蓄電池の充電方法は3種類!仕組みや選び方のコツを紹介【住宅】
環境への配慮や、電気代削減効果を期待し、蓄電池の導入を検討する家庭が増えています。価格や充電容量など、さまざまな観点から蓄電池を選んでいる真っ最中だという方もいるでしょう。
しかし、そもそも家庭用の蓄電池がどのような方法で充電しており、どのように用いれば効果を最大化できるのかご存知でしょうか。この記事では、蓄電池の充電方法の仕組みや、蓄電池をどのように選べばいいか解説します。
蓄電池の導入を考えている方は、ぜひご参考になさってください。
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京セラのエネルギーシステム定額サービスHOUSmile_e(ハウスマイルイー)
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蓄電池はどこで買う?選び方や注意点をメーカー目線で解説!【住宅】
【目次】
蓄電池の充電・放電の仕組み
まず最初に、蓄電池の仕組みや種類について基本知識を紹介します。
蓄電池とは?種類や仕組み、太陽光発電と併用した時のメリットと注意点は?
蓄電池の構造(リチウムイオン電池の場合)
家庭用の蓄電池で一般的な「リチウムイオン電池」の構造を説明します。
リチウムイオン電池は下記の図のように、正極(プラス極)・負極(マイナス極)・ 電解液・セパレータで構成されており、電解液の中をリチウムイオンが移動することが特徴です。
リチウムイオン電池は、リチウムイオンを正極と負極の間で動かすことで、充放電を繰り返せるようになっています。
このような繰り返し使用できる電池を「二次電池」と呼ぶことも知っておきましょう。
蓄電池の充電の仕組み
電流を流すことで、負極に電子を取り込ませられます。このとき、正極側にあるリチウムイオンも負極へと移動します。これが充電です。
負極にリチウムイオンがたまると、次に紹介する放電が可能となります。
蓄電池の放電の仕組み
負極からリチウムイオンが放出され正極に移動するとき、電子は回路を経て負極から正極に移動します。この電子の移動に伴って、電力を利用できるようになることが放電です。
放電すると、リチウムイオンは正極側に溜まります。この状態で再びリチウムイオンを負極側に動かすと、充電が可能です。
蓄電池の種類と特徴
先述したリチウムイオン電池をはじめ、蓄電池にはさまざまな種類が存在します。
種類 | 特徴 | 使用例 |
リチウムイオン電池 |
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鉛電池 |
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ナトリウム硫黄電池 |
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ニッケル水素電池 |
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蓄電池とは?種類や仕組み、太陽光発電と併用した時のメリットと注意点は?
このように蓄電池にはさまざまな種類がありますが、リチウムイオン電池がもっとも軽量かつ大容量のバッテリーに適しています。
そのため家庭で使用される蓄電池は「リチウムイオン電池」を採用することが多いのです。
また、蓄電池は、設置方法によって次の2種類に分けられます。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
ポータブル |
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定置型 |
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ポータブル蓄電池はレジャー・アウトドアに使用することが前提ですが、災害時の電力確保用に使うことも不可能ではありません。ポータブル蓄電池は、持ち運びができる小型の太陽光パネルとの接続も可能です。しかし蓄電容量が小さいため、住宅内すべての電力を賄えないことがデメリットです。
定置型蓄電池はポータブルと比べると高価格ですが、蓄電容量が大きいため家中の電化製品の消費電力を賄えます。太陽光発電と連携すれば災害時に活用することはもちろん、日常の購入電力量を削減する効果も期待できるでしょう。
このような点をふまえると、住宅に設置する蓄電池としては「定置型」がおすすめです。
蓄電池の充電方法
- コンセント
- 太陽光発電
- 外部電源(燃料電池やEV/ハイブリッド車の車載コンセントなど)
コンセントから充電
ポータブル蓄電池の場合、コンセントにプラグをさせば、電力会社から電気を購入して充電できます。 この方法であれば大規模な配線工事は必要ないため、気軽に蓄電池を設置できるでしょう。
また、定置型の蓄電池の場合は電気工事を行い、プラグの接続なしに充電をすることが可能です。
どちらも電気代単価の安い夜間に充電し、単価の高い日中に放電することで、電気代を節約できます。 ただし、長引く停電では蓄電容量が足りなくなることが懸念されます。そのため災害時の非常用電源としても活用したい場合は心もとないことはデメリットです。
所有する車にV2HやV2Lの機能があれば、その電気を蓄電池に充電することも可能です。
太陽光発電から充電
定置型の蓄電池を太陽光発電と連携すれば、太陽光発電の余剰電力を充電できます。
太陽光発電の設置工事が別途必要となりますが、日中に発電した余剰電力を蓄電池に溜めておけるため、夜間や荒天時にも電気を購入する必要がなくなるかもしれません。また、長期的な停電が発生した時にも普段通り電化製品を使えるようになるため、在宅避難時にも役立ちます。
外部電源(燃料電池やEV/ハイブリッド車の車載コンセントなど)
従来の蓄電池機能に加えて、外部電源からの充電を可能した製品もあります。
京セラの 「Enerezza Plus」 は、太陽光発電だけではなく、非常時に燃料電池・EV/ハイブリット車の車載コンセント・ポータブル蓄電池・発電機などさまざまな電源と連携できるため、停電が長引いても電気を使い続けられる可能性が高まります。
Enerezza® Plusの場合
●蓄電池ユニットからの電力は蓄電池の台数(定格容量)により最大出力値が変わります。 太陽光発電の発電量や蓄電池の設置容量・外部発電入力機能の使用の有無により出力値は変動します。接続する負荷(家電製品など)の特性によっては使用できないことがあります。 ●車はAC100V(200~1500W) 車載コンセントを備えたものに限ります。また、車載コンセントは車種により接続できないものもあります。連携にはオプション品のEXボックス・ケーブルが必要です。 ●燃料電池の対応機種は販売窓口へお問い合わせください。機種によっては接続できないものがあります。オプションの「疑似電流コイル」・「疑似電流ケーブル」が必要です。非対象の機器もあります。
京セラのエネルギーシステム定額サービスHOUSmile_e (ハウスマイルe) は、初期費用0円で 「Enerezza Plus」 を導入することが可能です。
太陽光発電と蓄電池を両方とも初期費用0円で導入したいご家庭は、ぜひご検討ください。
「蓄電池」と「太陽光発電」の連携
「蓄電池」と「太陽光発電」を連携することで、お互いの性能を最大限に発揮できます。
ここからは連携するときの機器構成、メリット・デメリットについて見ていきましょう。
太陽光発電と蓄電池の両方を設置するメリット・デメリットとは?仕組みや特徴と合わせて解説
機器構成
「蓄電池」と「太陽光発電」を住宅に設置するときの全体像は次のとおりです。
- ※1電力会社の系統の状況により、逆潮流電力(需要者側から電力系統側に送る電力)が制限され、太陽光発電システムからの売電電力量が少なくなる可能性があります。 このような状況が頻繁に発生する場合は、電力系統側での対策が必要な場合がありますので、販売窓口にご相談ください。
- ※2蓄電池で貯めた電気を売電することはできません。
●図は、晴れの日の平常時のイメージです。 ●建築基準法施行令第86条による垂直積雪量の荷重が、太陽光発電システムの製品仕様を超える場合は設置できません。 ●PC/タブレット/スマートフォンは付属していません。また、全てのPC/タブレット/スマートフォンに対して、表示を保証するものではありません。 ●蓄電システムに必要なパワーコンディショナ、リモコン、通信モデム、関連機器・部材は図に記載しておりません。
太陽光パネルが発電する電気は「直流」であるため、そのままでは家庭で使うことができません。そのため『パワーコンディショナ』によって家庭で使用できる「交流」へと変換し、さらにそこから『分電盤』に接続し、自家消費したり売電したりしています。
ここで余剰となった電力は、通常は溜めておけません。そのため、たとえ太陽光発電があったとしても、夜間や荒天時など発電できない時間帯は自家消費できないのです。
しかし蓄電池があれば太陽光発電による余剰電力はもちろん、購入単価が安い時間帯に電力を溜められます。
「蓄電池」と「太陽光発電」を連携するメリット
- 停電対策・災害対策
- 電気代値上げ対策
- 環境負荷の削減
また、蓄電池があれば夜間・荒天時にも太陽光発電が作りだした電力を使えるため、下記の画像のように電力会社からの購入量を削減できます。
昨今のように電気代が値上がりしている状況においては、蓄電池を活用することによる節約効果はより高くなるでしょう。
また、太陽光で発電した電気を余すことなく活用できるため、化石燃料由来の電力購入量を減らせることもメリットです。家庭からの環境負荷をなるべく減らしたいと考えている方も、蓄電池を活用してみてください。
「蓄電池」と「太陽光発電」を連携するデメリット
- 設置スペースが必要である
- 設置費用が高い
費用の相場については、こちらの記事で紹介していますので、ご覧ください。
太陽光発電と蓄電池の両方を設置するメリット・デメリットとは?仕組みや特徴と合わせて解説
また、昨今では国や自治体から補助金が支給されます。たとえば一般住宅への蓄電池導入に活用できる国主導の補助事業としては、次の3つが代表例です。
子育てエコホーム支援事業 | 定置用リチウム蓄電池 |
家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業 (DR対応蓄電池) |
DRに対応可能な家庭用蓄電システム |
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業 (ZEH補助金) |
登録済みの蓄電システム (京セラの「Enerezza」「Enerezza Plus」など) |
なお、都道府県・市町村単位でも補助金が用意されています。太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで補助対象となる事業も多いため、お住まいの自治体のホームページをご確認ください。
蓄電池の選び方
- 寿命
- 容量
- 価格
- 設置場所
- 外部電源(燃料電池やEV/ハイブリッド車の車載コンセントなど)との連携
寿命
蓄電池は「電池」であるため、寿命が決まっています。使用環境や設置環境によって異なりますが、10〜15年程度が寿命の目安です。
なお、蓄電池の寿命単位としては「使用期間」だけではなく、「サイクル数」が用いられることもあります。蓄電池を充電量0%から100%に充電し、さらに満充電にした電気をまた0%にするまでが1サイクルです。サイクル数6,000〜12,000回程度が一般的な蓄電池の寿命だといわれています。
また、「使用期間」「サイクル数」といった寿命目安を過ぎたとしても、突然蓄電池が使えなくなるわけではありません。故障さえしなければ、使い続けることは可能です。ただし寿命を過ぎると蓄電池の最大容量が減少していくため、使い勝手が悪くなることは事実です。
快適に蓄電池を使い続けるためには設置場所に配慮したり過放電・過充電に注意したりすることも重要ですが、そもそもの製品寿命が長い蓄電池を選ぶことをおすすめします。
たとえば京セラのマルチ入力型ハイブリッド蓄電システム 「Enerezza Plus(エネレッツァ プラス)」 は、20,000サイクル※3後も約60%の電池容量を維持するため、従来当社製品※4よりも長く使い続けられることが特徴です。
家庭用蓄電池の寿命は何年?種類ごとの目安や長持ちさせるポイント
- ※3京セラ所定の条件で充放電を繰り返し、定格容量の60%に劣化するまでの回数となります。あくまで目安の数値であり、実際はお客様の設置状況や使用状況により異なります。またサイクル数を保証するものではありません。
- ※4京セラ製の蓄電池ユニット(型式:LBS-0500)
容量
蓄電池の容量は、1日あたりの電気使用量を算出し、そこから逆算していきます。電力量の計算式は次のとおりです。
出力(W)×時間(時間)÷1000=電力量(kWh)
たとえば非常時でも使用したい電化製品の例を挙げると、エアコンは750W、洗濯機は400W、冷蔵庫は200W程度が一般的です。その他の電化製品も加味した必要容量は、下記のシミュレーションツールで計算できます。家族構成やライフスタイルによっても適した容量は異なるため、一度計算してみてはいかがでしょうか。
たとえば先述した 「Enerezza Plus」 の最大容量16.5kWであれば、これだけの家電を利用できます。
ぜひ容量選びのご参考になさってください。
なお、蓄電池の容量が大きければ大きいほど、いざという時に使える電気量も多いです。そして容量が大きければ、それだけ寿命も長い傾向にあります。
家庭用蓄電池の容量の決め方は?目安や計算方法、選び方のポイント
価格
寿命が長く、容量が大きい蓄電池が理想的なことは間違いありません。しかし超寿命・大容量の蓄電池は、それだけ価格が高いことも事実です。
先述したとおり蓄電池導入時に使える補助金も多々あるため、費用負担を最小限に抑えるためにも積極的に活用してみてください。なお、補助金を利用する場合は、各制度ごとの基準・要件を満たした蓄電池を選びましょう。
また、初期費用0円で太陽光発電を導入できる「PPAサービス」に、蓄電池を組み込めることもあります。たとえば京セラが提供する エネルギーシステム定額サービス HOUSmile_e (ハウスマイルe) は、5.5kWh・11.0kWh・16.5kWhの3パターンからお好きな蓄電容量を選ぶことが可能です。
設置場所
定置型の蓄電池は、屋外であれば直射日光を避け、風通しのいい場所に置くことが望ましいとされています。
室内に十分なスペースがある場合は、屋内に蓄電池を設置する製品もあります。
蓄電池の設置場所を決めるためのポイントは多岐にわたり、家庭ごとに最適なプランは異なります。置き場所に後悔しないためにも、設置業者と現地をご確認ください。
外部電源(燃料電池やEV/ハイブリッド車の車載コンセントなど)との連携
蓄電池に更なる利便性を求める場合は、外部との連携機能も考慮してみてください。
実は一般的な蓄電池は、太陽光発電としか連携しておらず、夜間・悪天候時に蓄電池の充電残量がなくなると、電気を使えなくなってしまいます。
蓄電池の充電方法の章で紹介したように、 「Enerezza Plus」 のようなマルチ入力型ハイブリッド蓄電システムであれば、太陽光発電だけではなく、燃料電池・EV/ハイブリット車の車載コンセント・ポータブル蓄電池・発電機などさまざまな電源と連携できるため、停電が長引いても電気を使い続けられる可能性が高まります。
蓄電池は京セラに相談!
蓄電池を導入すれば、日常では電気代を削減する効果が、そして停電時には非常用電源としての効果が期待できます。このような蓄電池としてのメリットを最大限に発揮するためには、太陽光発電からはもちろん、外部電源からの充電も可能なマルチ入力型ハイブリッド蓄電システムを導入するといいでしょう。
しかし、それぞれのご家庭の電力使用量・ライフスタイル・予算によって最適な蓄電池は異なります。ご自宅に最適な蓄電池を選びたい方は、ぜひ京セラにご相談ください。豊富なラインナップの中から、最適な蓄電システムをご提案いたします。
京セラは初期費用0円で太陽光発電・蓄電池を導入できる エネルギーシステム定額サービスHOUSmile_e (ハウスマイルe) を提供しています。 太陽光発電と蓄電池を両方とも初期費用0円で導入したいご家庭は、ぜひご検討ください。
(更新日:2024年10月24日)
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●「エネレッツァ」「Enerezza」は京セラ株式会社の登録商標です。