赤いぼうしのtrotaが「いちご一会とちぎ国体」にやってきた!
皆さん「ラストワンマイル」という言葉をご存じですか?通信や物流、交通など様々な分野で使われるこの言葉。それぞれの最終拠点からエンドユーザーにサービスやモノが届くまでの最後のもうちょっとの距離を言います。(実際は1マイル=約1,600mですが、ラストワンマイルという言葉では、その限りではありません。)
いまや様々なものが自宅でサービスを受けたり、モノが受け取れたりする世の中でこの最後の「もうちょっと」が足かせになっています。人間の移動における「もうちょっと」を解決するために様々な手段が生まれていますが、そのうちの一つがこの自動運転バスです。
めざせ2025!栃木ABCプロジェクト!!
栃木県では、2025年度の県内バス路線における無人自動運転移動サービスの本格運行を見据え、2023年度に県内バス路線で実証運行を行うことを目指す「栃木ABCプロジェクト」を進めています。
「栃木ABCプロジェクト」は「自動運転システム(Autonomous)を導入した路線バス(Bus)の本格運行を目指した挑戦(Challenge)」を意味しています。そこで、主体となる栃木県の実証実験を受注した日本工営株式会社より、先進モビリティ株式会社を通じて自動運転バスの車両を(先進モビリティ株式会社と)所有する京セラにお声がかかり、「いちご一会とちぎ国体」におけるラストワンマイル(東武鉄道西川田駅~栃木県総合運動公園)での自動運転バス「trota」による実証実験を行うことになりました。
京セラの自動運転バス -trota-
このtrotaには赤外光を照射し、反射時間から障害物との距離を導き出すLiDARセンサ、ミリ波を発出して反射波の位相のずれから障害物との距離を測定するミリ波センサ、画像から周辺にある物体を認知するためのステレオカメラ、周辺検知カメラ。またバス前面には矢印を含む信号の色を検出するための信号検出用カメラ。そして衛星からの信号を受信し、自社位置を推定するためのGNSSアンテナ等、様々な機器が搭載されており、駅から競技場まで乗客を安全に送迎いたします。
今回の実証実験では、日本信号のシステムと連携し、trotaのセンサだけではなく信号機や経路上に通信機を設置し、信号が変わるタイミングをバスに知らせたり、経路上に設置したカメラやセンサから他の車両や歩行者の情報をtrotaに送る仕組みも設置しています。これらの路上設備(インフラ)とバスが通信で協調してブレーキのタイミングや危険を知らせる「路車協調型自動運転」の実証も行っています。信号との協調によって西日の影響による信号認識カメラにおける信号の色の誤認識をなくしたり、あらかじめ信号の色が変わることを事前に把握することでスムースな制御を行うことができます。また、バスに搭載しているセンサやカメラでは検知できない死角の情報を路上設備から得ることにより、より一層安全にバスを運行できます。
あらゆる人が行きたいところへ自由に行ける世界へ!
現在、目覚ましい勢いで自動運転技術が進展しています。一般の乗用車でも自動運転レベル2*¹はかなり増えてきました。しかし一般道で、すべてが自動運転で走れる車はまだ先です。京セラは単体の自動車センサだけでなく、それらを組み合わせてまずは身近な安全な交通手段を担えるように開発を進めてまいります。
*1 自動運転レベル2…アクセルとブレーキ操作による前後の加速や減速の制御と、ハンドル操作による左右の制御の両方をシステムが担う部分的に運転が自動化された車
trotaを体験してみよう!
trotaは以下の計画で運行されます。
① 運行日:2022年9月29日(木)~10月11日(火)
② 運行時間帯: 9時~18時
(13時~14時は運休)
③ 運賃:無料
④ 予約便の有無
実証実験は10月11日(火)をもって終了致しました。たくさんのご来場ありがとうございました。