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文化の違いを超えて見つめる未来の仕事とは?多文化協働体験プログラム「SHIP」開催!

 2021年5月末、株式会社An-Nahal(アンナハル)と”横浜をつなげる30人”が共催、そして京セラが協力した、多文化協働をぎゅっと体験できるイベント型越境プログラム「SHIP」が、京セラみなとみらいリサーチセンターのオープンイノベーション施設「INNOVATION SQUARE」にて実施されました。
 このプログラムは、「多様な人材が協働する社会作り」を目指し、年齢や職業のみならず、国籍といったバックグランドなども多様な参加者が集まり、1つのテーマについてそれぞれの視点や考えを共有しながら、それぞれの違いを享受することはコラボレーションの源泉であることを体験する新しい形の学びのプログラムです。
 普段の職場やコミュニティから越境し、全員主役のチームワーク(多文化協働)を体験することで、自分自身や社会課題について新たな気づきを得るきっかけとなり、多文化が共存する組織やコミュニティにおいてそれぞれの違いを享受しながら協働していく人材を増やすことを目指しています。昨今日本企業もダイバーシティ経営に注力しており、多様な⼈材を活かしてその能⼒が最⼤限発揮できる機会を提供することでイノベーションを生み出し、価値創造につなげていくことを狙っています。なお、多様性のあるチームが適切にマネジメントされると、長期的に単一なチームよりも生産性が上がると言われています。
 参加者は、日本企業で働く国内外出身のビジネスパーソンのほか、高校生、留学生など総勢21名でした。家族での参加も歓迎され、未就学児や小学生も参加していました。

テーマは「2030年の新しい仕事をつくろう!」

 SHIPプログラムは、土曜日と日曜日の2日間を使って開催され、両日ともに全体進行は株式会社An-Nahalの品川さんと川口さんにより進められました。コロナ禍であることを鑑み、1日目はオンラインと現地集合・現地解散の少人数フィールドワーク、2日目は京セラのみなとみらいリサーチセンターに参加者が集まり、感染予防対策をとったうえで実施しました。
 プログラム全体の共通テーマは「2030年の新しい仕事をつくろう!」。

1日目:オンラインワークショップ+現地集合現地解散のフィールドワーク

 1日目の午前は、Zoomとオンラインアウトプットサービスmiroを利用して、オンラインで実施しました。午後は、4チームがそれぞれの自宅からチームごとに指定されたフィールドワーク先へ向かうという、これまでにない試みを体験しました。フィールドワークは、2030年の仕事についてアイデアを出すうえで、新たな視点を提供してくれるゲストのもとへ向かいました。

■⾦⽥晴⾹ かねだはるかさん (アーティスト名 Haruka Kanata)
横浜市出⾝、在住。
職業:作曲家 ジャズピアニスト ⾳楽プロデューサー
現在、ウエディングに特化した⾳楽レーベル AGOLA for weddingmusic専属作曲家として所属。作曲、演奏の他イベントディレクター、⼈材開発、⾳楽プロデューサーを兼任。商品開発、企画提案、営業などもしております。
経歴:4歳からピアノを始め、国⽴⾳楽⼤学ピアノ科卒業。都内外資ホテル、ライブハウス等で演奏活動。ジャンルはジャズ、クラシック、ポップスなど。

■デニス・チアさん
BOUNDLESS代表。シンガポール出⾝。2016年に東京⼤学⼤学院卒業。
2017年にBOUNDLESSを⽴ち上げ、「グローバルとローカルを繋ぐ」というテーマで、外国⼈留学⽣や帰国⼦⼥などを⽇本の地⽅と繋ぎ、⽇本が直⾯している様々な課題を国際的な切り⼝で学び、考える活動を実施。
現在は電気⾃動⾞(EV)充電器の導⼊運⽤に取り組むユアスタンド株式会社に勤めながら、BOUNDLESSを副業で続けている。同時に、デザイン・教育・サステナビリティなどに関連する活動の通訳としても活動中。

■中丸陽⼦さん
横浜市泉区にあるみかん農家「中丸果樹園」で、収穫したみかんを使ったジャムを地域のパン屋さんと連携して販売するなどの試みをしている。2020年に農業経営や地域活動に積極的に関わっている⼥性農業者を⽀援する市独⾃の制度「よこはま・ゆめ・ファーマー」第25期の認定を受け、新たな商品の開発等に⼀層積極的に取り組む。


■牧野 佑亮さん
Global Shapers Community Yokohama hub。愛知出⾝。5⼈兄弟の⻑男として3世代家族で育つ。
外国から旅⾏者がよくホームステイに来ており、⼈々や⽂化の多様性に興味を持つ。
シンガポールで⾷品会社のインターンを経て資⽣堂に研究職として⼊社。世界経済フォーラム任命のユース組織Global Shaperとしても横浜を拠点に、環境やサステナビリティに関する活動に取り組む。多世代×多国籍×丁寧な暮らしをコンセプトとするシェアハウス「ウェル洋光台」の住⺠。

2日目:一堂に会してワークショップ。2030年の新しい仕事を創造しよう!

 2日目の会場は、京セラみなとみらいリサーチセンターに全員集合してワークショップを開催しました。京セラみなとみらいリサーチセンター6階の共創スペースの全体テーマは、新大陸を目指す船員たちが集う港であり、同志を求める者たちが集まり、仲間を求め、出会い、目的地を定めて出航の準備を始めます。SHIPプログラムの由来と共通する部分が多く、今回の会場提供に至りました。

 2日目は、1日目のフィールドワークの振り返りと、それぞれの気づきの共有をしたのち、チームごとに2030年の仕事を創造するワークに取り組みました。「SDGs伴走パートナー」、「スキルを共有する銀行のマネージャー」、「日本各地の自然の音を表現する/届けるプロデューサー」や「Share villageのコミュニティマネージャー」など、将来の仕事について様々な面白いアイデアが出来ました。

 最後に、それぞれのアイデアをチームごとに発表しました。
 皆さんのアイデア自体も素晴らしかったですが、各チームの発表方法も通常形式に縛られず、バイオリンで演奏したり、小芝居を演じたり、伝えたいことを遊び心と楽しい形で全員向けに発表することができ、伝え方の勉強にもなりました。発表方法にも各チームの多様性が反映されていました。

異文化交流が生み出す新たな可能性を感じて!「参加者の声」

 「同じ日本人同士でも感性や興味の的が随分と違うことに驚きました。海外の方の当たり前と日本の当たり前の違いがすごく新鮮に感じられて面白かったです。日本に居ながらにして、こんなイノベーティブな議論がこんなに多様な人たちと身近な場所でできる機会に接することができるなんてすごい!と思いました。ぜひ多くの方に参加してもらってさらなる多様性の渦を広げたいです。今回のSHIPプログラムを通じてアイデアが生まれた「未来の仕事」を京セラのテクノロジーと結び付け、PoCまでやってみたいと思いました。」

「様々なバックグランドをお持ちの方とフラットに交流することができ、社内では得られない観点と気づきがたくさんありました。社外の人ともっと繋がっていきたいと思いました。参加者は日本企業で働く外国人から、高校生、留学生、子供まで非常にダイバーシティに優れたメンバーで、その違いがあるからこそプログラム自体がすごく新鮮で面白かったです。様々な人が自由に交流できる「場づくり」の重要性を改めて感じました。今後、オープンイノベーション推進部として社外の色んな方から刺激を得られるイベントを企画していきたいと思います。」

編集:京セラ 蔵

文・写真提供:株式会社An-Nahal 高橋 明日香