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【地域別】太陽光発電設置の義務化はいつから?
対象エリアや補助金の紹介 

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東京都では、新築住宅への太陽光発電システムの設置を2025年4月から義務化する制度が創設され、大きな話題となりました。今後は東京都に続いて、全国の自治体でも太陽光発電システムの義務化が広まると考えられています。太陽光発電の導入が義務付けられたら、お住まいの自治体ではどのような対応がなされるのでしょうか。本記事では、太陽光発電システムが義務化される時期や対象エリア、地域の補助金制度などをご紹介します。これから住宅の取得を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。

【関連記事リンク】

太陽光発電システムの仕組み

メーカー目線の太陽光発電システムのメリット・デメリット

 

【目次】

太陽光発電設置の義務化が進む背景

なぜ住宅への太陽光発電システムの設置を義務化する必要があるのでしょうか。まずは、太陽光パネル設置義務化の理由を解説します。

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「再生可能エネルギー」の一つである太陽光は、温室効果ガスを排出せずに電力を生み出せることから、地球温暖化対策に貢献すると考えられています。再生可能エネルギーは、従来の化石燃料とは別のエネルギー源であり、自然界に存在する太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどを利用して発電するのが大きな特徴です。化石燃料を燃やして発電する火力発電とは異なり、発電の際に温室効果ガスを排出しません。さらには、枯渇せず永続的に利用できることから、クリーンなエネルギー源として注目されているのです。

地球温暖化をはじめとした気候変動はグローバルな課題となっています。地球全体の平均気温は上昇傾向にあり、世界各国で海面の上昇や異常気象などが発生しています。その原因となっているのが、二酸化炭素(CO₂)をはじめとした温室効果ガスの増加です。人類の活動により大気中に多くの温室効果ガスが放出されたり、森林破壊が進んだりする影響から、地球温暖化が進行しています。こうした地球規模の課題に対して、日本でも脱炭素化の動きが始まっています。その一つが、再生可能エネルギーの普及促進です。国内では将来的に再生可能エネルギーを主力電源としていくために、制度の整備が進められています。制度の主な例として、再生可能エネルギーで発電した電力を一定の価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT制度)」が挙げられるでしょう。

日本は大規模な太陽光発電システムを建設するための適地が少ないことと、高い割合を占める家庭からのCO₂排出量を削減するため、住宅への太陽光発電導入や省エネの取り組みがますます重要になっており、太陽光発電設置義務化を進める要因となっています。今後は東京都の太陽光発電システムの設置義務化に続いて、全国の自治体にも義務化の動きが広まっていくと予想されています。

 

太陽光発電設置のメリットとデメリット

個人住宅への太陽光発電設置が義務化されると、消費者側と施工業者側であるハウスメーカーや工務店にはどんな影響があるのでしょうか。ここでは、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

太陽光発電設置のメリット

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消費者のメリット

住宅用太陽光発電を導入すると、消費者は自宅での自家発電が可能となります。電気料金の節約など経済的メリットが期待できるでしょう。自家発電した電力は、自家消費する以外に売電する選択肢もあり、収益をあげることも可能です。さらに、太陽光発電と併せて蓄電池を導入すれば、災害時や停電時、夜間でも発電した電気を使えるようになります。近年は、設備の初期費用を負担せず月額定額料金のみで導入する方法もあります。

自家消費型の太陽光発電とは?仕組みや導入メリット、注意点

 

ハウスメーカーや工務店のメリット

住宅を販売するハウスメーカーや工務店は、太陽光発電のメリットを生かして、消費者へのアピールが可能となります。家庭用の太陽光発電は、住まいの節電や省エネなどの経済的な効果をもたらします。屋根に太陽光パネルを設置することで、遮熱効果が得られるという副次的なメリットもアピールにつながるでしょう。また、多くの自治体で住宅の購入者へ向けた補助金制度が用意されているため、初期費用の負担軽減のために案内することもできます。

 

太陽光発電設置のデメリット

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消費者のデメリット

太陽光発電システムを導入すると、消費者が住宅を取得する際の支払総額が高くなります。また、設備を維持管理するには定期的なメンテナンスが必要です。また、売電する場合に所得が20万円を超えると確定申告の義務が生じます。

 

ハウスメーカーや工務店のデメリット

太陽光発電システムの設置が義務化されると、ハウスメーカーや工務店には、施主への説明負担が生じます。その際は、太陽光発電のメリットに加えて、デメリットや注意点まで詳しく説明しなければなりません。例えば、発電量が天候や温度に左右される点や、太陽光パネルの設置条件なども、消費者に伝える必要があるでしょう。トラブルを防ぐために、太陽光発電設置に関する内容をしっかりと説明をする必要があります。

 

太陽光発電設置の義務化の時期と対象者

太陽光発電設置の義務化に関する制度は、2023年6月現在、東京都・神奈川県川崎市で創設されています。各自治体ではいつから義務化が始まり、どのようなケースが対象者となるのでしょうか。2つの自治体の制度についてご紹介します。

東京都

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東京都では、新築住宅への太陽光発電設置のほか、断熱・省エネ性能の確保を義務付ける制度が創設されます。対象となるのはハウスメーカーや工務店などが供給する新築住宅で、義務化が始まるのは2025年4月からです。既存の住宅は義務化の対象外で、屋根の面積が小さい建物や北向きの建物など、太陽光発電に適さない場合も設置が不要となる可能性があります。

東京都が太陽光発電設置の義務化に取り組む背景として、「2030年カーボンハーフ」が挙げられます。こちらは、2030年までに温室効果ガスの排出量を2000年比で50%削減するという公約です。東京都では、CO₂排出量の70%以上が建築物から排出されており、なかでも家庭は29.3%と高い割合を占めています。太陽光発電の導入をはじめとした家庭での省エネが、「2030年カーボンハーフ」実現の鍵になると期待されているのです。

東京都では太陽光発電システムの購入・設置費用を補助する制度が複数用意されています。例えば「東京ゼロエミ住宅」や「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」などです。

【出典】東京都「環境先進都市・東京に向けて」

 

 東京ゼロエミ住宅 

概要
「東京ゼロエミ住宅」を新築した建築主を対象に、費用の一部を助成する。
対象住宅のほか、対象住宅に設置する太陽光発電システム・蓄電システムなども助成の対象となる。
  • 断熱性能や省エネ性能が都独自の水準を満たした、高性能な住宅のこと。
助成金額

対象住宅への助成
20万~210万円/戸

対象住宅に設置する太陽光発電システムへの助成
<3.6kW以下>
・オール電化住宅の場合は13万円/kW(上限39万円)
・オール電化住宅ではない場合は12万円/kW(上限36万円)

<3.6kW超50kW未満>
・オール電化住宅の場合は11万円/kW(50kW以上は対象外)
・オール電化ではない場合は10万円/kW(50kW以上は対象外)

●小型であるなどの東京の地域特性に対応した機能を有する製品(機能性PV)を対象に、1kWあたり5万円(又は2万円)を加算
●陸屋根形状のマンション等に架台を用いて設置する場合は、架台の設置経費を対象に、1kWあたり20万円を上限として加算


対象住宅に設置する蓄電システムへの助成
<4kW以下の太陽光発電設備と共に設置または蓄電池を単独で設置する場合>
機器費・材料費および工事費の3/4(上限15万円/kWhかつ120万円/戸)

<4kW超の太陽光発電設備と共に設置する場合>
機器費・材料費および工事費の3/4(上限15万円/kWhかつ太陽光発電出力×30万円)

●ただし、蓄電池システムの機器費が蓄電容量 1kWhあたり20万円以下であること
●蓄電池の蓄電容量の合計が6.34kWh未満の場合、上限額を19万円/kWhかつ95万円/戸とする。

【参考】東京都環境局「東京ゼロエミ住宅 助成制度」
●抜粋して記載しておりますので、検討の際は受付期間や条件の詳細を自治体の窓口にお問い合わせください。

 

 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業  

概要
断熱・太陽光発電設置住宅の普及促進が目的。
高断熱窓・ドアへの改修のほか、太陽光発電システム・蓄電システムなどの設置費用を補助する。
助成金額

蓄電システム
補助率3/4

<太陽光4kW以上と蓄電池設置の場合>
一住戸あたり次のうち、いずれか小さい額(最大1,500万円)
①蓄電池容量:15万円/kWh
②太陽光発電設備容量:30万円/kW

<太陽光4kW未満と蓄電池を共に設置または蓄電池のみ設置の場合>
15万円/kWh (最大120万円/戸)

  • 5kWh未満の場合は19万円/kWh、5kWh以上6.34kWh未満の場合は一律95万円

太陽光発電システム
<新築住宅>
3kW以下は12万円/kW(上限36万円)、3kW超は10万円/kW(50kW未満)、
ただし3kWを超え3.6kW未満の場合は一律36万円

<既存住宅>
3kW以下は15万円/kW(上限45万円)、3kW超は12万円/kW(50kW未満)、
ただし3kWを超え3.75kW未満の場合は一律45万円

<パワーコンディショナ更新>
補助率1/2(10万円/台)

【参考】東京都環境局「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
●抜粋して記載しておりますので、検討の際は受付期間や条件の詳細を自治体の窓口にお問い合わせください。

 

神奈川県川崎市

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神奈川県川崎市では、建築物への太陽光発電設置に関して新たな制度が創設されます。延べ床面積2,000平方メートル未満の建物を新築する事業者が対象となる「特定建築事業者太陽光発電設備導入制度」では、該当するハウスメーカーや工務店に太陽光発電システムの設置が義務付けられます。制度の開始時期は2025年4月です。ただし、建築主が希望しない場合や、建物への設置が難しい場合は、義務化の対象外となる可能性があります。また、事業者にはノルマが課される予定ですが、罰則などは想定されていません。

川崎市では、住宅への太陽光発電システムやHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の導入を補助する「スマートハウス補助金」の制度が用意されています。

 スマートハウス補助金  

概要
地球温暖化対策の推進と子育て世帯の住宅取得支援が目的。

市内の個人住宅に太陽光発電システムや省エネ設備を新規で導入する際の本体購入費用や工事費用の補助をする。
助成金額

太陽光発電システム
出力1kWあたり2万円(上限10万円)

定置用リチウムイオン蓄電システム
容量1kWhあたり1万円(上限10万円)

パワーコンディショナメンテナンス(修理・交換など)
5万円

【参考】川崎市「スマートハウス補助金」(個人住宅)」
●抜粋して記載しておりますので、検討の際は受付期間や条件の詳細を自治体の窓口にお問い合わせください。

 

初期費用0円ソーラーの活用

初期費用太陽光発電設置義務化を後押しするサービスとして、太陽光発電システム導入時に初期費用がかからない、初期費用0円ソーラーというサービスがあることをご存知でしょうか。太陽光発電の設置を進める際に、初期費用がネックになっている場合に利用できるサービスとして注目されています。関連記事や、京セラのサービスをご紹介しますので、0円ソーラーに興味がある方はぜひチェックしてみてください。

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京セラが提供する住宅用の初期費用0円ソーラー「ハウスマイルe」では、初期費用・メンテナンス費用0円でご家庭に太陽光発電システム・蓄電池を導入できます。月額費用として「サービス料」を支払うことで、発電した電力は無料で自家消費できることが特徴です。なお、発電して余った電力(余剰電力)については、サービス事業者が利用します。

0円ソーラーとは|太陽光発電と蓄電池の定額サービス!補助金情報もご紹介!

太陽光発電の導入方法を徹底解説!各導入方法のメリットと注意点もご紹介!

太陽光発電の設置費用はいくら?費用を抑える方法や投資回収もご紹介

 

太陽光発電設置の義務化が全国へ広まる可能性も!

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ここまで太陽光発電設置の義務化に関してお伝えしました。2023年6月現在では、東京都と神奈川県川崎市で義務化へ向けた制度が創設されていますが、今後は義務化が全国へ広まる可能性も考えられています。住宅の取得を検討される方は、太陽光発電の導入で得られるメリット・デメリットを押さえて、情報収集などの準備を進めておくことをおすすめします。
ご不明な点がございましたら、太陽光発電業界のパイオニアとして、数々の太陽光発電システム・蓄電システムの導入実績のある京セラまでお気軽にお問い合わせください。

(更新日:2024年3月22日)

 

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