待機電力(待機時消費電力)とは?
定義や測定方法・節約方法をご紹介!【住宅・法人】

待機電力(待機時消費電力)とは何かご存知ですか?
待機電力とは、電化製品がオフになっているにも関わらず消費される電力のことです。毎日何気なく使っている電化製品が、使っていない時でも電力を消費していることに驚くかもしれません。
本記事では、待機電力とは何か、具体的な発生源、測定方法、そして削減方法について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
【関連記事リンク】
電気代の内訳とは?明細の見方や節約方法のご紹介!
法人の電気代の内訳とは?計算式や電気代を抑える方法を解説!
ボルト(V)・アンペア(A)・オーム(Ω)・ワット(W)とは?電気の単位とその意味を解説!
太陽光発電の仕組みを図解でかんたん解説!特徴や基礎知識もご紹介!
【目次】
・待機電力の発生源
・待機電力の影響
・待機電力の測定方法
・待機電力を削減する方法
・待機電力を削減するメリット
・待機電力を削減するデメリット
・待機電力に関するよくある質問
・待機電力を理解して電気代を節約!!
待機電力とは
待機電力とは、電化製品がスイッチオフ状態や待機モードであっても消費する電力のことです。
多くの電化製品は、電源プラグがコンセントに接続されている限り、電源を完全に切っていてもリモコン受信機やタイマー機能、インジケーターライトなどによって内部で少量の電力を消費し続けるのが一般的で、その際に消費する電力を待機電力と言います。
待機電力の発生源
続いて、住宅の場合と法人の場合の待機電力の発生源をそれぞれ説明します。
待機電力が発生する家庭用の電化製品【住宅】

家庭用の電化製品には、テレビ、パソコン、固定電話、充電器、電子レンジ、エアコン、炊飯器、洗濯機など様々な製品があり、その多くの電化製品は、待機状態でも電力を消費します。これはリモコン操作やタイマー機能、常時接続が必要な機能があるためです。
家庭用の電化製品の待機電力は、各機器の種類や機能によって異なりますが、一般的には少なくとも数ワットから数十ワットとされています。家庭内では、さまざまなデバイスが常に電力を消費し続けており、その合計は年間に無視できない量の電力消費となるのです。
待機電力が発生するオフィス機器【法人】

オフィスでも待機電力が発生しています。多くのオフィス機器が常時電源に接続されており、使っていない間でも電力を消費しているからです。
例えば、パソコンはオフにしても完全に電源を切らない限り電力を消費し続けます。また、プリンターなどのオフィス機器も同様に、待機モード中でもエネルギーを消費します。
さらに、FAX機や電話機、Wi-Fiルーターなども日常的に待機電力が発生する原因となります。これらの機器は、常にネットワークに接続されているため、一定の電力を消費し続けるのが普通です。特にオフィスが大規模であれば、待機電力の積み重ねが大きなエネルギーコストに繋がる可能性があります。
待機電力の影響

ここでは、待機電力が私たちの日常生活や環境に、どのような影響を及ぼすか詳しく解説します。
環境への影響
待機電力は無駄なエネルギー消費を引き起こし、その結果、発電所が余計な石炭や天然ガスなどの化石燃料を燃やすことになり、CO₂(二酸化炭素)を排出します。待機電力を削減することで、地球温暖化の進行を遅らせ、環境保護に貢献できます。
経済的な影響
待機電力の経済的な影響も無視できません。電化製品やオフィス機器が使用されていない時でも、コンセントに接続されていると待機電力が発生します。これらの待機電力が積み重なると、電気代に予想以上の無駄な負担がかかることがあります。 待機電力が経済的な負担となる理由は、その積み重ねによる総消費電力の増加です。
例えば住宅の場合、一世帯あたりの待機電力消費量は、それだけで家庭全体の消費電力の約5%にも及ぶとされています。日常的に意識しないまま、テレビのスタンドバイ状態や、携帯電話の充電器を接続したままにしていると、これが経済的な負担となってしまいます。
参考:経済産業省|省エネポータルサイト「省エネって何?」
待機電力の測定方法

- 電力計を使用した測定
- スマートプラグによる測定
- 電力モニタリングシステムによる測定
電力計を使用した測定
電力計を使用すると待機電力の正確な測定が可能です。
待機電力がそれぞれの電化製品でどのくらい消費されているかを具体的に知ることができるため、節電対策を立てやすくなります。また、電力計を使用することで、待機電力の削減が科学的に裏付けられた行動となり、効果的な節電が可能になります。
スマートプラグによる測定
スマートプラグを使用することで、待機電力の消費を手軽に測定することができます。
スマートプラグは、各電化製品の電力消費をリアルタイムで監視し、スマートフォンのアプリなどで確認できる機能を持っています。これにより、待機電力がどの程度の影響を与えているのかを正確に把握することが可能です。 スマートプラグを利用して、待機電力の無駄を可視化し、効果的な節電に繋げましょう。
電力モニタリングシステムによる測定
電力モニタリングシステムは、リアルタイムで電力消費を追跡する機能を持っています。
家庭やオフィスに設置された電力モニタリングシステムが、常に電力消費を記録し、どの電化製品が待機電力を多く消費しているかをグラフやデータとして提供できます。これにより、待機電力が無駄に消費されている箇所を容易に特定でき、効果的に削減することが可能となります。
待機電力を削減する方法

- 電源オフの徹底
- 電源プラグの管理
- 省エネ家電を選択
電源オフの徹底
まずは、当たり前のことですがそもそも使用しない電化製品の電源をオフにすることが重要です。
待機電力とは、電化製品がスタンバイ状態でも消費する電力のことであり、無駄な電力消費を防ぐためには、シンプルに電源を切ることが最も効果的だからです。
例えば、テレビはリモコン操作ではなく、本体の主電源をオフすることで待機電力を削減することができます。 日常的に電源スイッチをオフにすることを意識すれば、無駄な電力消費を抑えることができます。
電源プラグの管理
電源プラグを適切に管理することも、待機電力の削減にとても効果的です。意識して使用していない電子レンジやオーディオなどの電源プラグをコンセントから抜くことで、不要な待機電力をカットし、無駄な電力消費を防ぐことができます。
特に、電源スイッチ付きの電源タップを利用すると便利です。これにより、一度に複数の機器の電源を管理することができます。リモコンで操作する機器やタイマー機能を持つ家電製品も多くありますが、電源タップを使うことで、一括して電源をオフにすることが可能です。ただし、家電製品の中にはプラグを抜くだけで操作設定が初期化されてしまうものもあります。このような場合は、再設定が必要になるため操作性と節電のどちらを優先させるかしっかり検討して使い方を決める必要があります。
省エネ家電を選択
省エネ家電を選ぶことで、待機電力を削減することができます。省エネ家電は一般的にエネルギー効率が高く、待機電力も最小限に抑える設計がされています。そのため、使用中だけでなく、未使用時の電力消費も抑えることができます。
さらに、省エネ家電は通常の家電に比べて長期間使用しても性能が劣化しにくいという特徴も持っています。これは、エネルギー効率の高い設計や優れた部品の使用が関係しています。その結果、省エネ家電を選ぶことは、電気代の節約だけでなく、製品寿命の面でも優れた選択肢となります。
待機電力を削減するメリット

- エネルギー効率向上と節電
- CO₂(二酸化炭素)排出量の削減
エネルギー効率向上と節電
待機電力を削減することで、エネルギー効率が向上し、節電効果が得られます。待機電力は無駄なエネルギー消費を引き起こすため、これを削減することで必要な電力だけを使用することができるからです。エネルギー効率を高めるために、待機電力削減は有効な手段と言えます。
CO₂(二酸化炭素)排出量の削減
待機電力の削減によって二酸化炭素排出量の減少が期待できます。前述のとおり、電力消費が減少すると、発電所での化石燃料の燃焼量が減少し、その結果、二酸化炭素の排出量も低減されるからです。
待機電力削減は地球環境の保護に直接貢献します。省エネ家電を選ぶ、普段から電源プラグを管理する習慣を持つなどの対策によって、無理なく待機電力を削減しましょう。
待機電力を削減するデメリット

待機電力を削減するデメリットとしては、電化製品の利便性や機能が損なわれてしまう恐れがあることです。
例えば、リモコン操作やタイマー設定などは、電化製品の電源プラグを抜いてしまうと、その機能を使用できなかったり、設定が初期化されたりするものもあるため、不便さを感じてしまうでしょう。
また、テレビの録画機能や、Wi-Fiルーターなどのネットワーク機器、固定電話・FAXなどは、待機電力を削減しようとすると、それらの製品が有する機能を全く使用できなくなります。
待機電力の削減に取り組む場合は、生活する上で必要な機能かどうかを検討し、メリット・デメリットを鑑みる必要があるでしょう。
待機電力に関するよくある質問

ここでは、多くの人々が疑問に思う待機電力に関する質問について解説し、正しい知識と理解を深めるための情報を提供します。
これらの解説を通じて、待機電力を適切に管理し、日常生活でのエネルギー効率を向上させる方法を学びましょう。
待機電力が多い電化製品は?
待機電力が多い家電製品は、リモコン操作や高速起動、さらには時計表示やシステムの維持などの機能を保つものがあげられます。
例えば、テレビ、パソコン、ゲーム機などの機器です。これらの機器はリモコンで操作し、すぐに使用できるようにしておくために、待機電力を多く消費します。パソコンの場合、スリープモードであっても常時動作している内部コンポーネントが存在するため待機電力を消費しています。
また、テレビの録画機能を持つレコーダーや、Wi-Fiルーターなども待機電力を消費する機器の例です。これらは常にデータを受信したり、ネットワークに接続されている状態を維持したりするために通電状態を保っています。
なぜ待機電力が問題になるのか?
待機電力の問題が注目を集める理由は、その環境および経済への悪影響にあります。 前述のとおり、待機電力とは、電化製品が使用されていない状態にも関わらず電力を消費し続ける現象を指します。これにより、無駄なエネルギー消費が発生し、それが電気代の上昇と二酸化炭素(CO₂)排出量の増加に繋がります。
待機電力を完全に無くすことはできるのか?
削減することは可能ですが、待機電力を完全に無くすことは技術的に難しいです。
例えば、テレビやエアコンはリモコンでオン・オフをするため、待機電力が常に必要です。また、Wi-Fiルーターやスマートホームデバイスも24時間作動するため、待機電力が発生します。これらのデバイスは、その利便性を維持するために待機状態でも通電しています。
待機電力を完全に無くすことは難しくても、前述の待機電力を削減する方法を参考に、意識的な工夫と対策で無駄な消費を抑えることは十分に可能です。
待機電力を理解して電気代を節約!
待機電力を理解し、その削減方法を実践することで、家庭やオフィスの電気代を節約することができます。さらに、環境への負荷も減らすことができるのです。
まずは待機電力を測定し、効率的な削減方法を取り入れてみてください。具体的な手法はこの記事で紹介していますので、ぜひ持続可能な生活習慣を作り上げるために、家族や同僚と一緒に取り組んでみましょう。
また、京セラは積極的に電気代を抑える方法として、太陽光発電と蓄電池の活用をご提案します。
太陽光発電で発電した電気を使用すれば、その分電気会社から購入する電力量を減らすことができます。また、昼間に使い切れずに余った電気を蓄電池に貯めておけば、夜間にもその電力を使用することが可能です。
これにより、待機電力を含む電力会社からの購入電力を減らし、電気代を削減できますし、再生可能エネルギーを余すことなく利用することで、CO₂排出量の削減にもつながり、地球環境に優しい生活を実現する一助となります。
自己所有だけでなく初期費用0円で太陽光発電や蓄電池を導入できる定額サービス( ハウスマイルe 、 産業用電力サービス )も提供していますので、ぜひチェックしてみてください。
【関連記事リンク】
電気代の内訳とは?明細の見方や節約方法のご紹介!
法人の電気代の内訳とは?計算式や電気代を抑える方法を解説!
ボルト(V)・アンペア(A)・オーム(Ω)・ワット(W)とは?電気の単位とその意味を解説!
太陽光発電の仕組みを図解でかんたん解説!特徴や基礎知識もご紹介!