乾隆ガラス
乾隆(けんりゅう)ガラスとは、中国清代に作られた鼻煙壷(びえんこ)を含むガラス製品の総称です。
本来、乾隆ガラスは、清朝第6代皇帝の乾隆帝(在位1735~1795年)の時代に作られたガラス製品を指す名称でしたが、
清代のガラス産業がこの乾隆年間の60年間に最盛期を迎え、清代における最高傑作など上質な作品の大半が作り出されたことから、
一般に清代を代表するガラス製品としてこの名称が使われるようになりました。
近年、乾隆ガラスは、世界のガラス史の中で新たに見直され、そのユニークな作品の意匠と独特の技術技法が高い評価を受けています。
鼻煙壷
鼻煙壷(びえんこ)は、中国清代に作られたガラス製品である乾隆ガラスの一つで、嗅ぎ煙草を入れる小壺のことを指します。
小さなガラス瓶に、極めて精巧な加工や絵付けなどの細工が施された鼻煙壷は、
清代の宮廷内で愛用され、とりわけ康煕~乾隆年間には、
ガラス製のカメオ彫刻を施した鼻煙壷や、内絵を施した内絵鼻煙壷が大流行しました。
外国使節や海外から来た貿易商人たちへの贈答品としても使われ、ヨーロッパにも紹介されたことで知られています。
京セラファイン
セラミック茶器「玉磁」
「玉磁(ぎょくじ)」は、非常に純度の高い酸化アルミニウムの素材を真空状態の中で、
超高温で焼き上げた生地に、絵付けを施した磁器です。
通常の陶磁器とは異なる、美しい光沢と深い色合い、そして独特の透光性、透明感を醸し出しているのが特徴です。
絵柄にある四君子(しくんし)や藤、菊、萩、梅などは、400年の伝統を誇る薩摩焼で伝統的に多く用いられてきたものです。
※ファインセラミックスとは
陶磁器やガラス、レンガなど、製造過程において高温処理を受けたものを「セラミックス」といいますが、
その中でもよく精製された純度の高い材料を用い、
高度に管理されたプロセスによって製造されたセラミックスを特に「ファインセラミックス」といいます。
ファインセラミックスは、もともと電子工業用材料として開発されたものですが、材料や製造方法を工夫することで、
さまざまな美しい色合いを持つものや、透光性を持つ磁器もできることから、これを用いた美術工芸品も作られるようになっています。