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冬の電気代はどのくらいかかる?
平均額や節約方法を紹介!【住宅】

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冬は電気代が高くなるイメージがあるものの、「本当に電気代は高くなるのか」「高くなるとしたらどのくらいが平均額なのか」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では冬の電気代は平均的にどのくらいかかるのかを紹介します。

電気代を節約する方法も解説するので、ぜひご参考になさってください。

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【目次】

 

電気代の決まり方

 
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まずはじめに、私たちが毎月支払っている電気代がどのような計算で決まっているか見てみましょう。

家庭の電気代は、大きく分けて「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー促進賦課金(再エネ賦課金)」の3つの要素で構成されています。

電気料金 = 基本料金 + 電力量料金 + 再エネ賦課金

基本料金は電力会社(小売電気事業者)と契約する「アンペアの容量(A)」で決まるため、季節に関わらず定額です。 一方、「電力量料金」と「再エネ賦課金」は、従量課金であるため、電気を使えば使うほど高くなります。

・電力量料金=電力量料金単価× 使用電力量+ 燃料費等調整額(燃料費調整単価×使用電力量)

・再エネ賦課金=再エネ賦課金単価 × 電力使用量

「冬の電気代が高くなる」といわれているのは、冬は使用する電気量が多く、結果として「電力量料金」と「再エネ賦課金」が多く請求されるためなのです。

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冬の平均的な電気代

 
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さて、冬の電気代は、他の季節と比べて実際のところどのくらい高くなるのでしょうか。 政府統計で公表されている四半期ごとの月平均の電気代を、2022年〜2024年の3年分で比較してみましょう。

1~3月期 4~6月期 7~9月期 10~12月期
2024年 13,265円 11,125円 11,984円 11,657円
2023年 17,723円 11,354円 9,885円 10,099円
2022年 14,847円 11,911円 11,662円 12,293円

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)|家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯(表番号6-1)

このように、冬季(1〜3月期)の月平均の電気代は、他の四半期と比べて高くなる傾向といえます。

 

世帯人数別の冬の電気代

世帯人数によっても平均的な電気代は変わります。

2025年の「1〜3月期」「4〜6月期」の世帯人員別の月平均の電気代を比べてみましょう。

世帯人数 1~3月期 4~6月期
1人 9,295円 6,743円
2人 14,727円 11,722円
3人 17,068円 13,139円
4人 16,384円 12,941円
5人 19,245円 14,975円
6人~ 21,041円 16,557円
全世帯平均 13,445円 10,344円

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)|家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯2025年1~3月(表番号4)2025年4~6月(表番号4)

このように、いずれの世帯人数においても、冬季の電気代が高くなる傾向にあります。

 

1人暮らしの電気代平均

1〜3月期の電気代は9,295円と、4〜6月期の6,743円と比べて約1.38倍も高いことが分かります。

これは単身世帯が普段使う電気使用量は少ないものの、そこに「暖房分」の電気代が追加されるため、増加割合は大きくなるためです。そもそも冬の電気代が高くなる主要因は暖房ですが、1室を温めるために必要なエネルギーは、暮らしているのが1人でも2人以上でも変わりません。

単身であってもエアコン・ヒーターは1台分しっかり消費されるため、冬とそれ以外の季節との増加割合が大きくなるのが特徴です。

 

2人暮らしの電気代平均

2人暮らしの場合、1〜3月期の電気代は14,727円で、4〜6月期の11,722円の約1.26倍です。

1人暮らしと比べると増加率は小さいものの、別々の部屋で過ごしたり、お風呂のお湯を温める時間が伸びたり、使用する電力の絶対量が増えるため、総額は大きくなります。

 

3人家族の電気代平均

 
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3人家族の1〜3月期の電気代は17,068円で、4〜6月期の13,139円より約1.30倍ほど高くなります。

子供部屋や書斎など、暖房を使うスペースが増えるため、電気代の増加額も大きくなることが特徴です。

 

4人家族以上の電気代平均

4人以上の場合も、冬のほうが1.27〜1.29倍ほど電気代が高くなります。

リビングなど家族が1部屋で過ごせば電気代を節約することも可能ですが、寝室は別々のケースが多く、どうしても使用する電気量が増えてしまうためです。

 

地域別の冬の電気代

冬の電気代がどのくらい高くなるのかは、地域によっても差があります。

2025年の地域ごとの「1〜3月期」「4〜6月期」の月平均はこちらのとおりです。

地域 1~3月期 4~6月期
北海道 14,571円 11,972円
東北 17,827円 11,634円
関東 12,726円 10,513円
北陸 17,983円 12,981円
東海 12,907円 9,984円
近畿 12,510円 9,987円
中国 14,763円 10,153円
四国 13,902円 10,047円
九州 12,052円 8,624円
沖縄 7,560円 7,597円

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)|家計調査 / 都市階級・地方別 総世帯 2025年 1~3月期(表番号2)2025年 4~6月期(表番号2)

 

寒冷地の電気代

 
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寒冷地の冬(1〜3月)の電気代を、4〜6月と比べると、東北は1.53倍、北陸は1.39倍になっています。

また、北海道は増加率こそ1.22倍に収まっているものの、1か月の電気代平均は14,571円と全国的に見ると高額です。

なお、中国地方は、とくに山陰(日本海側)の冷え込みが強いことから、冬の電気代が高くなっていると考えられます。

 

温暖な地域の電気代

四国や九州など北日本と比べると温暖な地域も、やはり冬場は暖房を使う必要があるため、電気代が高くなっています。

一方、沖縄まで南下すると暖房の必要性は乏しく、1〜3月と4〜6月の平均的な電気代はほぼ横ばいです(暖房器具がどれだけ電気代に影響を与えているかが分かるデータといえるでしょう)。

 

冬の電気代が高くなる理由

 
winterelectricitycosts07.png さて、ここまでで少し触れた点も含め、冬の電気代が高くなる理由としては次の5つが挙げられます。
  • 暖房器具を使用するため
  • 照明を使う時間が長いため
  • 屋内外の気温差が大きいため
  • 冬に使用する機会が多い家電があるため
  • 給湯負荷が増加するため

電気代がなぜ冬に高くなりやすいのか、詳しく見ていきましょう。

 

暖房器具を使用するため

冬の電気代が高くなる主な要因は、暖房器具を使用することです。

たとえば、エアコンの消費電力は、製品によっても異なるものの、冷房時は1kW程度、暖房時は1.2kW程度が一般的です。

また、エアコン以外の暖房器具も、消費電力が大きい傾向にあります。たとえばオイルヒーターなら600W〜1,500W、ホットカーペットなら100W〜500W、こたつなら80W~600W程度の製品が多いでしょう。設定温度を高くすれば、それだけ消費電力も増えます。

そして、電気代は「消費電力(kW)× h(使用時間) × 電力量料金(円/kWh)」で求めるため、消費電力が大きい暖房器具を、長い時間使えば使うほど、電気代も高くなるのです。

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照明を使う時間が長いため

 
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冬は日の出が遅く日没が早いため、日照時間が短くなり、照明を使う時間が伸びます。

照明一つ一つの消費電力はそれほど大きくありませんが、室内各所の照明を使う時間が伸びるため、電気代を押し上げてしまうのです。

 

屋内外の気温差が大きいため

冬は夏より屋内外の気温差が大きいことも、電気代が高くなる要因の一つです。
たとえば、夏の外気温が35℃だとしても、冷房を28℃に設定した場合、その差は7℃しかありません。

しかし、冬の外気温が10℃の場合、暖房を20℃にしても、その差は10℃です。朝晩は外気温が一桁、もしくはマイナスになる日も多く、気温差はさらに大きくなります。
そのため、エアコンは、室内外の気温差が大きいほど消費電力が増えて、結果として冬の電気代は高くなりやすいのです。

 

冬に使用する機会が多い家電があるため

冬は空気が乾燥しやすいため、多くの家庭で加湿器が使われています。また、ヒートショックを防ぐために浴室乾燥の暖房機能を利用する家庭もあるでしょう。

暖房器具に加えて、冬に使用が増える他の家電も、電気代が高くなる原因の一つと考えられます。

 

給湯負荷が増加するため

オール電化住宅では、一般的に「エコキュート」でお湯を沸かしていますが、これも冬に電気代が高くなる要因の一つです。

そもそも、冷たい冬の水をお湯にするためには、より大きなエネルギーを必要とします。たとえば、東京都水道局の調査によると、8月の水道水の平均水温は28.6℃もあるのに対し、1月は10.5℃しかありません(参考:東京都 水道局|水道水の水温)。

そのため、冬は給湯負荷が増加、つまり消費電力が増えることで、電気代も高くなりやすいのです。

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冬に意識すべき電気代節約術11選

 
winterelectricitycosts09.png 冬の電気代が高くなってしまうのは避けられないことですが、そうは言ってもなるべく節約したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで、最後に冬に意識すべき電気代節約術11選を紹介します。
  • 暖房器具の温度設定を見直す
  • 家の断熱性能を高める
  • 暖かい空気を室内で循環させる
  • 重ね着をして暖房器具の使いすぎを防ぐ
  • 湿度を上げる
  • 暖房器具のフィルターを掃除する
  • 照明をLEDに替えて使用時間を見直す
  • 省エネ性能の高い暖房器具・家電への買い替える
  • 電力会社や料金プランを再検討する
  • 太陽光発電を活用する
  • 蓄電池を活用する

すぐに取り組めることもあるため、ぜひ今年の冬から実践をご検討ください。

 

暖房器具の温度設定を見直す

まずはじめに、暖房器具の温度設定を見直すことが重要です。

先述のとおり、室内外の気温差が大きいほど、エアコンの消費電力が増えます。そのため無理のない範囲で設定を1℃下げるだけでも、節約効果が期待できるのです。

 

家の断熱性能を高める

家の断熱性能を高め、暖房効率を高めることもおすすめです。

家の断熱性能が低いと、室温を設定温度まで暖めたあと、それを維持するにも大量のエネルギーを消費してしまいます。

しかし、断熱性能が高ければ、一度部屋を暖めた後はそれほど多くの電力を使わずとも室温をキープできるため、電気代を節約できるのです。たとえば窓に厚手のカーテンを掛けたり、断熱シートを貼ったりして、熱が外に逃げないよう工夫いただくのも有効であると考えられます。

 

暖かい空気を室内で循環させる

 
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少ない電力で暖かさを保つためには、室内で暖かい空気を循環させることもポイントです。

暖かい空気は上に登る性質があるため、天井付近だけ暖かくなり、エアコンの設定温度を上げても肌寒く感じることもあります。このような無駄を防ぐため、サーキュレーターや扇風機を上向きで回し、天井付近の暖気を下におろすようにしてみましょう。

これだけで体感温度が上がり、エアコンの設定温度を低くしても苦にならなくなります。

 

重ね着をして暖房器具の使いすぎを防ぐ

少し肌寒く感じるような場合には、暖房器具の運転を開始するのではなく、重ね着・保温インナーなどで調整するのもおすすめです。

暖房器具を使用する頻度を減らせば、それだけ電気代を節約できます。

 

湿度を上げる

加湿器を使って湿度を上げると、体感温度が高まり、暖房の設定温度を下げても快適に生活できます。加湿器は暖房器具より消費電力が小さいこともポイントです。

また、冬は乾燥しやすい季節であるため、加湿器を使えば風邪対策・乾燥肌対策にもなり一石二鳥でしょう。

 

暖房器具のフィルターを掃除する

暖房器具の負荷を下げるために、定期的にフィルターを清掃することも大切です。

たとえば、エアコンの場合、フィルターが目詰りしたまま使用するケースと、フィルターを清掃したケースで比較すると、年間の消費電力量で約31.95kWh(約990円相当)の差が生じるとされています。

参考:資源エネルギー庁|無理のない省エネ節約 エアコン

 

照明をLEDに替えて使用時間を見直す

照明をLEDに替えたり、使用時間を見直したりすることもおすすめです。

たとえば、年間2,000時間照明を使用する場合、「54Wの白熱電球」から「7.5Wの電球形LEDランプ」に交換すると、年間で93.00kWh(約2,883円)も節約できます。

また、7.5WのLED照明の点灯時間を、1日に1時間だけ短縮した場合、年間では2.74kWh(約85円相当)の節約が可能です。わずかな節約に思えるかもしれませんが、家中の照明で実践すれば、相応の電気代を削減できるでしょう。

参考:資源エネルギー庁|無理のない省エネ節約 照明

 

省エネ性能の高い暖房器具・家電への買い替える

 
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照明だけでなく、エアコンや暖房器具を含む各種家電も、最新のものほど省エネ性能が高くなっています。そのため5〜10年以上にわたって使っている製品があれば、買い替えをご検討ください。

たとえば、今どきの省エネタイプのエアコンは、10年前の製品と比べると約15%も省エネだといわれています。

参考:資源エネルギー庁|機器の買換で省エネ節約

 

電力会社や料金プランを再検討する

抜本的な対策としては、電力会社や料金プランを再検討することも挙げられます。

たとえば「夜間割引型プラン」に加入して、深夜に洗濯乾燥機・食洗機などを回したり、エコキュートで1日分のお湯を沸かしておくようにすれば、暖房器具で高くなった電気代の一部を相殺できるかもしれません。

また、契約アンペア数を見直せば、冬季に限らず、毎月の基本料を節約できます。さらに、電力会社そのものを見直すことで、電気代負担を軽減できる可能性もあります。

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太陽光発電を活用する

さらに、大きく電気代を節約したい場合、太陽光発電を活用することを検討してみてください。
太陽光発電を導入し、暖房器具などで消費する電力を自家発電するようにすれば、電気代を大きく削減することも可能です。

実際にどのくらい電気代を節約できるのか、東京都八王子市の家庭を例にシミュレーションした結果を見てみましょう。

  • 東京都八王子市
  • 太陽光発電システム容量:4kW
  • 設置方角:南
  • 電気料金プラン:東京電力 従量電灯B
  • 最近1ヶ月の電気料金:1.6万円
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冬季も一定の発電量をキープし、平均で、月額1万円程度電気代を削減できる可能性があることが分かります。

京セラの 「簡単シミュレーション」 では、上記のような試算を簡単に確認できますので、ぜひお住まいの住所でシミュレーションをお試しください!

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蓄電池を活用する

さらに、自家消費量を増やして電気代を節約したい場合は、蓄電池を活用するのもおすすめです。

太陽光発電と蓄電池を併用すれば、昼間発電した電気を、夜間使うことができます。このため日中家にいない間に発電した電気を、夜の在宅時間に暖房用として使えるようになるのです。

1日の電力利用イメージ

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快適に過ごしつつ冬の電気代も節約するなら太陽光発電がおすすめ!

 
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冬は消費電力の大きい暖房器具を使用したり、照明を使う時間が長くなったりするため、どうしても電気代が高くなってしまいます。

エアコンの設定温度を下げるなどの対策をしている方もいるかもしれませんが、室内の快適さを保ちつつ、なおかつ電気代も節約したいという方もいるでしょう。

そのような場合は、ぜひ太陽光発電・蓄電池を活用してみてください。これらを併用すれば、自宅で使う電気の大部分を自家発電できる可能性もあるためです。

PPA(Power Purchase Agreement|電力購入契約)という、初期費用0円で太陽光発電を導入できるサービスを活用すれば、使用した電力分の料金、もしくは定額のサービス利用料を負担するだけで、既存住宅にも太陽光発電を導入できます。

京セラの家庭向けエネルギーシステム定額サービス 「ハウスマイルe」 では、太陽光発電のみならず、蓄電池も同時設置できるため、冬の電気代にお悩みの方はぜひご活用ください。

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