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【中小企業経営強化税制・中小企業投資促進税制】
太陽光発電導入に活用できる優遇税制とは 

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世界的にSDGsやカーボンニュートラルが叫ばれ、国としてもカーボンニュートラル達成を宣言している昨今、多くの企業が、カーボンニュートラル達成を目指し、自社の環境目標を設定するなど、環境対策が推進されています。CO₂排出量の削減など、環境目標達成のために、再生可能エネルギーの導入を検討される企業もますます増えており、太陽光発電システや蓄電システムの導入を、検討されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

太陽光発電システムや蓄電システムの導入を自己資金で行う場合、それは設備投資となります。国は、中小企業に向けた税制改正を実施しており、設備投資における税制優遇制度を整備しています。環境目標達成のための再エネ設備導入を進める際、CO₂排出量削減とあわせて税制優遇の享受をしてみませんか?
本記事では、中小企業向けに国が実施している税制優遇制度のうち、「中小企業経営強化税制」と「中小企業投資促進税制」の2つについて、解説いたします。

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【目次】

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中小企業経営強化税制とは

中小企業経営強化税制とは、どのような制度で、太陽光発電システムの導入に利用できるのでしょうか。概要をまとめましたので、ご確認ください。

 

概要

中小企業の稼ぐ力を向上させる取り組みを支援するため、経営力を向上させることが可能な新品の設備取得を行った際に適用される税制優遇制度。指定期間は2025年3月31日までの期間。経営力向上計画をし、中小企業経営強化法に基づく「認定」を受ける必要がある。

 

対象

中小企業者等(資本金額または出資金額が1億円以下の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が千人以下の法人 、常時使用する従業員数が1,000人以下の個人、農業協同組合等、商店街振興組合等)

  • 但し、次の条件を満たす場合は対象外となります。
① 同一の大規模法人から2分1以上出資を受ける法人
② 2社以上の大規模法人から3分2以上出資を受ける法人
③ 前3事業年度の所得金額平均等が15億円を超える法人

 

対象となる太陽光発電システム

完全な自家消費型 もしくは 自家消費率が50%以上ある余剰売電型であること。
(ただし、取得金額が160万円以上であること。A類型の場合は、販売開始から10年以内のもの)

また、導入する製品の生産性が向上しているもの(旧モデル比年平均1%以上)の場合は、生産性向上設備(A類型)として申請を行い、そうでない場合は、投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備として、収益力強化設備(B類型)で申請します。

なお、発電設備等について税制措置を適用する場合は、経営力向上計画の認定申請時に「発電設備等の概要等に関する報告書」及びその記載内容が確認できる書類を添付する必要があります。

 

対象業種

事業内容により、対象条件が異なりますが、例えば、製造工場に太陽光発電を導入する場合には「製造業に使用する電気をつくる機械」に該当するため、対象となります。
中小企業経営強化税制の対象業種は次の通りです。

<中小企業経営強化税制の指定事業>

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、採石業、砂利採取業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業にあっては、生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、情報通信業、損害保険代理業、不動産業、駐車場業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)およびサービス業(他に分類されないもの)

なお、次の業種は対象外となりますので、ご注意ください。
電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)

引用元:中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和5年4月1日版)

 

支援内容

即時償却または税額控除のいずれかを適用

  • 資本金3,000万円以下の法人:取得価額の10%の税額控除
  • 資本金3,000万円超1億円以下の法人:取得価額の7%の税額控除

 

中小企業投資促進税制とは

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ここでは、中小企業投資促進税制について、概要をまとめました。中小企業経営強化税制との相違点を理解し、どちらが利用できるかを確認しましょう。

概要

中小企業等が、新品の機械及び装置などを取得した場合、取得した事業年度において、設備導入にかかった費用について取得費用を特別償却(30%)又は税額控除(7%。資本金3,000万円以下の中小企業等に限る。)のいずれかの適用ができる税制優遇制度。2023年3月31日で終了する予定でしたが、適用期限が2025年3月31日まで2年間延長しました。

 

対象

中小企業者等(資本金額1億円以下の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が千人以下の法人農業協同組合、商店街振興組合など)※但し、次の条件にあてはまる法人は対象外ですので、ご注意ください。

① 同一の大規模法人から2分1以上出資を受ける法人
② 2社以上の大規模法人から3分2以上出資を受ける法人
③ 前3事業年度の所得金額平均等が15億円を超える法人

 

対象となる太陽光発電関連設備

  • 自家消費する太陽光発電システム(ただし、取得費用が1台あたり160万円以上であること)
  • 発電所等の全量売電型は対象外。「中小企業経営強化税制」と違い、設備導入に対して工業会等の証明書の取得は不要です。

 

対象業種

事業内容により、対象条件が異なりますが、例えば、製造工場に太陽光発電を導入する場合には「製造業に使用する電気をつくる機械」に該当するため、対象となります。
対象業種は次の通りです

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業については生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業及び沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、通信業、損害保険代理業及びサービス業(映画業以外の娯楽業を除く)、不動産業、物品賃貸業  ※性風俗関連特殊営業に該当するものは除く

支援内容

  • 資本金3,000万円以下の中小企業:30%特別償却又は7%税額控除
  • 資本金3,000万円超1億円以下の中小企業:30%特別償却

参考:中小企業庁webサイト:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2014/tyuusyoukigyoutousisokusinzeisei.htm

 

税額控除と即時償却の違い

税額控除

税額控除とは、導入した設備費用の一定割合に相当する金額が控除される仕組みです。

メリットとしては、最終的な納税額の減額ができることですが、デメリットとしては、利益が出ていない場合は節税効果が薄くなります。また、税額控除は中小企業経営強化税制および中小企業投資促進税制の控除税額の合計で、その事業年度の法人税額の20%が上限となっていることも注意が必要です。
なお、税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越すことができます。

 

即時償却

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即時償却とは、導入した設備費用の全額を初年度の経費として計上する仕組みです。 通常、太陽光発電システムの課税方法は、減価償却が適用されるため、複数年にわたって経費を計上していきますが、即時償却を選択した場合は、初年度に全額を経費計上することで、その年の税金を軽減することが可能となります。

メリットは、初年度に支払う納税額の減額です。他の設備投資を行いたい場合や、早期資金回収したい場合に活用されます。トータルの節税額が大きくなるのは「税額控除」になりますが、設備の取得金額や今後の設備投資計画、該当年度に増収が見込まれる場合などは、該当年度の節税につながる「即時償却」を選択される例も多くあります。各社ご担当の税理士さんにご相談され、最適な選択をされることをおすすめいたします。

 

その他の税制優遇制度

ここでは、「中小企業経営強化税制」と「中小企業投資促進税制」以外の税制優遇制度について簡単にご紹介します。対象企業や要件がありますので、活用できる制度かどうか、一度確認してみることをお勧めいたします。

 

生産性向上や賃上げに資する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置

設備投資に伴う負担軽減のための固定資産税特別措置を行う方針により、新設された制度です。「先端設備導入計画」を市区町村に認定される必要がありますが、認定された計画に基づいて、設備を新規取得した場合、固定資産税が軽減されます。

雇用者の賃上げ表明を行った場合は、最大5年間 固定資産税を3分の1に軽減賃上げ表明を行わない場合でも、3年間2分の1に軽減される仕組みです。

 

カーボンニュートラルに向けた投資促進税制

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カーボンニュートラル投資促進税制とは、産業競争力強化法の計画認定制度に基づき、「大きな脱炭素化効果を持つ製品の生産設備導入」または「生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入」に対して、最大10%の税額控除または50%の特別償却が可能な制度です。

太陽光発電システムの導入に活用できる可能性があるのは、2点目の「生産工程等の脱炭素化と付加価値向上を両立する設備導入」の場合ですが、設備導入前後の「炭素生産性の向上率」が1%未満の場合は税制対象外となります。炭素生産性の向上率については、算定根拠がわかる資料の提出が必須となりますので、準備が必要です。

 

まとめ

ご紹介してきた太陽光発電システムの導入に活用できる税制優遇制度は、制度によって対象期間が異なりますが、2025年3月31日まで期間がある税制優遇制度もあります。また、認定を受ける必要がある制度もありますので、準備から認定まで数カ月かかる場合もあります。太陽光発電システムの導入時にこれらの税制優遇制度を活用検討する場合は、時間に余裕をもって取り組まれることをおすすめいたします。

税制優遇制度を活用して、かしこくお得に太陽光発電システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。京セラでは、企業向けの太陽光発電システムの導入について、様々な導入方法をご提案致します。導入を検討される場合は、お気軽にお問い合わせください。

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