環境経営とは?環境経営の概要やメリット・注意点を解説!
環境経営という言葉をご存知でしょうか。最近ではCSRやSDGsの観点から、環境経営を意識する企業も増えてきました。 この記事では、環境経営の概要やメリットや注意点、日本企業における実例について紹介します。環境経営について理解したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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【目次】
・環境経営のメリットと注意点
・環境経営を実践する手法
・環境認証制度と環境マネジメントシステム
・環境経営の取り組み事例
・環境経営と今後の展望
・環境経営を理解して取り組みをスタート!
環境経営の概要と意義
まずは環境経営の定義や意義、企業として環境経営に取り組む重要性について解説します。
環境経営の定義と背景
環境経営(環境配慮経営)とは、その名のとおり「地球環境に配慮した経営」のことを指します。ただ環境を意識するだけではなく、環境問題に取り組みながら企業価値も向上させることがポイントです。
世界的に環境問題が顕在化する中、企業が社会に果たす責任の1つとして、環境経営が注目されています。
企業における環境経営の意義
企業が環境経営に取り組む意義としては、環境に配慮して事業活動に伴う資源・エネルギー消費も抑えることで、コスト削減にもつながることが挙げられます。
グリーン調達や環境に配慮した製品・サービスを提供することで、サステナブルな消費・生産活動を促進できることも重要な意義です。
社会的責任と環境保全の重要性
昨今では、企業の社会的責任(CSR)も注目されています。CSRの観点からも、環境保全を意識した取り組みは重要です。環境経営を実行すれば、それだけ持続可能な社会の構築に貢献できますから、CSRを果たしているといえるでしょう。
環境経営のメリットと注意点
環境経営を行うと、企業にはどのような影響があるのでしょうか。ここからは、環境経営のメリットとデメリットについて解説します。
環境経営がもたらすメリット
環境経営には3つのメリットが存在します。
① 企業イメージの向上
CSRや環境問題が注目されている現代社会においては、環境経営を行っているという事実が企業イメージの向上につながるでしょう。環境経営はブランディングにも効果的です。
② ビジネスチャンスの拡大
環境経営はビジネスチャンスの拡大にも貢献します。 環境に配慮した製品・サービス市場は拡大しており、消費者も環境への問題意識を高めています。消費者に選ばれる企業になるために、環境経営は必須要素となるかもしれません。
また、環境経営を行うということはそれだけ事業活動を効率化しなければなりませんから、収益性の改善効果も期待できるでしょう。
③ 投資家の評価向上
企業イメージが向上し、ビジネスチャンスが拡大すれば、それだけ投資家からの評価もプラスに転じます。
最近では環境に配慮した企業に限って投資するファンドもありますから、投資対象となるためにも環境経営を始めてみてはいかがでしょうか。
環境経営の注意点
環境経営には多くのメリットがありますが、少なからずデメリットも存在します。本格的に環境経営に取り組む場合は、あらかじめ注意すべき点についても知っておきましょう。
① 従業員の理解
環境経営を行うことで、従業員の負担が増える可能性もあります。従来のやり方を変更する必要も出てくるでしょうから、社内での反発もあるかもしれません。環境経営の重要性を伝えつつ、従業員の理解を得て協力してもらいましょう。
② コスト増加
環境経営で業務・エネルギー消費を効率化すればコスト削減になりますが、その一方で環境に配慮した製品・サービスを開発する過程でコストが増える可能性もあります。
環境経営も重要ですが、企業として利益も追求しなければならない場面もあるでしょう。あまりにコストが増加しすぎないよう、環境経営の実践は慎重に進める必要があります。
環境経営を実践する手法
環境経営を実践する手法としては、次のステップを意識してみてください。- 持続可能な経営戦略の構築
- ステークホルダーとのコミュニケーション
- 経営環境分析ステップ
- それぞれ具体的に解説します。
持続可能な経営戦略の構築
まずは持続可能な経営戦略を構築します。 かつては焼畑商業のような、短期的な利益を追及するビジネスモデルも存在しました。しかし、昨今では環境はもちろん、地域社会やステークホルダーとの関係を保持したサステナブルなビジネスモデルが求められています。
たとえば石油など天然資源への依存から脱却するために、企業全体として再生可能エネルギーへ転換するプランなどがあります。再生可能エネルギーである太陽光発電設備を自己所有で導入するほか、初期費用0円で工場の屋根にオンサイトPPAを利用し、再生可能エネルギーへの転換とともに電気代削減を目指してもいいでしょう。
ステークホルダーとのコミュニケーション
経営者が率先して環境経営に取り組むことは重要ですが、ステークホルダーとのコミュニケーションを疎かにしてはいけません。顧客や従業員、株主など、それぞれの立場の希望や期待を把握し、環境経営に対する納得感を醸成することも重要です。
経営環境分析ステップ
環境経営を開始するにあたり、経営環境を分析することも必要になります。 たとえば「PEST分析」などのフレームワークを使い、自社を取り巻く環境を客観的に分析してみてください。 「PEST分析」とは政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字をとったものです。
経営環境を正しく分析し、自社が実践すべき環境経営の取り組みを考えてみましょう。
環境認証制度と環境マネジメントシステム
環境経営に付随して、環境認証制度と環境マネジメントシステムについても知っておくと良いでしょう。
環境認証制度とは、企業が自主的に行っている環境配慮について、第三者機関が認定する制度のことです。第三者からの認証を受けることで、対外的なアピールに使える客観的な証として利用できます。
環境マネジメントシステム、通称「EMS(Environmental Management System)」は、企業が行う環境保全活動の取り組みそのものです。
【参考】環境省「環境マネジメントシステム」
ISO14001認証
ISO14001認証とは、ISO(国際標準化機構)が1996年に定めた「環境マネジメントシステムの仕様」のことです。
ISO14001認証では環境マネジメントシステムの要求事項を規定しており、PDCAに基づいてEMSのレベルを上げていくことを目指しています。
【参考】環境省「ISO14001」
エコアクション21認証
エコアクション21認証は環境省が制定した、中小事業者も含めた幅広い事業者に環境マネジメントシステムを普及させるための制度です。
エコアクション21に取り組むことで、中小事業者でも積極的に環境活動を行えます。
【参考】環境省「エコアクション21」
認証取得のメリットと事業活動への影響
環境マネジメントシステムである「ISO14001認証」や「エコアクション21認証」を取得することで、対外的に環境経営を示すことができます。
企業のイメージアップにつながることは、大きなメリットといえるでしょう。また、環境への配慮を意識している消費者にとっては、製品・サービスを選ぶ際の判断要素にもなります。
環境経営の取り組み事例
ここからは、環境経営の取り組み事例について解説します。
日本企業の環境経営
日本企業で環境経営を行っていると聞くと、どの事例を思い浮かべるでしょうか。
たとえばサステナビリティの観点から、製品ライフサイクル全体で資源生産性を追及している企業があります。
そのような企業では2050年の「二酸化炭素排出量のネットゼロ」を目標に掲げていることが多く、省エネルギー化や資源循環の高度化を進めていることが特徴です。
また、「必要なときに必要な分だけ」生産できる技術を広げている企業もあります。過剰生産を防ぎ、環境への負荷を減らすことが目的です。
このような環境経営を行う企業は、都道府県のSDGs推進企業に登録されるなど、地方自治体の認証制度も活用しています。
中小企業の環境経営
中小企業の環境経営は前述の環境省が策定している「エコアクション21」を通じて普及しようと取り組んでいます。中小企業は大企業と比べるとリソースに制約がありますが、それぞれの企業ができる範囲で環境経営を進めていくことも可能です。
エコアクション21には業種別ガイドラインが設けられているので、まずは自社の置かれた状況をチェックすることから始めてみてください。ガイドラインは環境省のホームページ「エコアクション21」に掲載しております。
【参考】環境省「エコアクション21」
京セラグループの事例紹介
環境経営への取り組み事例として、京セラグループの事例も紹介します。
創業以来培ってきた要素技術を「アメーバ経営」で結集しつつ、社会と京セラグループの双方が持続的に発展できるよう、サステナビリティ方針を掲げています。
たとえば水リスクへの対応として貴重な資源である水の「取水・排水」を管理し、生産拠点では水ストレス評価結果を用いて定量的に評価しています。
資源循環の取り組みとしては環境負荷の少ない資源を調達しており、資源投入量や廃棄物排出量は最小限に抑えていることが特徴です。
また、太陽光発電システムを開発するメーカーとして、再生可能エネルギーの導入拡大にも力を入れています。高性能な太陽光発電パネルを供給することはもちろんですが、初期費用ゼロ円で太陽光発電を導入できるサービス「京セラPPA」など、環境経営を目指す他企業の取り組みに寄与していることも京セラならではの強みです。
環境経営と今後の展望
最後に、環境経営の今後の展望について紹介します。ESG投資やSDGsも含め、今後より一層注目されることが予想されます。
環境経営とESG投資
ESG投資という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ESGとは次の3つの要素を合わせた略語です。
- E:環境(Environment)
- S:社会(Social)
- G:ガバナンス(Governance)
企業が長期的に、すなわち持続的に成長するためには、この3つの要素が重要だと言われています。 この観点から、ESGを重視した「ESG投資」を行うファンドが増えています。ESGのうち、E(Environment) については環境経営とも密接に関連しているといえるでしょう。
環境経営とSDGs
SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択され、17のゴール・169のターゲットから構成されています。
企業の経済活動においても、企業ブランドの向上やCSRの観点から、SDGsを意識することが求められています。SDGsの精神は「持続可能」であることから、環境経営との相性はぴったりです。
環境経営を理解して取り組みをスタート!
環境経営は企業が社会の一員として責任を果たすためにも、極めて重要な考え方であることをお分かりいただけたでしょうか。
環境経営の取り組みの1つとして、再生可能エネルギーの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
京セラの産業用オンサイトPPA「京セラPPA」を利用すれば、初期費用をかけずに太陽光発電設備を導入できます。 また、太陽光発電の設置が難しい場合は、京セラの「再エネ電力供給ビジネス」をご利用いただくことも可能です。 「再エネ電力供給ビジネス」とは、新たに再エネを利用する企業や、さらに再エネ比率を高めたい企業へ、京セラが調達した再エネ電力と環境価値をお届け(販売)するサービスです。
再生可能エネルギーの活用を検討される場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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