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パワーコンディショナ(パワコン)の寿命は何年?
交換費用や目安を解説!【住宅・法人】

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太陽光パネルで生み出される電気は”直流”です。そのため発電した電気を家庭や会社などで使うには、パワーコンディショナ(パワコン)で”交流”に変換しなければなりません。つまり太陽光発電システムに、パワーコンディショナは不可欠なのです。

しかしパワーコンディショナは時間が経つにつれて劣化してしまうため、いずれは交換しなければなりません。太陽光パネルの寿命は20年〜30年ともいわれていますが、パワーコンディショナの寿命はどのくらいなのでしょうか。

この記事ではパワーコンディショナの寿命や、交換費用の目安について解説します。

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法人向け:産業用電力サービス事業(PPA)

【目次】

 

パワーコンディショナとは

パワーコンディショナ(通称パワコン)とは、直流電力(DC)を交流電力(AC)に変換するための機器です。

理科の授業でも習うとおり、電気には”直流”と”交流”の2種類が存在します。常に一方通行で電流・電圧が変化しないのが”直流”で、電流・電圧が周期的に変化するのが”交流”です。

たとえば乾電池から供給されるのは一方通行の”直流”であるため、プラスとマイナスの向きを気にしなければなりません。一方、電力会社から供給されるのは電流・電圧は周期的に変化する”交流”であるため、コンセントの向きを気にすることなく電気を使用できるのです。

このように”直流”と”交流”は電気的な性質が大きく異なりますが、パワーコンディショナを介することで電気を”直流”から”交流”へと変換できます。

直流 常に一方通行で、電流・電圧が変化しない
交流 電流、電圧が周期的に変化する
(電気が同じ周期で向きを交互に変えて流れる)
 

パワーコンディショナと太陽光発電の関係

記事冒頭で触れたとおり、太陽光発電で生み出される電気は”直流”であるため、家庭や会社で使うためには”交流”に変換しなければなりません。

そこで太陽光パネルで発電した電気は一度「接続箱」でまとめられ、そこから「パワーコンディショナ」へと送られます。住宅用太陽光発電システムを例に、全体像や機能のイメージを見てみましょう。

 住宅用太陽光発電システムの全体像 

太陽光発電のシステム構成

  • ※1画像は屋内用パワーコンディショナをイメージしています。屋外設置対応品もあります。
  • ※2屋内用パワーコンディショナKPK-A40、KPK-A55専用です。
  • ※3電力会社の系統の状況により、逆潮流電力(需要者側から電力系統側に送る電力)が制限され、太陽光発電システムからの売電電力量が少なくなる可能性があります。このような状況が頻繁に発生する場合は、電力系統側での対策が必要な場合がありますので、販売窓口にご相談ください。
  • ※4蓄電池で貯めた電気を売電することはできません。

●図は、晴れの日の平常時のイメージです。 ●建築基準法施行令第86条による垂直積雪量の荷重が、太陽光発電システムの製品仕様を超える場合は設置できません。 ●蓄電システムに必要なパワーコンディショナ、リモコン、通信モデム、関連機器・部材は図に記載しておりません。

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 住宅用のパワーコンディショナ機能 

住宅用のパワーコンディショナ機能

パワーコンディショナの役割

 
lifespanofpowercon05.png 太陽光発電システムにおいて、パワーコンディショナは「直流から交流への変換」を含め、次のような役割を担っています。
  • 太陽光パネルが生み出した電気を交流にする
  • 発電量を最大化する(最大電力点追従制御)
  • 逆潮流させる・逆潮流を防ぐ(逆潮流制御機能)
  • 異常を検知したら系統から切り離す(系統連系保護機能)
  • 停電時に電気を使えるようにする(自立運転機能)

「最大電力点追従制御」とは、発電量が日照時間に大きく左右される太陽光発電システムから、より多くの電力を安定供給するための機能です。パワーコンディショナがあるおかげで、天候・季節の影響を受けつつも、太陽光発電を安定電源として活用できているともいえるでしょう。

その他にも、売電しつつ意図しない逆潮流は防ぐ「逆潮流制御機能」や、太陽光発電の不具合が波及して辺り一帯を停電させてしまわないようにする「系統連系保護機能」、停電時に太陽光発電の電気を使えるようにする「自立運転機能」などもパワーコンディショナの役割です。

パワーコンディショナ(パワコン)とは?太陽光発電における役割・機能【住宅・法人】

 

パワーコンディショナの寿命

 
lifespanofpowercon06.png

パワーコンディショナの寿命はいったいどのくらいでしょうか。この章では、製品寿命のほか、法定耐用年数についてもご説明します。

太陽光パネルの寿命はどのくらい?耐久性能や劣化原因を解説!

パワーコンディショナの製品寿命は10年〜15年程度

多くの役割を果たしているパワーコンディショナですが、その寿命は10年〜15年程度といわれています。

太陽光パネルの寿命が20年〜30年程度であることと比べると、パワーコンディショナの寿命は短いと感じるかもしれません。しかしパワーコンディショナは多くの役割を担っており、それだけ負荷もかかるため、どうしても太陽光パネルよりも先に寿命を迎えてしまうのです。

どれだけメンテナンスを実施したとしても、少なくとも20年に一度は交換する必要があると想定しておきましょう。

 

パワーコンディショナの法定耐用年数は17年

パワーコンディショナは太陽光発電設備と一体となって発電・送電する装置です。
そのため、パワーコンディショナの法定耐用年数は太陽光パネルと同じく17年です。

 

パワーコンディショナが劣化する原因

 
lifespanofpowercon07.pngさて、そもそもパワーコンディショナはなぜ劣化してしまうのでしょうか。 その原因としては、次の3つが挙げられます。
  • 経年劣化
  • メンテナンス不良
  • 使用環境や設置場所

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

 

経年劣化

パワーコンディショナは常に稼働しているため、かかる負担も大きく、経年劣化は避けられません。

設置から10年ほど経つと内部の半導体・コンデンサなどが劣化し始めるため、不具合を早期に見つけるためにも定期的な点検・メンテナンスが求められます。

 

メンテナンス不良

設置から年数が経っているにも関わらずメンテナンスを怠ると、不具合を放置することになり、結果としてパワーコンディショナの寿命が縮んでしまいます。

パワーコンディショナの寿命をできるだけ延ばすためにも、必ず定期点検を実施しましょう。

 

使用環境や設置場所

パワーコンディショナを長期にわたって使いつづけるためには、メーカーが指定している設置条件を守ることも重要です。

たとえば設置時の離隔距離などを守っていないと、早期に故障してしまうかもしれません。屋外にパワーコンディショナを設置する場合は、塩害を防ぐために海岸線からの距離制限を守ることも大切です。もしパワーコンディショナの内部に塩分が侵入してしまうと、回路などが腐食する原因となります。製品によって設置条件は異なりますので、メーカーの示す設置基準を守るようにしましょう。

 

パワーコンディショナの点検・メンテナンス費用

さて、パワーコンディショナのメンテナンス費用はどのくらいなのでしょうか。
実際にはパワーコンディショナだけで点検・メンテナンスされるケースは少なく、パワーコンディショナを含むシステム全体をチェックするケースが多いため、太陽光発電の定期点検にかかる費用について見てみましょう。

経済産業省が発表した 「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」 (10.6MB)によると、家庭用の太陽光発電システムのメンテナンス(定期点検)費用相場は約4.1万円程度です(令和6年度の調査では4.7万円程度) 。

一方、事業用太陽光発電のメンテナンスコスト(運転維持費)は、地上設置の平均値が5,300円/kW/年(中央値4,200円/kW/年)、屋根設置の平均値も5,400円/kW/年(中央値 4,000円/kW/年)です。数十万円以上の費用がかかるケースも珍しくないため、しっかりとメンテナンス予算を確保しておきましょう。

なお、定期点検の頻度に明確な決まりはありませんが、住宅用システムの場合は3〜5年程度が一般的です。

太陽光発電はメンテナンスが必要!保守点検(定期点検)の方法・費用相場を解説!【住宅・法人】

参考:一般社団法人 太陽光発電協会|よくあるご質問「メンテナンスや点検はどうすればいいですか?」

 

パワーコンディショナの交換目安

 
lifespanofpowercon08.png しっかりとメンテナンスしていても、パワーコンディショナの劣化を完全に避けることはできません。もし10年以上使用しているパワーコンディショナに次のような兆候が見られる場合には、交換を検討してみてください。
  • 異音が聞こえる
  • 頻繁にエラーコードが表示される
  • 他のパワーコンディショナと比較して発電量が低い
  • 運転が停止してしまう

それぞれの兆候について詳しく見ていきましょう。

 

異音が聞こえる

もしパワーコンディショナから異音が聞こえたとしても、次のいずれかに当てはまる場合には、故障の前兆ではありません。

カチン音 / カーン音 / バシン音 / バキン音 / パチン音 温度変化時に膨張収縮によってパワーコンディショナ内部から発生する音
ジィージィー音 / チリチリ音 / チャリチャリ音 パワーコンディショナの高周波スイッチング動作により発生する音
カチッカチッ音 運転開始時と停止時に発生する連系用リレーの動作音
高周波音(モスキート音) 運転時に発生する高周波音(聴覚感度の高い方にとって不快に感じる場合がある)

参考:京セラ(株)|よくある質問Q&A 太陽陽光発電システム 「パワーコンディショナから異音がします。」

しかし、上記以外の音、たとえば「ブーン」といったモーター音が聞こえる場合には不具合が生じている可能性があります。いつもは聞こえない音が発生している場合には、念のため点検したほうがいいでしょう。モーターなどの部品が寿命を迎えている可能性もあるためです。

 

頻繁にエラーコードが表示される

パワーコンディショナに不具合が発生した場合、モニターやパワーコンディショナの表示画面にエラーコードが表示されます。一時的な不具合で、原因を除去したらエラーコードが消えるようであれば大きな問題はありません。

しかし、頻繁にエラーコードが表示されるようであれば、パワーコンディショナが寿命を迎えている可能性もあります。

 

他のパワーコンディショナと比較して発電量が低い

太陽光発電設備が大規模な場合、複数のパワーコンディショナが設置されていることもあります。もしその中の一台の発電量が、他のパワーコンディショナと比較して不自然に低い場合、著しく劣化が進行している可能性が高いです。

家庭用の場合は一台しか設置されていないケースが多いですが、以前と比べて発電量が落ちたと感じる場合は、パワーコンディショナの交換を検討してもいいでしょう。

 

運転が停止してしまう

発電量が低下するのみならず、運転が停止してしまう場合には、早急な交換が求められます。
再起動すると正常に動作する場合もありますが、それでも電源が入らない場合は、寿命を迎えている可能性が高いです。

 

パワーコンディショナの交換費用

さて、パワーコンディショナを交換するとしたら、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
再び経済産業省が発表した 「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」 (10.6MB)を見てみましょう。

住宅用のパワーコンディショナについては42.3万円程度が相場とされています。前年度は34.5万円が相場とされていましたが、人件費増などが原因で交換費用が上昇しています。

法人については、事業用のパワーコンディショナの交換費用の調査はなされていませんが、太陽光発電システム設置時のパワーコンディショナ費用は2.7万円/kWが相場とされています(10kW・地上設置と屋根設置をあわせた調査)。交換についても同様の費用水準と考えると、たとえば発電規模が50kWの場合、交換費用として器機の135万円に加えて交換工事にかかる費用を見込んでおく必要があります。

 

パワーコンディショナの交換費用を抑える方法

 
lifespanofpowercon09.png パワーコンディショナの交換には相応の出費を伴いますが、費用を抑える方法としては、太陽光発電を導入済みの場合とこれから導入する場合とで、次の3つが挙げられます。


導入済みの場合
  • 他のパワーコンディショナと比較して発電量が低い
  • 運転が停止してしまう


これから導入する場合
  • PPAで導入する【住宅・法人】

それぞれの方法について、詳しく解説します。

 

メーカー保証を活用する【住宅・法人】

太陽光発電を導入済みの場合、メーカー保証の期間なら、パワーコンディショナを無償で修理・交換してもらうことも可能です。

住宅用の場合は、多くのメーカーで10〜15年程度の保証期間を設けているため、保証の適用条件を確認してみてください。 たとえば京セラは、住宅用太陽光発電システムに対し、機器15年・自然災害15年・出力20年を保証する「トリプル保証」を有償提供しています。パワーコンディショナも保証対象で、落雷や台風はもちろん、飛来物や火事などによる被害もカバーしていることが特徴です。

法人向けについては、採用されるパワーコンディショナによって異なるものの、国内メーカーは機器保証1年、海外メーカーでは機器保証5年オプションで20年まで延長可能なものもあります。詳しい条件についてはケースごと異なるため、ぜひ京セラにお問い合わせください。

 

補助金を活用する【住宅】

あまり多くはありませんが、導入済みの太陽光発電のパワーコンディショナを買い替えて交換する場合に、補助金が出ている自治体もあります。

たとえば東京都では、助成対象経費の2分の1を交付額として補助金が出ていました。(上限額10万円/台) こちらは令和6年度の補助金内容となりますので、新年度の情報も注視し、パワーコンディショナの交換に補助金が活用できないか調べてみましょう。

参考:東京都地球温暖化防止活動推進センター|家庭における太陽光発電導入促進事業

 

PPAで導入する【住宅・法人】

これから太陽光発電の導入を検討されている方で、パワーコンディショナの交換を含むメンテナンス費用を削減したい場合には、PPAモデルで太陽光発電を導入することもおすすめです。

PPA(Power Purchase Agreement)とは、第三者所有モデル・電力購入契約モデルのことです。このモデルでは電力需要家(住宅・法人)の敷地内にPPA事業者が太陽光発電設備を設置し、需要家はサービス利用料を支払いますj。サービス利用料は、使用した電力量に応じたものや毎月定額になっているものがあります。

パワーコンディショナを含む太陽光発電システムの設備はPPA事業者が所有するため、設置費用はもちろん、PPA契約期間中のメンテナンス費用もPPA事業者が負担することがポイントです。

京セラは家庭向けPPAとしてエネルギーシステム定額サービス 「ハウスマイルe」 を提供しており、太陽光発電・蓄電池の双方を初期費用0円・契約期間中のメンテナンス費用0円で導入できます。

また、法人向けには 「産業用電力サービス事業(PPA)」 を提供しており、こちらも初期費用・契約期間中のメンテナンス費用0円で太陽光発電を導入可能です(法人向けPPAは基本的に太陽光発電のみのプランですが、蓄電池を組み込めることもあります)。

 

 

PPAならパワーコンディショナが寿命を迎えたあとも安心サポート!

 
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パワーコンディショナは太陽光発電にとって欠かせない機器ですが、常に稼働しているため負荷も大きく、太陽光パネルよりも先に寿命を迎えてしまいます。

なるべく長期にわたって使い続けるためには定期的な点検・メンテナンスが必要ですが、ランニングコストをなるべく抑えたいと思う方もいるでしょう。そのような方は、ぜひPPAをご検討ください。

PPAの契約期間中ならサービス事業者の負担でメンテナンス・交換してもらえるため、利用者にかかる費用は「使用した電力量に応じたサービス利用料」もしくは「定額のサービス利用料」のみです。

契約期間後は太陽光発電設備全般を譲渡されるケースが多いですが、この場合もアフターケアしてもらえます。機器の点検・修理・交換などが発生した場合は有償ですが、サポート窓口がはっきりしていることはメリットだといえるでしょう。

京セラは住宅向け・法人向けそれぞれのPPAサービスを提供しているため、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

 

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  • 「HOUSmile(ロゴ)」は京セラ株式会社の登録商標です。

 

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