されました。子どもたちからマイクラについて教えてもらう場面もありました。
一日のまとめ!つくったまちを共有しよう
最後に、各々で作成した未来の商店街の発表会をしました。上から水の流れる建物があったり、動物たちがたくさんいたり、ショッピングストリートにトロッコが通っていたり、宇宙ロケットがあったり…。メタバース空間だからこそできる、アイディアをすぐに形に起こすこと、そしてそこから更なる創造とワクワクを感じることを身をもって体験できた瞬間でした。未来を考えることの面白さを少しでも感じ、そして大人の方にも子どもたちにも持ち帰っていただけたなら、未来は更にワクワクしたものになるのではないかと感じました。
↓つくったまちをプロジェクターを用いてみんなにお披露目。発想の豊かさやクオリティの高さにおもわず「おお!」と声を漏らしてしまうほど。
イベントメンバーにインタビュー
そして、本イベント開催にあたり、よこめたっのメンバー4名にインタビューを行いました。
≪学び×横浜未来メタバースプロジェクト(よこめたっ)メンバー≫
藤沢 勇輔
Swap,Inc. CEO
中島 幸一
iXOS (株) CEO
家村 直樹
日産自動車株式会社
岩橋 雪野
NPO法人 未来のカタチ 代表
『本イベントでは、実際に肌で物事を体験する場面、そしてマイクラを用いたメタバース空間で物事を体験する場面があるかと思います。それぞれの魅力とはどのようなものだと思いますか。』
(藤沢)実際に肌で感じることは一次情報で、リアルさがあります。想像力のためにリアルさも必要です。現地の人や現場のエピソードを大事にしながら、デジタルの強みを活かすクリエティブな機会を作っていきたく、まずはコンテンツを提供してみようと考えました。
(中島)やはり、バーチャルだけでは難しいところも多く、実際に五感で感じることは大切です。肌で感じたことをバーチャルの世界に落とし込み、作り上げていくこと、それこそがとても重要であると考えます。
(家村)リアルでの関わりは、人対人。だからこそその人のバックグラウンドなども感じ取ることができ、その人のことを本当の意味で知るということが行いやすいです。しかし、メタバース空間ではアバター等での関りになるため、それが良さでもありますが、自分の個性をどう表現していくかがとても難しいとも言えます。リアルをどうデジタルへ落とし込んでいくかが今後重要になっていくのではないかと考えています。
(岩橋)オンラインでの利点は出会うハードルが低いところにあると思います。しかし、感情が読み取りにくく、オーバーリアクションしなければならないといったこともあります。
オフラインの利点はその場の温度感を感じ取りやすいところです。だからこそ、性別やコンプレックスなどに囚われないオンラインの場で、各々の情報がフラットな状態で出会い、自分自身に自信をつけてオフラインで会うという人との関わり方もできるのではないでしょうか。
未来へ向けそれぞれが個性やクリエイティビティを発揮していくことの重要性とは?
(藤沢)今ではSNSを活用しながら大きな組織に所属しなくても自己発信ができ、行動すれば何かしらリアクションがくる世の中です。それぞれの倫理観や価値感だと思いますが、ご紹介を受けてご縁をいただく方や出会う方とすぐ意気投合します。この横浜という都市やコミュニティの良さを活かしながら、それぞれ個人が個性やクリエイティビティを等身大で発揮していく。ワクワクできる楽しい「場」によって、自然と何かにチャレンジするきっかけとなり、全ての変数に対してエンパワーメントできる機会が増えると考えています。
(中島)各年代目線で重要性は異なりますが、各年代の目線を理解していくことが大切だと思います。若者の目線で見ると見えない視点があったり、逆に経験が邪魔になることもあったりします。各々が個性やクリエイティビティを発揮した時、バリアを省いて尊重しあい、自分の中で一度咀嚼すること、そして『これが大切である』ということを見つめ発見していくことが重要です。
(家村)メタバースの世界ではアバターもあるため、年齢や性別、外見、言語などは重要ではありません。では何を大切にするのか。それはその人その人の個性であり、個性とは生きてきた、学んできた環境であると考えます。だからこそ、個性やクリエイティビティを発揮することはメタバースの中で自分自身が埋もれず自分らしく生きていくために重要であると考えます。
(岩橋)私は、全員が全員クリエイティビティを発揮する必要はないと考えています。しかし、他にできないことがあっても、クリエイティビティを発揮することで輝ける子も出てきます。発揮する場所を確保することで生きやすくなる子が出てくれば、それこそが個性やクリエイティビティを発揮していくことの意味ではないかと考えます。
「クリエイティブに未来を考え続けること」の意味とは?
(藤沢)脳科学を研究している方の話を伺っていくと、世の中は一定数、揺らぎもあるという認識をしています。偶発性も受け入れながら新たな価値を自然とインキュベーションしていくようなイメージです。その為の最低限の仕組み化や、目標に対する数字の設計など達成に向けての具体的な側面もありますが、根本は私たち人間がどうありたいか、どんな未来を描きたいかというビジョナリーな思想や価値観に腹落ちしている状態が大切だと考えています。クリエイティブという言葉が一人歩きしがちですが、どんな人生を歩んでいくと等身大でワクワクできるかという「今が楽しい」機会を作れることこそ、よりよい未来を築いていけると信じています。
(中島)未来を考える、といっても人間は今日、明日を考えることで精一杯です。未来は変わります。だからこそ未来を不安視し続けてもしょうがないと思っています。だからこそ、地頭で考え、ストレスに感じないよう未来を受け止める努力をしていくことが大切ではないでしょうか。
(家村)クリエイティブに未来を考え続けることは、それぞれの人生の面白みではないかと思います。未来へ何かアクションするは、その人その人の人生が豊かにするはずです。
(岩橋)人間が人間らしく生き、人生が終わったときに人生が自分にとってプラスであるように、後悔しないように人は未来を考え続けるのではないかと思っています。
最後に
今回は横浜未来機構公認プロジェクト「学び×横浜未来メタバースプロジェクト」が主催するイベント「マイクラで未来の商店街を作ろう!! 」について特集してきました。
イベントを開催したことで、メタバース空間の課題を肌で感じる場面や、逆に子どもたちの感性に圧倒される場面も多くありました。子どもと大人。人と人。生きていた時間やできること、できないことは違えど、互いが互いの考えや思いを改めて尊重、尊敬しあえる場になったと感じています。また、地域について知るきっかけや、自由に想像できるメタバース空間の面白みを感じる第一歩となったイベントでした。本イベントでの吸収を自律分散型に、個々の未来へのワクワクへとつなげていければと思います。
編集:京セラ(株)橋本綾子
文・写真提供:「よこめたっ」 /学生ボランティア 池田結香