ファインセラミックス
課題解決事例

反射光抑制と静電気対策を両立。
露光品質の向上・歩留まり改善事例

概要
露光装置のワークチャック材料を、従来の金属製からファインセラミックス製(黒アルミナA1531A)に置き換えることで、i線露光時の諸課題を解決した事例です。レジスト塗布済みガラス基板における、反射光抑制と静電気対策の両立を解説します。
露光装置が動く様子
課 題
二重露光の発生とスパーク放電による歩留まり低下

課題①:従来、ワークを固定する治具(ワークチャック)にはアルミニウムが使用されていました。しかし、透明ワークを透過した光がチャック表面で反射し、その反射光によって二重露光(裏面露光)が発生し、製品欠陥を招く要因となりました。

課題②:二重露光を防ぐ目的でアルミニウム製チャックに陽極酸化処理を施すと、表面に酸化皮膜が形成され、チャックの表面は絶縁性となります。その結果、ワークとの摩擦によって発生した静電気が除電されなくなり、蓄積した静電気の放電現象(スパーク)に起因する製品不良や歩留まり低下が課題となりました。

■求められる要件
低反射特性: 二重露光を防止するため、i線(365nm)付近での反射率を抑制すること。
半導電性:スパーク放電を回避しつつ、静電気を安全に除電できる電気的特性を備えること。

反射光により二重露光が発生するイメージ静電気が蓄積しスパーク放電が発生するイメージ
対 策
ワークチャックへの低反射・半導電性セラミックスの採用

ワークチャックを、従来の金属製から、低反射特性と半導電性を兼ね備えたファインセラミックス製チャック(黒アルミナ A1531A、体積抵抗率(20)106~109Ω・cm)へ置き換えました。京セラの黒アルミナ A1531A は、i線を含む紫外光(UV)域において反射率を9%以下に抑制しており、部材表面での光の反射を低減します。

※本データは、自社調べによる参考値であり保証値ではありません。

ファインセラミックス製チャックへの変更イメージ
結 果
低反射・半導電化による品質向上と環境負荷低減への貢献
ワークチャックを金属(アルミニウムや陽極酸化処理アルミニウム)から低反射材(黒アルミナ A1531A)へ変更したことで、課題①②の両方を解決することができました。
まず、低反射特性により、i線領域の波長成分を効果的に吸収し、ワークの二重露光の抑制に成功しました。
二重露光を抑制するイメージ
さらに、半導電特性(体積抵抗率(20℃):106~109Ω・cm)により、絶縁体ワークとの間に発生する静電気を安定的に除電することが可能となりました。これにより、スパーク放電によるワークの損傷を抑制し、歩留まり向上を実現しています。
除電により製品不良を削減するイメージ
加えて、本材料の副成分にはCo(コバルト)やNi(ニッケル)といった特定化学物質(特化物)を*含んでいないため、環境負荷物質の管理コストを削減し、お客様の環境規制対応にも貢献しています。
*自社規定の成分分析による
*理解のしやすさを優先しているため、図・アニメーションでは一部実際とは異なる表現をしております。
*使用条件により、特性が異なる場合があります。

関連する材料・特性

お問い合わせ