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いつものトイレがあなたの健康管理をお手伝い。におい計測ヘルスケアシステム

あなたの腸は健康ですか?

 「腸活」という言葉を聞いた事がありますか?
 腸の状態は健康や美容、ダイエットなどと深い関連性があると言われており、腸の状態を向上させる様々な活動のことを腸活(ちょうかつ)と呼びます。腸内環境改善の為の食品、食事方法、腸の捻じれを改善する運動やウォーキング方法など様々な腸活が提案されています。

 しかし例えば同じ食事でも効果には個人差があります。もし食事が腸に与えた影響を確認出来れば、自分の腸に最適な食事が分かるのではないでしょうか?

 そこで注目されるのが便のにおいです。便のにおいは食べた物、腸内環境(腸内フローラ)により変化し、またその腸内環境は食事、ストレス、病気などで日々変動しています。毎日のトイレで手軽に無意識のうちに腸内環境をチェックできれば、「腸活」をもっと身近で自分に合ったものにできると思います。

腸内フローラ

 腸内の細菌については以前から多くの研究がなされてきましたが、近年ますます注目が集まっています。主に大腸に生息している腸内細菌は1,000種類で、その数は10兆~100兆個以上とも言われています。腸内細菌は消化できない食べ物(主に食物繊維など)を身体に良い栄養物質に作り変えたり、腸内の免疫細胞を活性化させたり、病原菌などから身体を守るなど、私たちが健康でいるための重要な役割を果たしています。腸内細菌は種類毎に集団を形成して住み着いているため、顕微鏡で見るとその様子がまるでお花畑(フローラ)のように見える事から腸内フローラと呼ばれています。

におい計測ヘルスケアシステム

 京セラではお腹の中のお花畑(腸内フローラ)の状態を予測するため、トイレで便臭組成を計測して健康をチェックする製品の開発に取り組んでいます。
 このシステムは、トイレで便のにおいを感知するデバイスとクラウド/データベースからなり、腸内フローラの検査結果と便臭組成を結びつけてデータベースを構築し、AI技術により腸内フローラの傾向を予測します。

 このヘルスケアシステムを簡単にご説明します。
 まず、食事をすると、あなたの腸の中で腸内細菌が食べたものを分解します。腸内細菌の数や種類によって腸内代謝物質濃度が変化しますので、腸内環境が整っているかどうかの指標となります。このことにより、トイレで便臭を計測し腸内環境を推定することができ、その推定結果に基づいた食事・食品へのアドバイスを提供し、便臭、食事、腸内環境のサイクルを回すことで無意識のうちに継続的な腸内環境管理が可能となります。
 京セラは腸内環境から栄養状態/太りやすさ/筋肉の付きやすさを可視化することを目標とし、その後、現在ニーズが高まっている、免疫力やストレス負荷へと適用範囲を拡大していきます。

ガス組成推定について

 便臭は非常に多くの混合ガスから構成されています。
 食事・食品へのアドバイスを行う為には、例えば善玉菌や悪玉菌に関連するガスの濃度を把握する必要があります。そのためには非常に多くの種類のガスに対応したガスセンサが必要になります。
 ところが、多くのガスセンサを搭載した機器はとても高価で大きくなります。その問題を解決するために、京セラでは複数種の異なるガスを検知するセンサを組み合わせ、その組み合わせのパターンを学習し、AI技術で個別のガス濃度を推定します。

 図は模式図となりますが複数種のセンサから複数の波形が測定された事を示します。便臭と外気を交互に取り込む事でそれぞれのセンサの反応と復帰が波形となって表れます。そのセンサ波形をAIに学習させることで、便臭ガス組成を推定し、便臭ガス組成から腸内フローラを推定できるようになります。

現段階での開発状況

 現在は複数のガスセンサ、ガス流路、制御回路、通信機能などにより構成されたプロトタイプ機でデータを取得しており、ガスセンサは、検出対象ガス組成に合わせて、自社/他社センサの中からAI技術を用いて選定しています。
 ガス濃度推定結果について説明いたします。
 グラフは腸内細菌の善玉菌が生成すると言われているガスA/Bと、悪玉菌が生成すると言われているガスC/Dの濃度推定結果を示しています。グラフの横軸は便臭を模擬した7種の混合ガス中に含まれる各ガスの濃度設定値、縦軸はセンサシステムで計測した濃度推定値です。緑丸が推定値で精度良く濃度推定ができています。
 他の高濃度ガス共存下でも低濃度ガスの濃度推定ができており、モデル適合度を示す数値(決定係数)も0.9を上回る1に近い値を得ることができました。
 湿度変動のような高濃度ガス共存下での低濃度ガスの濃度推定や、類似ガス共存下でのそれぞれのガス種の濃度推定も実現可能です。

 本技術は便臭だけでなく他のガスやヘルスケア以外の様々な分野(青果物、食用油、醸造、電気火災など)への展開も可能です。
 また、協業パートナーとしては腸内環境検査会社、保険会社、トイレ関連企業、食品関連企業なども視野に入れ、今後、ビジネスモデルを構築していきます。
 最終的にはセンサ機器を小型化し、便器に取り付けて使用出来るデザインを目指します。

将来の利用イメージ(便臭による腸内フローラ推定)

デバイス・システムは次の特徴を目指して開発します。
①日常生活で必ず使うトイレで¨無意識¨にデータ収集・計測ができる。
②便臭ガス組成から腸内フローラを推定でき、腸内フローラから
 【栄養状態、太りやすさ、免疫力、ストレス負荷】等を把握できる。
③個々人の状況/体質に合った健康改善の提案ができる。

計測から日常生活改善の提案までは次のようなサイクルを想定しています。

個人認証

トイレに入ると指紋認証などによって誰が使用しているのかを判定します。

計測

便器に設置されたデバイスは便のにおいを計測します。

推定

便のにおいは様々な成分で構成されています。混合ガスは直接の成分分析が難しいため、AIを活用してガスセンサの波形からガス組成を推定します。

クラウド分析

ガス組成データはクラウドに送信され、それに対応した腸内フローラの情報が抽出されます。

アプリ表示

抽出された腸内フローラの情報に基づき、スマホアプリで、「栄養状態」、「太りやすさ」、「免疫力」、「ストレス負荷」などが表示され、目標値が設定されます。データは自動的にクラウドに蓄積されるため手間がかかりません。
アプリから生活改善につながるオススメ料理や運動などが提案されます。

フィードバック

アプリを通して利用者に適した食事、運動、睡眠などのアドバイスをフィードバックし、より良い生活習慣が身につくよう継続的にサポートします。

日常生活改善

日々の食事や運動、ストレスなどへの改善に役立てる事が出来ます。

パーソナライズ

一人一人の要望、目的にあったモード選択が可能です。
それぞれの目的と個人差を考慮した提案が可能となります。

共同研究

AuB(オーブ)株式会社、株式会社京都パープルサンガとの共同研究については下記のリンクをご覧ください。

京セラは今後も企業の健康経営の促進、また一般向けの健康寿命の延伸に貢献するビジネスモデルの検討を進めてまいります。