LTCC基板/パッケージとは

LTCCとはLow Temperature Co-fired Ceramics(低温同時焼成セラミックス)の略称であり、アルミナとガラスを組み合わせることで、一般的なセラミックス(高温同時焼成セラミック)よりも低温で焼成が可能なセラミック多層基板の材料のことを指します。材料にガラスを混ぜているため、ガラスセラミックスとも呼ばれます。
電気抵抗が小さい銅(Cu)や銀(Ag)を配線導体として使用することで、伝送損失が少なく電気的特性に優れた基板形成が可能となり、先端半導体や高周波デバイスなどに採用されています。
本ページではLTCCの特長や京セラ製LTCC基板/パッケージの特長・材料ラインアップについてご紹介します。
一般的なLTCCの特長
高周波特性
LTCCは電気的に低誘電率、低誘電正接、周波数依存性が低いという特性を持っています。
これらの電気特性と導体抵抗の小さい配線導体を使用することにより、高周波帯において電気的損失を小さくすることができるため、他の基板材料と比較して高周波用途に適した基板と言えます。
電気特性に関する詳細はこちら
有機基板との特性/構造比較
LTCCは有機基板と比較して、耐熱性、耐湿性、屈折強度が高く、キャビティ形成が可能などの特長があります。

京セラ製LTCCの特長
熱特性
実装信頼性を確保するために、ICチップや周辺材料との熱膨張係数のマッチングを考慮する必要があります。
京セラでは熱膨張係数がシリコン(Si)に近い材料とプリント基板(PCB)に近い材料を保有しており、製品用途に合わせてご提案を行っています。
また、熱による変形が少ないこともLTCC基板/パッケージの特長です。

熱膨張係数のマッチングに関する詳細はこちら
京セラ製LTCC基板/パッケージラインアップ
特長のある3つの材料ラインアップから用途に合わせてご提案させていただきます。
一次実装後の信頼性を確保するためにパッケージ材料と素子との熱膨張係数の差を小さくする必要があります。
GL570はシリコン(Si)に近い熱膨張係数を有しており、一次実装の信頼性を重視する際に適した基板材料です。
電気配線の複雑化や端子数の増大に伴うパッケージの大型化により、二次実装後の信頼性を確保するためにパッケージ材料とプリント基板(PCB)との熱膨張係数の差を小さくする必要があります。
GL773はプリント基板(PCB)に近い熱膨張係数を有しており、二次実装の信頼性を重視する際に適した基板材料です。キャビティの形成も可能であり、ワイヤボンディングのワイヤー長を短くできるため、低インダクタンス化にも寄与します。

熱膨張係数のマッチングについての詳細はこちら
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GL580(高熱膨張セラミック材料)
基板内部にキャパシタやバランなどの素子機能を内蔵することができ、モジュールの小型化などの提案を行っています。薄層対応が可能で基板厚みの薄型化にも寄与します。


パッケージの小型化の提案についてはこちら
特性表
京セラが提供しているLTCC基板/パッケージの材料特性は以下のとおりです。

LTCCの用途
LTCC基板/パッケージは以下のような高周波デバイスや先端半導体、RFIDタグといった用途に採用されています。