電気代の内訳とは?明細の見方や節約方法のご紹介!

電気代が高騰し、節約を意識する方も増えています。一方、電気代がどのような構成になっているのか、内訳まで知っている方は少ないのではないでしょうか。
この記事では、電気代の内訳と節約方法について解説します。効果的な節電方法もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
電気代の構成要素と明細の見方

- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 電力自由化で小売事業者はさまざまですが、基本的にはどの小売事業者と契約していても、この構成要素で電気代は決められています。
基本料金
基本料金は、電力会社(小売事業者)との契約容量で決まる要素です。電気の使用料に関わらず、1か月間で決まった額となります。(電気使用量がゼロの場合は、基本料金が減額となる場合もあります。)
基本料金の決まり方には「アンペア制」と「最低料金制」の2種類があり、それぞれの特徴は次のとおりです。
アンペア制
契約アンペア数に応じて、基本料金単価が設定されています。 契約アンペア数が増えれば、それだけ基本料金も増える方式です。
最低料金制
契約ごとに最低料金が設定されています。 最低料金で定められた使用電力量を超えた分が、電力量料金として請求される方式です。
電力量料金
電力量料金は、使用電力量に応じて決まる要素です。電気を使えば使うほど増える、従量課金ともいえます。電力量料金は電力会社が設けているプランによって異なり、時間帯や季節、使用量によって変動する場合も多いです。
たとえば東北電力の「よりそう+ファミリーバリュー」というプランでは、「最初の400kWhまで(34円16銭/1kWh)」と「400kWh超(39円11銭/1kWh)」のように、1kWhあたりの電力量料金が異なります。季節や時間帯によっては変わりません。
一方、中部電力の「スマートライフプラン」では、「デイタイム(38円95銭/1kWh)」「@ホームタイム(28円76銭/1kWh)」「ナイトタイム(16円63銭/1kWh)」と、時間帯によって電力量料金が異なります。 このように、電力会社によって特色があるのが、電力量料金の特徴です。
【参照】
東北電力株式会社(https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/plan/home/yorisou_family/)
中部電力ミライズ株式会社(https://miraiz.chuden.co.jp/home/electric/menu/pricelist/basic/)
●電気料金プランの最新情報は各電力会社のHPをご確認ください。
燃料費調整額
原油価格や液化天然ガス価格によって変動する部分が、燃料費調整額です。 貿易統計における燃料価格の変動によって計算され、2ヶ月先の燃料調整単価が毎月月末ころに発表されます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金

電力会社が「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT・FIP制度)」によって支出した費用が反映される部分が、再生可能エネルギー発電促進賦課金です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は経済産業大臣によって決められ、毎年度(5月~翌年4月)の電気料金に適用されます。
電気料金の計算方法とプランの選び方
電気代の構成要素には、「基本料金」「電力量料金」などの種類があることが分かりました。 電気料金を計算式で表すと、次のようになります。
そして、電力量料金は、次の式で表されます。
ここからは、電気料金の具体的な計算方法と、自身にあったプランの選び方について解説します。
アンペア制の電力会社の計算方法
基本料金を「アンペア制」で契約している場合、アンペア数に応じて電気料金が変動します。
契約アンペア | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
基本料金(円/月) | 295.24 | 442.86 | 590.48 | 885.72 | 1,180.96 | 1,476.20 | 1,771.44 |
契約アンペアによる基本料金例:東京電力エナジーパートナー株式会社
(https://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere2/ampere02.html)

契約アンペアは、同時に使用できる電気量を表すことをご存知でしょうか。契約アンペア数が大きければ大きいほど、同時に使える電気量も増えます。反対に、契約アンペア数が小さいと、使用電力量が大きい家電製品である電子レンジとドライヤーなどを同時に使った場合にブレーカーが落ちてしまうこともあります。
●電気料金プランの最新情報は各電力会社のHPをご確認ください。
最低料金制の電力会社の計算方法
最低料金制の電力会社の場合、契約アンペア数は基本料金に影響しません。たとえば関西電力の場合、最低料金は1契約433.41円とされています(最初の15kWhまで)。
そして、15kWhを超えた分の電気料金は次のとおりです。
最低料金(最初の15kWhまで) | 1契約(円/月) | 433.41 |
15kWhをこえ120kWhまで | 第1段階(円/月)1kWhあたり | 20.31 |
120kWhをこえ300kWhまで | 第2段階(円/月)1kWhあたり | 25.71 |
300kWh超過分 | 第3段階(円/月)1kWhあたり | 28.70 |
最低料金制の電気料金例:関西電力株式会社(従量電灯Aの場合)(https://kepco.jp/ryokin/unitprice/) |
●電気料金プランの最新情報は各電力会社のHPをご確認ください。
料金プランの比較
アンペア制と最低料金制については、それぞれ電力会社ごとに設定されているため、任意のプランを選ぶことはできません(東京電力・北陸電力などはアンペア制、関西電力・中国電力などは最低料金制となっています) 。アンペア制も最低料金制も、電気を使った分だけ電気料金が請求されることに変わりありません。
また、最近では電力量に応じて電力量料金の単価が異なる「三段階料金」システムや、夜間の電気料金が安くなるプランなど、電力会社ごとにさまざまな料金体系が用意されています。 お住いの地域を管轄する電力会社のプランに合わせて、どの料金体系が最もオトクになるのかシミュレーションしてみると良いでしょう。
家庭での消費電力の内訳と割合
いざ節電を心がけようと考えた際、まずは何から始めたらいいのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。 ここからは効率的に節電するために、家庭での消費電力の内訳と割合について紹介します。
各家電が占める割合
全国地球温暖化防止活動推進センターの調査によると、家庭における消費電力量に占める代表的な家電の割合は次の表のとおりです。
電化製品 | 家庭の消費電力に占める割合 |
エアコン | 14.7% |
冷蔵庫 | 14.3% |
照明 | 13.5% |
テレビ | 9.4% |
パソコン | 3.9% |
電気コンロ | 1.9% |
電気炊飯器 | 1.7% |
電子レンジ | 1.3% |
全国地球温暖化防止活動推進センター(https://www.jccca.org/download/12981) |
エアコンや冷蔵庫・照明は、使用時間が長い分、消費電力が多くなっていることが分かります。テレビやパソコンの電力消費量は、思ったよりも多いと感じる方が多いのではないでしょうか。
一方、電気を使いそうな電気コンロや電気炊飯器は、使用時間が短い分、消費電力に占める割合としては少なくなっています。
季節ごとの消費電力
消費電力は季節によっても変化します。近年は夏場の暑さが厳しさを増していることから、夏期の日中、特に午後2時頃の電力消費量が大きく増えることが多いです。
一方、比較的過ごしやすい4月や10月など春先・秋口の消費電力は低水準と言われています。
世帯人数別の電気代
世帯人数が変わると、電気代はどうなるのでしょうか。
世帯数 | 電気代(月額) |
単身 | 9,340円 |
二人以上の世帯 | 13,617円 |
出典:政府統計ポータルサイト |
月額で見ると、単身より二人以上の世帯の電気代が大きく高いことが分かります。人数が増えれば増えるほど、冷暖房や照明を使用する部屋数も増えるため、電気代も右肩上がりで上昇することが一般的です。
地域別の消費電力内訳

地域・都道府県によっても、消費電力の内訳は異なります。 たとえば北海道では冷房の占める割合は少ないですが、暖房器具の消費電力は多いです。東京圏や関西圏では、涼しい地域と比べると冷房が占める割合が多くなります。
地域によって電力消費の傾向は異なるため、それぞれの環境に合わせた節電を心がけることが重要です。 たとえば暑い地域にも関わらず冷房を我慢すると、熱中症になる危険もあります。気候に合わせて、無理せず節電しましょう。
電気代を節約する方法

- 電力会社の見直し
- 契約アンペアやプランの見直し
- 家電の選び方と使い方
- 省エネ家電への買い替え
- 待機電力の抑制
- 太陽光発電の導入
- すべて取り組むのが難しい場合でも、まずはどれか1つからでも始めてみてください。
電力会社の見直し
電力小売事業者を見直すことで、電気料金を削減できる可能性があります。電力小売りの自由化により、色々な企業がさまざまな料金プランを提供していることをご存知でしょうか。
現状の電力会社の料金プランが高い・自分のライフスタイルに合わない場合は、他の小売会社に切り替えることで割引料金や特典を受けられるかもしれません。
契約アンペアやプランの見直し
電気契約のアンペアやプランを見直すことも重要です。各家庭の需要に合わせて契約アンペアを調整すれば、無駄な基本料金を抑えられます。
また、時間帯別料金プランや夜間割引プランを検討し、食洗器は夜中に稼働させるなどの工夫によって電気代を節約しましょう。
家電の選び方と使い方
エネルギー効率の高い家電を選び、適切に使うことも、電気代節約につながります。 不要な機能をオフにしたり、外出時は主電源をオフにするなど、使い方にも気を付けましょう。
省エネ家電への買い替え
古い家電製品を、省エネルギーの新しいモデルに買い替えることで、電気代を大幅に削減できるかもしれません。
冷蔵庫、エアコン、照明器具など、特にエネルギーを多く消費する家電を対象に買い替えを検討してみてください。この場合は買い替え費用が必要ですが、長期的には節約につながります。
待機電力の抑制
家電製品がスタンバイモードのような状態になっていると、知らず知らずのうちに電力を消費していることがあります。待機電力を抑制するためにも、不要な電化製品のコンセントを抜いたり、電子機器を完全にオフにしたりすることで、電気代を削減できるかもしれません。
また、タイマー機能を使用して、電源を自動で切るよう設定することもおすすめです。
太陽光発電の導入

より積極的な節電の取り組みとしては、太陽光発電の導入が挙げられます。 太陽光パネルを屋根に設置し、自家発電すれば、電気代の削減につながります。太陽光パネルは電気代の節約だけではなく、環境にも優しいことがポイントです。
太陽光発電の導入には自治体から補助金が出る場合もあります。お住まいの自治体のホームページを確認し、補助事業がないかご確認ください。
また、初期費用ゼロで太陽光発電システムや蓄電システムを導入できる定額サービスもあります。関心がある方は、ぜひ京セラのエネルギーシステム定額サービス HOUSmile_e(ハウスマイルe)をチェックしてみてください。

電気代の内訳を理解し、効果的な節電方法を実践!
一口に電気代といっても、その内訳は次のようになっています。
この中で、ご自身の努力で削減できる部分は「基本料金」と「使用電力量」の2点です。

基本料金はプランが選べる場合があるので、最低限のアンペア数で契約するなど工夫してみてください。 使用電力量については、照明や空調機器など使用時間が長い電化製品から見直すことがオススメです。
電気代の内訳を理解し、効果的な節電方法を実践していきましょう。
(更新日:2024年11月8日)
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