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距離や方向の異なる複数対象物の検知が1台で可能! 独自開発マルチファンクション型ミリ波レーダー

今後数年の間に自動車産業に大変革期が訪れると言われています。そのメガトレンドのキーワードとなるものが「CASE(*1)」です。京セラは材料、部品からシステム、サービスに至るまで垂直統合型の事業展開を行い、自動車関連産業の研究開発に取り組んでいます。ここではそのなかでも来たる自動運転時代に不可欠な自動車の眼となる部分、車載センサーに焦点をあてて紹介します。
*1)CASE:Connected(コネクティッド),Autonomous(自動運転),Shared & Service(カーシェアリングとサービス),Electric(電気自動車)

車載センサーのなかでも、ミリ波レーダーは比較的安価で最大検知距離が長く、測角/測速能力を有し、耐環境性能に優れるという面で好まれています。
1990年代後半より前方監視用としてミリ波レーダーの導入が始まり、その後、死角検知や車線変更支援といった周辺監視用など、広くさまざまな用途で用いられるようになってきました。ミリ波レーダーは、送信した電波(送信波)と人や物に跳ね返ってきた電波(受信波)とを比較し、その時間差や周波数差から、物体の距離、速度、角度を計測する技術です。

左下図は、マルチファンクションセンシングのイメージ図です。従来は、死角検知(ミラーや目視できない領域の検知)、駐車支援(駐車時の後方障害物の検知)、出庫時衝突検知(駐車場から出発する際や交差点に進入する際に、ほかの車や壁などによって見えない領域からの車両や人などの検知)、空間検知(駐車場における空きスペースの検知)などのセンサーを複数取りつける必要がありました。

右下図は、京セラが独自に開発したミリ波レーダーモジュールです。距離や方向の異なる複数対象物の検知が1台でできるという特長があります。

79GHz帯マルチファンクションレーダーの独自開発

従来の複数のセンサー(超音波ソナー、短/中距離ミリ波レーダー等)をひとつに統合

特長/仕様

京セラではマルチファンクション型ミリ波レーダーを独自に開発し、検知距離や方向が異なる検知モードを複数独立して設定可能です。それら設定された複数の検知モードを高速切り替え処理で同時に実現することにより、ひとつのミリ波レーダーで複数のセンサーに相当する機能を統合して使用できます。

そのマルチファンクション型ミリ波レーダーは、ソフトウェアおよびハードウェアの両技術により支えられています。ソフトウェア技術には、第3世代、第4世代移動通信システムのインフラシステム研究開発で培ったマルチアンテナ処理技術を採用しています。これにより、例えば送受信ビームフォーミング技術により高精度かつ高速な受信到来角の推定や、送受信タイミングを任意に設定することにより他のミリ波レーダーとの相互干渉の低減を実現しました。
一方、ハードウェア技術として、京セラが独自に開発した基板材料により、導波路(給電線路)およびマイクロストリップアンテナの低損失/高効率化を実現しました。さらに用途に合わせてカスタム最適化したミリ波アンテナを用いることにより、マルチファンクション型ミリ波レーダーの特長である複数機能統合の有効化かつ効率化を可能としました。

特長

・79GHz帯を使用することで、アンテナ間隔を短くでき小型化を実現/広帯域(4GHz幅)利用により測距の高精度化(帯域幅に
 反比例)を実現
・独自のアダプティブアレイアンテナ技術(複数のアンテナの位相振幅を適応的に制御することにより、電波の放射パターンを自
 在に制御でき、複数の到来波を同時に推定することが可能)によるマルチファンクションレーダーに対応
・高速レーダーモード/ファンクション切替えにて、レーダー機能を統合し低コスト化を実現

仕様

実証実験

開発中のミリ波レーダーを利用し、隊列走行トラックのシステム検証を実施しました。ミリ波レーダーは、取付け位置や角度、周辺干渉物によって検出特性に大きく差が出ます。
通信事業で培ったアダプティブアレイアンテナ技術や電波伝搬技術を駆使して、「横浜オフィスでのシミュレーションや走行実験」、「つくばのテストコースでの走行実験」を繰り返し行うことで、隣接レーンを走行する乗用車やバイクを正確に検出できるようになりました。
現在は、隊列走行トラックのシステムの一部として、京セラのミリ波レーダーが採用されています。