近年、スマートフォンの多機能化、通信端末の多接続、通信インフラの高速処理、自動車の先進化、IoTの普及などによって、電子機器の高機能化が加速しています。
その一方で、電子機器の大きさを変えずに高機能化を実現するためには課題も浮上しています。
それは半導体や電子部品などの電子デバイスの高密度実装によって、電子機器の発熱密度が高くなることや、電子デバイスの高機能化に伴うチップからの発熱量の増加などです。
限られたスペースでいかに効率的に熱を外部に放散するかが、電子デバイス開発の成否を分ける鍵となります。
この鍵を握る材料の一つとして、エレクトロニクスの分野で窒化アルミニウムという材料の注目度が高まっています。
本ページでは一般的な窒化アルミニウムの特長や京セラが提供する窒化アルミニウム基板/パッケージの特長について解説します。
窒化アルミニウムとは(一般的な窒化アルミニウムの特長)
窒化アルミニウム(Aluminum Nitride, AlN)は、アルミニウムと窒素から合成される化合物で、非常に優れた特長を持つセラミック材料の一つです 。 主に以下のような特長があります。
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高熱伝導率セラミック材料の中では特に高い熱伝導率を持ち、金属に匹敵するほどの熱を伝える特性があります。
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電気絶縁性電気をほとんど通さず絶縁体として機能します。
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低い熱膨張係数半導体の主材料であるシリコン(Si)に熱膨張係数が近いため、シリコンチップを直接接合した際、温度変化による基板とシリコンチップ間の熱応力が小さく、剥離や変形が起こりにくいという利点があります。
他にも、機械的強度が高く、耐熱性、発塵しにくい、などの特長があります。
このような特長から、半導体や電子部品などの放熱基板、パッケージとして広く使われています。その他にも半導体製造装置の 部品や治具、放熱グリスや封止材などにフィラーとして使われている例も多くあります。
京セラの窒化アルミニウム基板/パッケージの特長
京セラは窒化アルミニウムの放熱基板、パッケージを半導体や電子部品などに向けて提供しています。
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材料特性
上記でご紹介したように、優れた材料特性を持っています。
・高熱伝導率 (150W/(m・K)以上)
・高強度
・Siに近い熱膨張係数
・低発塵 -
設計の自由度が高い
さまざまな加工技術により、お客様のご要望に合わせた基板やパッケージの製造が可能です。
・積層構造、3次元配線(AN242/AN276)
・薄膜加工
・異材料接合(金属とのロウ付け) -
気密封止が可能
事例紹介
積層構造
以下に窒化アルミニウム基板/パッケージの積層構造事例を示します。

特殊な構造やキャビティ構造、セラミックスに金具を接合したパッケージなどさまざまな構造に対応することができます。
多層基板上への薄膜加工
京セラは単層の窒化アルミニウム基板だけでなく、多層基板上にも薄膜加工を施すことが可能です。
以下では、窒化アルミニウムの多層基板上に薄膜加工を施した構造事例を示します。

積層構造により、内層に配線を引き回すことができるため、内層GNDを形成できるだけでなく、GND層とは別に内層配線を設けることで特性インピーダンス整合が可能です。
また、薄膜加工では、抵抗値のトリミングやAuSn加工が可能です。外形加工については、側面への切削加工にも対応しています。
材料特性表

用途















