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独自技術で創出する未来社会

AIで実現する、より安全なモビリティ社会とはAIで実現する、より安全なモビリティ社会とは

京セラ株式会社 研究開発本部 先進技術研究所 ADAS基盤技術ラボ 前川 貴志

「これまでの車載カメラでは、一度に様々なものを検知することはできませんでした。しかし、開発中のAI認識カメラではディープラーニング (深層学習) を利用しており、自動車、バイク、自転車、子供を含む歩行者、さらには走行可能領域を示すフリースペースさえも検知することができます。」と京セラの前川 貴志は話す。

ディープラーニングによる高精度認識

小型・低消費電力を可能にしたAI認識カメラ

京セラでは、安全性や利便性を向上させ、ADAS(先進運転支援システム)に対応するさまざまな技術開発を行っている。
その一つがAI 認識カメラだ。従来の車載カメラでは、カメラが捉えた映像をドライバーが見て周囲の安全を確認するのに対し、ディープラーニングを利用したAI認識カメラでは、従来機能に加え、危険をドライバーに通知するだけではなく、さらには自動ブレーキや自動駐車のような用途にも使用することができるのだ。ディープラーニングとは、コンピュータが膨大な量のデータを学習することによって、複雑な判断を正確に行うことが出来る仕組みである。「ディープラーニングをベースとしたアルゴリズムにより、歩行者、バイク、自転車、その他バスやトラックなども含めた自動車を検知することができます。また、AIは多様な色や形の物体を認識することができるので、地面にしゃがんでいる子供などの小さな物体も検知し、運転手に警告することが可能です。」と前川は説明する。

フリースペースの検知

駐車支援システムは以前からあるが、機能は非常に限られているのが実情だ。既存のシステムは、明確に塗装された駐車枠の白線を検知することによってのみ、駐車スペースを認識できるため、特に、白線が消えてしまった駐車場や白線のない駐車場、雨や雪などの気象条件では機能できないのだ。
一方、京セラのAI 認識カメラは、駐車枠の白線が無い駐車場でも、障害物が無い場所を検知して、車両の走行可能領域、駐車可能領域を判断することができる。これは京セラ独自の機能なのである。

 物体検知(歩行者・自動車)

物体検知(歩行者・自動車)

障害物のないフリースペースを検知

障害物のないフリースペースを検知

手の平に乗る小型サイズのAI認識カメラ

AI認識カメラの開発者たち

AI認識カメラの開発者たち

「通常、ディープラーニングの処理はデータが膨大で非常に重いため、パソコンなど大きなコンピュータで行われます。しかし、車載用のアプリケーションでは、当然ながらサイズを小さくする必要があるのです。これを実現するために、当社では高効率アルゴリズムと画像認識専用ASICを開発しました。」
前川たち開発者は、ADASとさらにその先の自動運転社会を見据えて、AI 認識カメラを開発している。新型カメラの可能性は、車載用としてだけでなく、パーソナルモビリティや建設車両・農業車両、自動搬送ロボットなど、他の用途にも活用が可能なのだ。
京セラは、より安全で快適な社会の実現に向けた、インテリジェントデバイスの重要な1歩を、テクノロジーの進化で着実に歩み続けていく。

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