太陽光パネルの寿命予測技術を開発
太陽光パネルの寿命って、実際はどのくらいか知っていますか?
太陽光パネルメーカーの出力保証年数は一般的に20~30年ですが、PVEL(第3者評価機関)の2020年の報告※1によると、一般的な太陽光パネルの半数以上が稼働後30年で交換が必要になると言われています。
2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、政府は2030年度に国内の電源構成の「36~38%」※2を再生可能エネルギーでまかなう計画を掲げ、太陽光発電はその担い手として期待されています。世界の太陽光発電市場を見ても、2050年の累積導入量は70,000ギガワットと2020年の70倍以上になると予想※3されています。
今後、ますます増えることが予想される太陽光パネルですが、パネル寿命を長くすることで、パネル交換による新たな資源の投入量は減り、パネル廃棄量も削減することができるため、パネル寿命は非常に重要になります。しかし、太陽光パネルの寿命を予測することは難しく、実際に製品寿命を判断することは、これまでとても困難でした。
※1 PVEL(米国、独立系大手試験ラボ)、2020 PV Module Reliability Scorecard
※2 経済産業省、第6次エネルギー基本計画
※3 J. Renewable Sustainable Energy 12, 053505 (2020)
太陽光パネルの長期信頼性設計・予測技術 SoRelia® を開発しました!
京セラは、太陽光パネルの長期信頼性設計・予測技術 SoRelia を開発し、その独自技術の特許を取得※4しました。この技術を使うと、お客様が購入する太陽光パネルの製品寿命を予測することや、お客様のご家庭や発電所で稼働している太陽光パネルの残存寿命も予測することができるようになります。SoRelia の寿命予測技術をベースに、より長寿命の太陽光パネルの提供を実現し、今後はパネルのリユース・リサイクル判断や中古発電所の価値評価につなげ、太陽光パネルの廃棄量やライフサイクルCO₂の削減に貢献していきます。
※4 特許第6811974、6818307、6837649号
SoRelia® の詳細は動画をチェック!
太陽光パネルの寿命予測に必要な3つの要素とは?
太陽光パネルの寿命予測には、「設置地域」「設置形態」「パネル設計」という3つの要素が必要です。設置する場所や設置する方法によって太陽光パネルへのストレスが変化するので、その環境に合った設計のパネルを選ぶことが重要になります。
なぜ京セラは寿命予測ができるの?
京セラは1975年から太陽光パネルの研究開発をスタートさせ、当初から長期信頼性を 第一に開発を進めてきました。その中で、環境ストレスに強い京セラ独自の封止材を開発し、この技術の特許も取得しています。
また、1982年には世界に先駆けて太陽光パネルの量産を始めており、過去30年以上 に渡り、世界各地から市場設置品を計画的に回収し、パネル劣化データを蓄積してきました。
これらの長期信頼性技術と市場劣化データから京セラ独自の長期信頼性設計・寿命予測技術 SoRelia は生まれました。
SoRelia® 技術を使った予測が市場回収品と一致!
SoRelia で予測した寿命は、市場に設置されたパネルを回収し確認した寿命と、精度よく一致する結果になりました。
さらに、SoRelia で京セラ独自の封止材を使ったパネルの寿命予測をすると、一般的な封止材を使ったパネルよりも寿命が長いこともわかりました。
また、一般的な封止材を使用したパネルは、環境ストレスによっては20年未満で寿命を迎える結果となり、これはPVELの報告と合致しています。
京セラ独自の SoRelia® 技術で持続可能な社会の実現に貢献していきます。
京セラ独自のSoRelia®技術による高品質の製品設計と根拠ある出力保証で安心のPVシステム提供を継続すると同時に、今後はこの技術を活用したサービス展開を通じて、持続可能な社会の実現へ貢献していきます。
「信頼」と「実績」の京セラ太陽光発電システム
京セラの長寿命化・寿命予測技術は国内トップ研究機関と共同開発し、メディアにも掲載頂きました。
・産業技術総合研究所(AIST)福島再生可能エネルギー研究所(FREA)と共同開発し特許取得。
・電波新聞に「太陽電池の長寿命化技術と寿命予測技術」について掲載。
https://dempa-digital.com/article/210642
京セラ独自の長寿命封止材技術を世界トップ※5封止材メーカーが採用しています。
・杭州福斯特应用材料股份有限公司(ハンゾーファーストアプライドマテリアル)社のみに長寿命封止材に関するライセンスを
供与すること、および、新規封止材料の共同開発の基本合意を実施。
https://www.kyocera.co.jp/news/2020/0801_kjpa.html
1984年に佐倉事業所に設置した太陽光パネルは現在も現役で稼働中。
1984年から稼働している京セラ佐倉事業所の太陽光パネル は、36年目の2021年の時点で17%の劣化に留まり、現在も 現役で発電し続けています※6。 これは、設置地域/設置形態/パネル設計を考慮した SoRelia の寿命予測線とも合致しています。(前述の市場回収品のグラフ参照)
※5 太陽電池モジュール用の封止材料において(2019年時点)
※6 実績データをベースに、さらに出力特性の測定精度・ばらつきなど、外的要因も考慮した数値(システム内29枚を測定、京セラ調べ、2021年2月時点)
(更新日:2024年8月30日)
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TV番組「ええじゃない課Biz」(TOKYO MX/2024年8月4日(日)放送)で当社のソーラーカーポートシステム「Roofill」(ルーフィル)が取り上げられましたのでご紹介します。
YouTube|ソーラーカーポートシステム Roofill(ルーフィル)|TOKYO MX放送番組「ええじゃない課Biz」
YouTube|ソーラーカーポートシステム Roofill(ルーフィル)|製品紹介
●「SoRelia」「Roofill」は京セラ株式会社の登録商標です。