真空部品のこと、ご存知でしょうか?
京セラの超高真空用メタライズ部品は、真空・液体・ガス環境など、大気中とは異なる環境で製造や実験を行うために使用される密閉容器 ( チャンバー ) に使用されています。
一般的に、導通部と絶縁部を気密封止した構造となっており、京セラでは絶縁部にファインセラミックスを使用しています。この真空部品は、溶接によってフランジへ取り付けられ、Oリングやガスケットなどを使用して気密性を確保し、チャンバーへ取り付けられます。
種類と概要
種類 | 概要 |
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気密端子 | ハーメチックシール、フィードスルー、電流導入端子などとも呼ばれ、密閉容器において信号や電流・電圧の出し入れを行う目的で容器に取り付けられます。 |
絶縁部品 | 配管の接続部の絶縁などを目的に使用されます。 |
サファイア窓 | チャンバー内部の様子を観察するための単結晶サファイアを利用した覗き窓です。 |


非金属 ( セラミックス ) と金属の接合方法
京セラでは、超高真空用部品を製造する際、
セラミック部材と金属部材をメタライズ+ロウ付けで接合しています。
一般的にセラミックスと金属を接合する場合、樹脂による接合、ガラスによる接合、そしてロウ付けによる接合の大きく3種類に分けられます。
樹脂接合
樹脂からアウトガスが発生し真空度が上がらなくなるため、高い真空環境下では使用ができません。
ガラス接合
アウトガスの発生は抑制できますが、高真空下では接合強度が不足してしまい、気密性が確保できません。
これに対し、メタライズ+ロウ付けによる接合は、 超高真空という過酷な環境でも高い気密性と接合強度を示します。
京セラの超高真空用部品は、長年培ったファインセラミックスの製造技術と、メタライズ技術を融合させ、
厳格な基準の下で検査を行い、宇宙開発など特に信頼性が必要な分野でも採用されています。
接合方法による適用範囲(概念図)


長年培った
京セラのメタライズ技術
「 強度と気密性を併せ持つメタライズ + ロウ付け接合 」
セラミック部品と金属部品を強固に、そして高気密に接合するためには、ロウ付けで接合することが必要です。しかし、一般にセラミックスと金属は接合性が悪く、直接接合しても強度が低く使用できません。そこで、セラミックス表面に金属層を形成し( メタライズ )、それを下地にしてロウ付け接合を行うことで、強固で高い気密性を持ったセラミックスと金属の接合を実現しています。


メタライズ部品の製造工程
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セラミック部品
長年培ったファイン
セラミックスの製造技術により、
高精度のセラミック部品を製作。 -
メタライズ層形成
セラミックスと金属を接合
するためのメタライズ層を形成。 -
Ni メッキ
メタライズ層の保護と
ロウ材の流れ性を補助するため、
Niメッキを施す。
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ロウ付け接合
金属部品とメタライズ層を形成
したセラミック部品を
ロウ付けで接合。 -
フランジ溶接
金属部品とフランジなどを
溶接で接合する。 -
Heリーク検査
全ての完成品に対してHeリーク
検査を実施。気密性が確保
されているかを確認する。
カタログ掲載内容
カタログでは以下の内容をご紹介しています。ぜひPDFをダウンロードして詳細をご覧ください。
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真空部品のこと、ご存知でしょうか?
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長年培った京セラのメタライズ技術
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製品の選定について
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製品選定ガイド
丸形多ピン端子/同軸端子/フィードスルー/絶縁部品/サファイアウィンドウ/新技術を活用した製品
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Custom-designed Ceramic Chambers
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Technical Information
セラミックスの特性表/形状と加工精度/材料比較グラフ
接合金属の特性表(代表例)/メタライズ技術、各種素材と加工/セラミックスと金属の基本的な接合構造