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RE100とは?
定義や条件、再エネ100%の達成方法を紹介!【法人】

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環境配慮への意識が高まり、さまざまな企業が脱炭素・カーボンニュートラルに向けて取り組んでいます。脱炭素のためにできることはさまざまありますが、もっとも取り組みやすいのは「再生可能エネルギー」の活用でしょう。

そんな再生可能エネルギーで事業活動に必要な電力を100%賄うことを目指す「RE100」という取り組みをご存知でしょうか。この記事では「RE100」の概要や参加するメリット、取り組み方法について紹介します。

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【目次】

 

RE100とは

 
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RE100とは「Renewable Energy 100%」の略で、事業で使う電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことです。

ここでいう再生エネルギーとは太陽光・風力・水力など、自然界に常に存在し枯渇しないエネルギーを指します。

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RE100が注目される背景

 
re100-04.pngRE100が注目される背景としては、次のような点が挙げられます。
  • 気候変動への対応
  • エネルギー安全保障への対策
  • 持続可能な経済成長
  • CSRへの対応

そもそも従来型の発電では、石油・石炭・天然ガスなどの『化石エネルギー』を用います。これらは発電時に二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを排出するため、地球温暖化の一因となっていることは多くの方がご存知でしょう。また、化石エネルギーは有限の資源であるため、いつまでも使い続けるわけにはいきません。

さらに、化石エネルギーは地球上の限られた地域でしか産出されないため、日本など輸入に頼っている国は、世界情勢が不安定な状況では輸入量が減ったり輸入コストが増大したりするリスクにもさらされています。

このような状況を鑑みると、気候変動を止めつつ、なおかつエネルギーを安定的に供給し持続的に経済成長していくためには、化石エネルギーではなく再生可能エネルギーを使う必要があるといえるでしょう。

昨今はCSR(企業の社会的責任)の観点からも、利益のみならず環境へ配慮した企業活動が求められています。社会の構成員としての責任を果たすために、再生可能エネルギーへの切り替えを進める企業も少なくありません。

このように再生可能エネルギーの重要性が高まっている情勢も後押しとなり、より明確な目標を掲げるために「RE100」に参加する企業も年々増加しています。その参加企業数を世界全体で見ると2024年3月時点で428社、日本だけに限っても86社も参加しているのです。

 RE100への参加企業数 

世界(社) 日本(社)
2018年3月 121 6
2019年3月 156 17
2020年3月 223 33
2021年3月 292 52
2022年3月 356 66
2023年3月 399 78
2024年3月 428 86

参考:環境省|RE100とは?(967KB)

 

RE100が目指す未来

 
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RE100はその名のとおり「事業で使う電力を100%再エネで賄う」ことを目指しています。その先にあるのは「化石エネルギーや原子力に頼らない世界」であり、気候変動を止めながらも経済成長していくことが最終的な目標だといえるでしょう。

 

RE100の加盟条件

RE100はどのような企業でも加盟できる枠組みではなく、いくつかの条件が設けられています。

まず、「年間消費電力量が100GWh以上(日本企業は特例として50GWh以上に緩和)」であることが第一条件です。かりに100GWh未満(日本企業では50GWh未満)だとしても、以下の条件をいずれか1つ以上満たしていれば加盟できる可能性があります。

  • RE100事務局が重視する地域・業種における主要事業者である
  • RE100事務局が重視する地域の政策提言に参加する意思がある
  • グローバルまたは国内において認知度・信頼度が高い
  • 主要な多国籍企業(フォーチュン1000またはそれに相当)である
  • その他、RE100の目的に利する国際的・地域的な影響力を持つ

また、他にも業種業態によってさまざまな条件が設けられています。

再エネ設備メーカー 金融機関
  • 年間消費電力量100GWh以上
  • 主要事業が再エネ設備
  • 再エネ発電所建設・運営、再エネ電力小売、再エネ関連のコンサルティング・法務サービスなどを提供している場合には、それらの収入の合計が売上の50%以下
  • 会員クラス『ゴールドメンバー』で加盟
  • 自社ポートフォリオの気候変動への影響を測定・開示すること(可能な限り早く)
  • 石炭火力・一般炭採掘に関与する事業・企業への資金供給を段階的に停止すること (先進国は2030年まで、途上国は2040年まで)
  • 化石燃料関連事業・企業に多額投資していないこと

親会社と子会社が存在する場合にはグループ全体で加盟することなど、他にも細かな要件が設けられています。

そして重要な認定要件は「期限を切った再エネ100%化目標を設定し、公表する」ことです。
遅くとも2050年までに100%再エネ化を達成する必要があるとされており、2030年までに60%、2040年までに90%達成という中間目標の設定も推奨されています。

参考:環境省|RE100とは?(967KB)

 

中小企業向けの「再エネ100宣言 RE Action」

 
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RE100加盟条件は上記のように大企業向けであるため、中小企業は加盟できません。しかし「再エネ100宣言 RE Action」であれば、中小企業であっても加盟できます。

「再エネ100宣言 RE Action」とは、電力需要家(企業・自治体・各種機関など)が使用電力を再生可能エネルギーに100%転換する意思・行動を示すことで、市場や政策を動かしていこうとする枠組みです。

こちらも遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネ転換する目標を設定・公表することが参加要件とされていますが、企業規模の要件はありません(RE100の対象となりうる規模の企業は除外)。

参考:一般社団法人再エネ100宣言 RE Action協議会|再エネ100宣言 RE Actionについて

 

企業がRE100に参加するメリット

 
re100-07.pngさて、企業がRE100に参加するメリットとしては、次の5つが挙げられます。
  • 化石燃料に依存せず事業を継続できる
  • ESG投資家の呼び込みに役立つ
  • 企業イメージが世界的に向上する
  • SDGsによってビジネス機会を創出できる
  • 太陽光発電・蓄電池の導入には補助金が使える

これらの点に魅力を感じる方は、ぜひRE100への参加をご検討ください。

 

化石燃料に依存せず事業を継続できる

RE100の理念に従い事業運営を100%再生可能エネルギーで成立させることができれば、化石燃料に依存せず事業を継続できます。

化石燃料は地政学的なリスクや市場での価格変動にさらされやすく、昨今のように不安定な世界情勢下では事業運営リスクになりえます。ロシアによるウクライナ侵攻以降、エネルギー価格の上昇に伴って電気代が高騰していることは記憶に新しいでしょう。

太陽光発電など日本国内で調達できるエネルギー源をメインに活用すれば、世界情勢による電気代高騰リスクを最小限に抑えられます。

 

ESG投資家の呼び込みに役立つ

 
re100-08.pngESG投資とはキャッシュフローや利益率、投資収益率などの財務情報だけでなく、ESGに対する企業姿勢をも加味して投資する手法です。
  • 環境(Environment)
  • 社会(Social)
  • ガバナンス(Governance)

再生可能エネルギーを活用することは「環境」へ配慮することになるため、RE100加盟企業はESG投資の対象となりえるでしょう。再エネの導入比率は、署名する機関投資家が増えている『CDP』の加点対象にもなることもポイントです。CDPについては、「RE100に関連する取り組み」の章で解説します。

2020年のESG投資残高は世界で35兆ドル(約3,700兆円|2016年比1.5倍)とも言われており、今後も規模が拡大していくと予想されています。日本政府としてもESG投資資金を呼び込むことを目指しているため、市場価値を高めたい企業にとってもRE100への参加はおすすめです。

ESG投資とは?企業がESG投資を意識した経営をするメリットをご紹介!

参考:環境省|RE100について(3.81MB)

 

企業イメージが世界的に向上する

RE100はグローバルな枠組みであるため、加盟することで企業イメージが世界的に向上することもメリットです。
なお、RE100に加盟している世界的な企業としては、次のような例が挙げられます。

  • Apple
  • Johnson & Johnson
  • Starbucks
  • Intel

ほんの一例ですが、これらの企業と同等の取り組みをしていることは、世界的なアピールになるでしょう。

 

SDGsによってビジネス機会を創出できる

 
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SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称です。2015年9月の国連サミットで採択され、17のゴール・169のターゲットから構成されています。企業の経済活動においても、企業ブランドの向上やCSRの観点から、SDGsを意識することが求められています。

RE100の理念はSDGsにも寄与するため、消費者からの注目を集めやすいこともメリットです。環境への意識が高い消費者からのニーズが高まることはもちろん、SDGsを意識する企業のサプライチェーンに取り込んでもらえる可能性もあります。

 

太陽光発電・蓄電池の導入には補助金が使える

再生可能エネルギーを活用するとなると、真っ先に思い浮かぶのが「太陽光発電」ではないでしょうか。

日本政府としてもカーボンニュートラル促進のために、太陽光発電の導入を推進しています。そのため企業が太陽光発電・蓄電池を導入するときには、さまざまな補助金を使えることもメリットです。

2024年8月時点では、令和6年度補助事業の公募期間は終了してしまっているケースが少なくありません。ただし同等の補助事業が令和7年度も継続される可能性が高いため、今から準備しておくといいでしょう。

令和6年度の法人向け太陽光発電補助金情報を紹介!【2024年5月】

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RE100における再エネ電力の調達方法

 
re100-10.pngRE100における再エネ電力の調達方法としては、次の5種類が挙げられます。
  • 太陽光(熱)
  • 風力
  • 水力
  • バイオマス(バイオガスも含む)
  • 地熱

これら再エネ手法の中で、企業としてもっとも活用しやすいのは「太陽光発電」です。自家発電はもちろん、『トラッキング付き非化石証書』による再エネ調達も、RE100では認められています(従来の非化石証書はRE100に対応していません)。

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また、企業の敷地内に設置した他社保有の設備からの電力購入(いわゆるオンサイトPPA)も、企業の敷地外に設置した発電設備からの購入・調達(いわゆるオフサイトPPA)も有効とされています。

PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で、太陽光発電を初期投資0円で設置し、発電電力のうち利用した分のサービス料のみを支払う契約形態です。PPAを活用しているRE100参加企業は多く、とくに米国・メキシコ・英国・アイルランド・オランダで大幅に増加しています。

参考:環境省|RE100について(3.81MB)

京セラも産業用電力サービスを提供していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

RE100に関連する取り組み

 
re100-12.png最後にRE100に関連する取り組みとして、下記の6つを紹介します。
  • TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
  • GHGプロトコル(温室効果ガスプロトコルイニシアチブ)
  • SBT(排出削減目標設定)
  • CDP
  • カーボンニュートラル
  • 環境経営

  • いずれもRE100と親和性が高いため、ぜひ併せて取り組んでみてください。

 

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)

気候関連財務情報開示タスクフォース、通称『TCFD』は、金融安定理事会(FSB)が設置したタスクフォースです。企業に『気候関連財務情報』の開示を促しており、ESG投資家などの適切な判断に寄与しています。

TCFDが情報開示を推奨している要素は、次の4項目です。

  1. ガバナンス(気候関連のリスクや機会に対する組織体制・経営方針)
  2. 戦略(気候関連のリスクや機会が経営に与える影響)
  3. リスク管理(気候関連のリスクが事業に与える影響に対する管理・評価)
  4. 指標と目標(経営に影響を与えうる気候関連のリスクや機会を評価する指標・評価方法)

RE100はいずれの要素にも関係します。ESG投資を呼び込みたい場合などは、開示を検討してみてください。

参考:環境省|気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)
   環境省|TCFDを活用した経営戦略立案のススメ(26.6MB)

 

GHGプロトコル(温室効果ガスプロトコルイニシアチブ)

GHGプロトコルは、1988年に世界環境経済人協議会と世界資源研究所によって共同設立されました。事業者、NGO、政府機関といった複数の利害関係者が協力して作成し、国際的に認められた温室効果ガス排出量の算定と報告の基準として提供されています。

参考:環境省| 温室効果ガス(GHG)プロトコル(237KB)

国際的な基準であるGHGプロトコルについては、モノがつくられ廃棄されるまでのサプライチェーンにおけるGHG排出量の捉え方として、「スコープ1」「スコープ2」「スコープ3」という分類方法がありますのでご紹介します。

  • ・「スコープ1」
     企業が直接排出する温室効果ガス  製品の製造や燃料の燃焼により、企業が直接排出する温室効果ガスのことです。
  • ・「スコープ2」 
    企業が間接排出する温室効果ガス  他社から供給された電気や熱などを使用することで、間接的に排出される温室効果ガスが対象です。
  • ・「スコープ3」
    原材料仕入れや販売後に排出される温室効果ガス  Scope1、2以外の間接排出を指します。
    例えば、原料調達・輸送・販売した製品の使用・廃棄の他、従業員の通勤・出張などです。

参考:経済産業省|知っておきたいサステナビリティの基礎用語~サプライチェーンの排出量のものさし「スコープ1・2・3」とは

 

SBT(排出削減目標設定)

『パリ協定』が求める⽔準と整合した温室効果ガス排出削減⽬標のを『SBT|Science Based Targets』と呼びます。

SBTは国ではなく「企業」が設定した、5年〜10年先にフォーカスした削減目標であることが特徴です。事業者のみの排出量だけではなく、サプライチェーン全体での排出削減が求められます。
SBTもRE100と同じく、対外的に「脱炭素活動」をアピールする際に役立つでしょう。

参考:環境省|SBT詳細資料(5.03MB)
   環境省|SBT概要資料(1.15 MB)

 

CDP

CDPとは、2000年に設立された国際的な環境非営利組織であり、「人々と地球にとって、健全で豊かな経済を保つ」ことを目的に活動しています。

CDPは投資家、企業、自治体、政府に対して働きかけ、それぞれの環境インパクトに関する情報開示を促し、環境報告において世界最大のデータセットを保有しています。
そして、世界中の投資家、購買企業、政策決定者は、CDPに集められた情報を活用し、データに基づいた意思決定を行っています。

参考:環境省|「リーディングテナント行動方針」セミナー資料(CDPからの情報提供)(4.66MB)

 

カーボンニュートラル

 
re100-13.png カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を「全体としてゼロ(ネットゼロ)」にする取り組みです。温室効果ガスの排出量をゼロにするわけではなく、「排出量」 から森林などによる「吸収量」 を差し引き、その合計をゼロにすることで脱炭素を目指します。

カーボンニュートラルの考え方を式で表すとこちらになります。
CO₂排出量 ー(CO₂吸収量+CO₂除去量)= ゼロ

日本政府は2050年までのカーボンニュートラルを目標としており、同じく2050年までのカーボンニュートラルを掲げる企業は増えています。

RE100もカーボンニュートラルへ向けた取り組みの一つであるともいえるため、企業としての目標年を掲げてみてもいいでしょう。

カーボンニュートラルの取り組みと太陽光発電の活用について

 

環境経営

ここまで環境に配慮した取り組みをさまざま紹介してきました。このような「地球環境に配慮した経営」のことを環境経営と呼びます。RE100をはじめとした活動に取り組むことも、環境経営の一種といえるでしょう。

なお、環境経営ではただ環境へ配慮するだけではなく、企業価値を向上させることも重視されます。RE100に取り組む際も、「どのように企業イメージを向上させていくのか」「どのように電気代削減効果などの経済的メリットも享受していくのか」などをご検討ください。

環境経営とは?環境経営の概要やメリット・注意点を解説!

 

RE100に参加するならPPAサービスの活用がおすすめ!

 
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RE100で認められる再生可能エネルギーの調達方法はさまざまですが、「再エネ調達」と「経済的メリット」を両立させる観点で考えると、PPAサービスを活用することをおすすめします。

PPAであれば初期費用はかからず、さらに補助金を利用することも可能です。オンサイトPPAであれば蓄電池と組み合わせることで、停電時の非常用電源として使用できることもあります。

産業向け(法人向け)の 「京セラのPPA」 は原則として太陽光発電のみを提供するサービスですが、蓄電池を組み込めるケースもあるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせはこちら

 

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