THE NEW VALUE FRONTIER
  1. Home
  2. 太陽光発電・蓄電池
  3. トピックス
  4. パワーコンディショナ(パワコン)とは?太陽光発電における役割・機能【住宅・法人】

太陽光発電・蓄電池

トピックス

コラム

パワーコンディショナ(パワコン)とは?
太陽光発電における役割・機能【住宅・法人】

role-of-powercon02.png

太陽光発電・蓄電池を使うためには、パワーコンディショナ(通称:パワコン)が不可欠ということをご存知でしょうか。パワーコンディショナまたはパワコンという言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのような役割を担った製品なのかは知らないという方もいるかもしれません。

そこで今回は、パワーコンディショナが太陽光発電において、どのような役割・機能を担っているのか解説します。パワーコンディショナを選ぶポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【関連記事リンク】

太陽光発電の仕組みを図解でかんたん解説!特徴や基礎知識もご紹介!

太陽光パネルの寿命はどのくらい?耐久性能や劣化原因を解説!


太陽光発電の普及率はどれくらい進んだ?太陽光発電の現在とは?


太陽光発電の今後はどうなる?課題や将来性、活用方法を解説!

 

【目次】

 

パワーコンディショナの機能

そもそもパワーコンディショナとは、直流電力を交流電力に変換する機器です。

電力に直流(DC)と交流(AC)の2種類があることは、理科の授業でも習った方も多いのではないでしょうか。両者の違いは次のとおりです。

直流 常に一方通行で、電流・電圧が変化しない
交流 電流、電圧が周期的に変化する
(電気が同じ周期で向きを交互に変えて流れる)

乾電池から供給されるのは直流であるため、電気は一方通行で変化しません。そのため電池を使う場合、必ずプラスとマイナスの向きを気にする必要があります。

一方、電力会社から送られてくるのは交流です。電流・電圧は周期的に変化しており、プラグをコンセントにどのような向きで指しても使用できます。
このように性質が異なる「直流」と「交流」を変換するのが、パワーコンディショナの基本的な機能です。

 

太陽光発電におけるパワーコンディショナの役割

太陽光発電システムは、パワーコンディショナを含め次のような構成になっています。

 住宅用太陽光発電システムの例 

 

太陽光発電のシステム構成

  • ※1電力会社の系統の状況により、逆潮流電力(需要者側から電力系統側に送る電力)が制限され、太陽光発電システムからの売電電力量が少なくなる可能性があります。 このような状況が頻繁に発生する場合は、電力系統側での対策が必要な場合がありますので、販売窓口にご相談ください。
  • ※2蓄電池で貯めた電気を売電することはできません。

●図は、晴れの日の平常時のイメージです。 ●建築基準法施行令第86条による垂直積雪量の荷重が、太陽光発電システムの製品仕様を超える場合は設置できません。 ●PC/タブレット/スマートフォンは付属していません。また、全てのPC/タブレット/スマートフォンに対して、表示を保証するものではありません。 ●蓄電システムに必要なパワーコンディショナ、リモコン、通信モデム、関連機器・部材は図に記載しておりません。

このシステムの中で、パワーコンディショナが担う役割は次のとおりです。

  • 太陽光パネルが生み出した電気を交流にする
  • 発電量を最大化する(最大電力点追従制御)
  • 逆潮流させる・逆潮流を防ぐ(逆潮流制御機能)
  • 異常を検知したら系統から切り離す(系統連系保護機能)
  • 停電時に電気を使えるようにする(自立運転機能)

それぞれの役割について、詳しく見ていきましょう。

 

太陽光パネルが生み出した電気を交流にする

実は太陽光パネルが発電する電力は「直流」です。 各種電化製品・電気機器は電力会社から送られてくる「交流」で使うことを前提としているため、そのままでは電気を使うことができません。 そこでパワーコンディショナによって、太陽光パネルが生み出した電気を交流に変換し、家庭内やオフィスなどで使えるようにします。

 住宅用のパワーコンディショナの例 

 
パワーコンディショナは太陽光パネルからの直流電力を家庭で使える交流電力に変換
 

これがもっとも基本的なパワーコンディショナの役割です。

 

発電量を最大化する(最大電力点追従制御)

パワーコンディショナは、太陽光発電の発電量を最大化する役割も担っています。
そもそも太陽光発電の発電量は、天候・季節に応じた日照時間に大きく左右されます。とくに曇っている場合、電圧と電流の変動が大きく、発電量が非常に不安定になることが特徴です。発電量が不安定になるため、太陽電池から得られる電力も変化します。

この変化する太陽光発電の電力から最も多くの電力を取り出す仕組みが、「MPPT(最大電力点追従制御|Maximum Power Point Tracking control)」と呼ばれるパワーコンディショナの機能です。
パワーコンディショナはMPPTによって発電量が最大になる電流・電圧の組み合わせ(最大出力点)を探り、より多くの電力を安定供給してくれています。

 

発電量を最大化する(最大電力点追従制御)

 
role-of-powercon05.png

電気(電流)は、電圧の高いところから低いところへ流れます。通常は電力会社から家庭・企業(系統側から需要家側)へと電気が流れますが、もし売電するとなれば、家庭・企業から電力会社(需要家側から系統側)へと電気を流さなければなりません。この需要家側から系統側へ電気を流すことを「逆潮流」といいます。

日本の場合、基本的に電圧は100Vが基準となっていますが、電線内の電圧は100V前後(90V〜107V)で変動しているため、もし売電する場合は家庭側の電圧を高めて逆潮流させなければなりません。

一方、自家消費をメインとする場合、逆潮流が発生しないことが前提とされています。しかし電気が使いきれないと、意図せずして系統側に電気が流れてしまうかもしれません。このような逆潮流が発生すると、電力会社との契約違反となりますので逆潮流をしないようにパワーコンディショナで発電量を調整します。 このように、太陽光発電を使用するために不可欠な「逆潮流させる」「逆潮流を防ぐ」ということも、パワーコンディショナが逆潮流制御機能を用いてコントロールしています。

 

異常を検知したら系統から切り離す(系統連系保護機能)

家庭・企業が余剰電力を電力会社に送電する場合、一般送配電事業者の送電線に接続する「系統連系」という契約を結んでいます。そして電力会社は電気を安定供給するため、つねに電圧・周波数などを一定水準にキープしています。

そんな中、もし家庭・企業側の太陽光発電システムに電圧・周波数に影響するトラブルがあり、トラブルが生じたまま系統に接続していると、辺り一帯が停電してしまう可能性があります。反対に、電力会社からの電力に異常があった場合、そのまま電気を受け入れていると、太陽光発電システムに悪影響を及ぼす可能性があります。

このような被害を防ぐため、異常を検知したら系統から切り離すこともパワーコンディショナの役割の一つです。これは「系統連系保護機能」と呼ばれています。

 

停電時に電気を使えるようにする(自立運転機能)

 
role-of-powercon06.png

太陽光発電を導入すれば停電時でも電気を使えると思っている方もいるかもしれません。

しかし実は、パワーコンディショナに「自立運転機能」が備わっていないと、たとえ発電したとしても停電時に電気を使うことができません。

自立運転機能はすべてのパワーコンディショナについているわけではないため、もし災害対策・停電対策として太陽光発電を導入する場合は、あらかじめ確認しておきましょう。

太陽光発電で停電時に備える方法と停電時の操作方法とは?

 

パワーコンディショナの寿命

太陽光発電システムの中で重要な役割を果たしているパワーコンディショナですが、その寿命は10年〜15年程度です。太陽光パネルは20年〜30年以上も稼働し続ける製品もあり、基本的にはパワーコンディショナの交換頻度のほうが多くなります。

パワーコンディショナの劣化原因としては「経年」が代表的です。パワーコンディショナは常に稼働し続けるため、どうしても経年によって内部の電子部品が劣化していってしまいます。また、風雨や結露にさらされ続けると、劣化スピードが早まるため注意してください。

なお、雷によって異常な高電圧がかかると、パワーコンディショナ内部の電子部品が故障することがあります。

定期点検を怠っていると小さな故障に気が付かず、そこから大きな不具合が生じるケースも珍しくありません。パワーコンディショナを長く使い続けるためにも、定期点検は必ず実施しましょう。

 

パワーコンディショナを選ぶポイント

 
role-of-powercon07.pngそれでは、パワーコンディショナを選ぶときに注目すべきポイントについても見ていきましょう。
  • 変換効率
  • 最大定格出力
  • 設置場所と設置条件
  • 保証期間・保証内容
  • 自立運転機能の有無
  • 太陽光発電出力制御への対応可否

それぞれ詳しく解説します。

 

変換効率

直流から交流へ変換すると、どうしてもロスが発生してしまいます。せっかく太陽光で発電した電気を最大限活用するためにも、変換効率が高いパワーコンディショナを選ぶといいでしょう(目安として変換効率95%以上の製品が主流です)。

 

最大定格出力

「太陽光パネルの出力」が「パワーコンディショナの最大定格出力」を超えてしまうと、その分の電気は直流から交流に変換できず使用できません。太陽光パネルの出力に合致したパワーコンディショナを選びましょう。

なお、太陽光パネルを過積載することで、システムとしての発電量を最大化するケースもあります。 また、将来の増設予定などにより、適したパワーコンディショナが異なりますので、どのような方針で発電量を最大化していくかについては、販売店や技術代理店と相談してみてください。

 

設置場所と設置条件

パワーコンディショナは直射日光を避けられる場所に設置するのが適しています。そしてパワーコンディショナは意外と大きく、それ相応のスペースを要することも知っておきましょう。なお、屋外だけではなく、屋内に設置することも可能です。

また、製品の仕様によって潮風による塩害や標高など、設置条件が異なりますので事前に確認しましょう。

 

保証期間・保証内容

パワーコンディショナを安心して使い続けられるよう、メーカーの保証期間・保証内容についてもご確認ください。

たとえば京セラは、住宅用太陽光発電システムに対し、機器15年・自然災害15年・出力20年を保証する「トリプル保証」を有償提供しています。パワーコンディショナも保証対象で、落雷や台風はもちろん、飛来物や火事などによる被害もカバーしていることが特徴です。

安心してお使いいただける京セラの太陽光発電システムについて

法人向けについては、採用されるパワーコンディショナによって異なるものの、国内メーカーは機器保証1年、海外メーカーでは機器保証5年オプションで20年まで延長可能なものもあります。詳しい条件についてはケースごと異なるため、ぜひお問い合わせください。

 

自立運転機能の有無

停電対策として太陽光発電・蓄電池を導入する場合、自立運転機能がついたパワーコンディショナを選ばなければなりません。
昨今は自立運転機能がついた製品が多いものの、購入前に必ず確認するようにしましょう。

 

太陽光発電出力制御への対応可否

電力を安定供給するためには、「消費量」と「発電量」のバランスを取らなければなりません。もし需給バランスが崩れると、周波数が大きく変動して電気設備が不調になったり、大規模停電が発生したりする可能性もあります。

このような事態を防ぐため、消費量と比べて発電量が増えすぎることが予想される場合、発電量を減らすことで需給バランスを保ちます。これが出力制御です。

出力制御(出力抑制)とは?仕組みや太陽光発電への影響・ルール・対策を紹介!

2024年時点では、10kW以上の太陽光発電設備も発電所の一つとして制限を受けます。10kW未満(家庭用など)の設備は実施対象外とされていますが、今後の情勢によっては出力制御の対象となる可能性もあるでしょう。

京セラの産業用パワーコンディショナは、電力会社からの太陽光発電出力制御への対応品もラインナップされています。

産業用パワーコンディショナ

家庭用の場合、出力制御のためには遠隔制御用機器として「HEMS」が必要となり、機器をインターネットへ接続しなければなりません。HEMSを導入することで自治体から補助金がおりることもあるため、ぜひご検討ください。

令和6年度の住宅用太陽光発電導入に使える補助金を紹介!【2024年10月】

ちなみに、京セラでは住宅用太陽光発電の出力制御に対応できる 「出力制御ユニット 」 という製品があります。

 

パワーコンディショナのメンテナンスと故障

 
role-of-powercon08.png

それでは最後に、パワーコンディショナのメンテナンスと故障について知っておきたいことを紹介します。

 

定期的な点検の重要性

先述したとおり、パワーコンディショナは常に稼働し続けるため、大きな負担がかかっています。少しの故障で寿命を縮めないためにも、定期的に点検し、メンテナンスすることが重要です。また、日常的に発電量に異常が無いかチェックし、発電量の低下がみられた場合は早期に点検・修理・交換をしてもらうことで、システム全体の故障など、大きな損失につながることを防ぐことができます。

 

故障時の対応とメンテナンスにかかるコスト

故障時の対応とメンテナンスにかかるコストについても見ていきましょう。

経済産業省が発表した 「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」 (7.38MB)によると、家庭用の場合、パワーコンディショナを含む太陽光発電システムの定期点検費用(メンテナンス)の相場は約4.7万円程度とされています。(太陽光発電の規模で考えると、想定値は5,800 円/kW/年とされています)なお、定期点検頻度は3〜5年程度が一般的です。

そしてこの定期点検でパワーコンディショナの故障が判明した場合、基本的には交換することになります。交換費用の相場は34.5万円程度が相場です。令和5年の相場と比べると、半導体不足や人件費増などを要因として、メンテナンス費用は上昇傾向にあります。

また、事業用太陽光発電のメンテナンスコスト(運転維持費)については、地上設置の平均値が5,200円/kW/年(中央値4,100円/kW/年)、屋根設置の平均値も5,200円/kW/年(中央値 3,700円/kW/年)です。家庭用と比べるとkW/年あたりの単価は若干低いものの、事業用太陽光発電は規模が大きいことから、メンテナンスコストも相当費用を見込んでおかなければなりません。

 

PPAなら契約期間中メンテナンス費0円!

メンテナンス費用・交換費用を高額だと感じた方もいるかもしれません。半導体不足や人件費上昇により、今後メンテナンスコストは上昇していく可能性もあるため、何らかの対策をしたいと考える方もいるでしょう。

そのような方には、初期費用はもちろん、契約期間中のメンテナンス費用も0円になる「PPAサービス」がおすすめです。

PPA(Power Purchase Agreement)とは「電力購入契約」のことで、太陽光発電についてはサービス事業者の負担で設置します。太陽光発電そのものはサービス事業者の所有物であるため、メンテナンス費用もサービス事業者が負担することが特徴です。そして利用者側は、利用した分の電気料金、またはサービス利用料を支払います。

【法人向け】初期投資ゼロで設置できるPPAスキーム(モデル)とは?リースや自己投資との違いを解説!

京セラでは家庭向けとして エネルギーシステム定額サービス「ハウスマイルe」 、企業向けとして 「産業用電力サービス事業」 を提供しています。
初期費用・メンテナンス費用0円で太陽光発電を導入したい方は、ぜひ京セラのPPAサービスをご活用ください。

 

 

太陽光発電の効率を高めるためにはパワコンの性能も重要

 
role-of-powercon09.png

太陽光発電の効果を最大限に発揮しようと考え、太陽光パネルの発電効率を気にしている方は多いでしょう。しかしこの記事で紹介してきたとおり、発電した電気を効率よく使うためには、パワーコンディショナの性能も重要なのです。

京セラは太陽光パネル・蓄電池のみならず、パワーコンディショナの性能にもこだわっています。太陽光発電の効率を高めたいと考えている方は、ぜひ京セラ製品をご利用ください。

 

お問い合わせはこちら

 

【関連記事リンク】

太陽光発電の仕組みを図解でかんたん解説!特徴や基礎知識もご紹介!

太陽光パネルの寿命はどのくらい?耐久性能や劣化原因を解説!


太陽光発電の普及率はどれくらい進んだ?太陽光発電の現在とは?


太陽光発電の今後はどうなる?課題や将来性、活用方法を解説!