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電気代の計算方法を徹底解説!
kWhの仕組みや節約術も紹介!【住宅】

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電気代を上手に節約するためには、そもそも電気代がどのように決まっているのか計算方法を知らなければなりません。

そこでこの記事では、「家庭全体の電気代を計算する方法」「電化製品ごとの電気代を計算する方法」について詳しく解説します。

電気代の計算に不可欠な”kWh”の仕組みや、家庭でできる電気代節約術についても紹介するので、ぜひご参考になさってください。

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【目次】

 

電気代の計算方法と1kWhの考え方

 
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それでは早速、電気代の計算方法と計算に用いる「1kWh」の概要について見ていきましょう。

「1kWh」の仕組みと家庭での電気代、そして電化製品ごとの電気代の計算方法を解説します。

 

kWhとは何か

まず前提として、使用した電気に応じて請求される「電力量料金」は、1kWhを単位に設定されています。

kWh(キロワットアワー)とは電力量のことです。理科の授業で習うとおり、kWhは次の3つの要素に分けられます。

  • k(キロ)=1,000倍
  • W(ワット)=電力
  • h(アワー)=時間(hour)

このうちWは、V(ボルト) × A(アンペア)で求めます。どれだけの電圧(V)でどれだけの電流(A)を流せたのか、仕事量を意味していることがポイントです。「仕事量」を簡単にいうと、電気製品の稼働に必要なパワー(消費するエネルギー)ともいえます。

たとえば、50Wの電球に比べると100Wの電球のほうが明るいということは、多くの方がイメージできるのではないでしょうか。これは100Wのほうが、多くの電気エネルギーを消費しているからです。

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また、k(キロ)はkmやkgで使われているとおり、1,000倍を意味します。つまり1kW=1,000Wです。 そして、Wは電気が1秒間に消費したエネルギー量のことですが、Wh(ワットアワー)は1Wの電力を1時間使った時の電力量を意味します。

つまり、1,000W(1kW)の電力を1時間(h)使ったときの電力量が「1kWh」ということです。

 

家庭の電気代を計算する方法

それでは家庭の電気代がどのように決まるのか見ていきましょう。家庭の電気代は、大きく分けて次の3つの要素で構成されています。

電気料金= 基本料金 + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金

基本料金は電力会社(小売電気事業者)との契約アンペアの容量(A)で決まる要素で、電気の使用料に関わらず毎月定額です。

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電力量料金は使用電力量に応じて決まる従量課金の部分で、さらに次のように細分化できます。

電力量料金単価(円/kWh)× 使用電力量(kWh)+ 燃料費等調整額(燃料費調整単価×使用電力量)

そして再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、電力会社が再エネ調達に要したコストを消費者が負担するもので、次の式で計算します。

再エネ賦課金単価(円/kWh) × 電力使用量(kWh)

少し複雑に思えるかもしれませんが、単純に考えると、各種単価(円/kWh)× 電力使用量(kWh)で電気料金が決まるということです。

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電化製品ごとの電気代を計算する方法

ここまで紹介した計算式をふまえると、電化製品ごとの電気代は、次の式で計算できます。

消費電力量(kWh)×電力量料金単価(円/kWh)
●計算を簡略化するため、再エネ賦課金と燃料費等調整額は含めていません

そして、電化製品の本体や説明書には、製品ごとの消費電力(W/kW)もしくは消費電力量(Wh/kWh)が記載されています。これらの情報を見れば、電化製品の電気代を計算できるのです。 ただし、どの単位の情報が記載されているかによって計算式は異なります。記載単位ごとの計算式は次のとおりです。

電化製品の記載内容 電気代の計算式
消費電力 W 消費電力(W)× 1h ÷ 1,000 × 電力量料金単価(円/kWh)
消費電力 kW 消費電力(kW)× 1h × 電力量料金単価(円/kWh)
消費電力量 Wh 消費電力量(Wh) ÷ 1,000 × 電力量料金単価(円/kWh)
消費電力量 kWh 消費電力量(kWh)× 電力量料金単価(円/kWh)

 

主な電化製品の電気代を計算!

 
calculationofelectricitybills04.png それでは上記の計算式を使って、次の電化製品を例に電気代を求めてみましょう。それぞれの電化製品の特性上、1時間あたりや1日あたり、1年あたりと表記が異なりますが、ご家庭の電気代の計算のご参考になさってください。
  • テレビ
  • 照明器具
  • エコキュート
  • 冷蔵庫
  • エアコン
  • 暖房器具

なお、電力量料金単価(円/kWh)については、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 が公表している目安単価31円/kWh(税込)として計算します(現在の目安単価は、令和4年7月22日に改定されたものです。実際の単価は契約している電力会社やプランなどによって変動しますので、参考値としてご覧ください)。

 

テレビ

テレビの消費電力は大きさや液晶種類によって異なりますが、一般的な液晶テレビなら30〜200W程度であるケースが多いです。

たとえば、50v型の消費電力100Wのテレビを1時間視聴した場合の電気代は、100W × 1h ÷ 1,000 × 31円/kWh=3.1円となります。

 

照明器具

照明器具にはさまざまな種類がありますが、もっとも消費電力が少ないのがLED照明です。同じくらいの明るさを求める場合、LED照明の消費電力は白熱電球の1/10〜1/8程度、蛍光灯の1/3程度になるといわれています。

反対に考えると、LED照明の電気代と比べて、白熱電球は8倍~10倍、蛍光灯は3倍程度高くなるということです。電気代を節約したい場合は、なるべくLED照明を選ぶといいでしょう。

たとえば、照明を1時間使う場合の電気代は、消費電力10WのLED電球なら電気代は10W × 1h ÷ 1,000 × 31円/kWh=約0.3円、消費電力30WのLEDシーリングライトなら30W × 1h ÷ 1,000 × 31円/kWh=約0.9円です。

 

エコキュート

オール電化住宅の場合、エコキュート(家庭用ヒートポンプ給湯器)でお湯を沸かしています。貯湯容量や季節にもよりますが、一般的な家庭が370Lのエコキュートを使う場合、1日あたりの消費電力量は約4kWhです。

つまり1日あたりの電気代は4kWh × 31円/kWh=124円となります。

参考:経済産業省|DRready 勉強会(第2回)資料(1.37MB)

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冷蔵庫

冷蔵庫の電気代は、年間消費電力量をもとに計算します。

メーカーや容量ごとに異なりますが、年間消費電力量は約200〜400kWh程度の製品が多いです。年間消費電力量が300kWh未満なら、比較的省エネ性能が高いといえるでしょう。

たとえば、年間消費電力量が250kWhの冷蔵庫なら、1年間のトータル電気代は250kWh×31円/kWh=7,750円です。

 

エアコン

 
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エアコンの消費電力は、冷房時と暖房時で異なります。製品によっても異なりますが、冷房時は1,000W程度、暖房時は1,200W程度が一般的です。

この場合、冷房時は1時間あたり31円、暖房時は37.2円ほど電気代がかかります。ただし、エアコンの消費電力量は「室内外の温度」や「設定温度」で大きく左右されるため、取扱説明書には『期間消費電力量』という、1年間の想定使用電力量が掲載されていることがポイントです。

たとえば、期間消費電力量が1,200kWhのエアコンなら、1年間で1,200kWh×31円/kWh=37,200円の電気代がかかります。

期間消費電力量とは エアコンが1年間に消費する電力量の目安のこと。一般社団法人日本冷凍空調工業会 が規定する以下条件で、エアコンメーカーが試算しています。
  • 外気温度:東京をモデル
  • 室内設定温度:冷房時27℃/暖房時20℃
  • 冷房期間:5月23日~10月4日
  • 暖房期間:11月8日~4月16日
  • 使用時間:6時~24時(18時間)
  • 住宅:JISC9612による平均的な木造住宅(南向き)
  • 部屋の広さ:機種に見合った部屋の広さ

実際の消費電力量は地域・気象条件・使用条件などにより変動しますが、電気代の目安を計算する際に役立ちます。

関連記事: エアコンの節電の方法とは!?エアコンを活用して快適に過ごすポイントを紹介【住宅】

 

暖房器具

エアコン以外にもさまざまな暖房器具がありますが、いずれも消費電力が大きいことが特徴です。

たとえば、オイルヒーターは600W〜1,500W、ホットカーペットは100W〜500W、こたつは80W~600W程度の製品が多いでしょう(設定温度を高くすればするほど、消費電力もふえます)。

いずれの暖房器具を使うにしろ、仮に500Wで1時間使用した場合、電気代は500W× 1h ÷ 1,000 × 31円/kWh=15.5円です。たとえば、1日に5時間使用する場合、1日あたり77.5円かかることになります。

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家庭の電気代平均と目安

さて、我が家の電気代が他の家庭と比べて平均的な水準なのか、それとも高いのか、気になるという方も多いのではないでしょうか。世帯人員別に、1か月あたりの平均的な電気代を見てみましょう。

 
世帯人員 1か月間の電気代
1人 5,810円
2人 10,067円
3人 11,635円
4人 11,880円
5人 13,683円
6人以上 15,301円
平均 11,678円

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)|家計調査 / 家計収支編 単身世帯(表番号2)二人以上の世帯(表番号3-1)

  • ●単身世帯(表番号2):単身世帯のうち勤労者世帯、二人以上の世帯(表番号3-1):二人以上の世帯のうち勤労者世帯(うち世帯主が60歳未満)

全体の平均である11,678円をもとに考えると、年間の電気代が14万円を超えている場合、他の家庭より電気代が高いといえるでしょう(ただしオール電化住宅は平均額を上回る可能性が高いです)。

また、電気代は季節によっても変動します。二人以上世帯の四半期ごとの平均電気代は次のとおりです。

2024年の電気代
1~3月期 4~6月期 7~9月期 10~12月期
13,265円 11,125円 11,984円 11,657円

参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)|家計調査 / 家計収支編 二人以上の世帯(表番号6-1)

冬場は消費電力の大きい暖房器具を使うため、電気代が高くなりやすいことが特徴です。これら平均よりも数千円単位で電気代が高い場合は、何らかの対策をしたほうがいいかもしれません。

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電気代が高くなる背景と主な原因

さて、昨今はとくに電気代が高騰していますが、その背景としては次の3点が挙げられます。

  • 燃料価格の高騰
  • 電力需給のひっ迫
  • 電力会社による料金改定

この記事では各原因について簡単に説明しますので、さらに詳しく知りたい方は下記の関連記事もあわせてご覧ください。

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燃料価格の高騰

火力発電に必要な原油・液化天然ガス(LNG)などの燃料価格が上昇すると、「燃料費調整額」として毎月の電気代に反映されます。

2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻、円安などの影響を受け、燃料費調整単価に影響を及ぼしています。

 

電力需給のひっ迫

モノの値段は、需要に対して供給が不足すれば上昇します。これは電力も同じです。

原子力発電所の稼働停止、火力発電所の老朽化にともなう休廃止などに伴い、日本国内の電力需要はひっ迫しています。そのため慢性的に電気代が高くなっているのです。

 

電力会社による料金改定

日本は、ここ数年間インフレが続いています。

燃料価格だけではなく、あらゆるモノの値段が上昇しているため、営利企業である電力会社は電気料金の値上げを余儀なくされているのです。

 

家庭でできる電気代節約術

 
calculationofelectricitybills06.png 電気代は世界情勢・マクロ経済的な要因によって上昇しており、個人レベルでの対策は難しいと思うかもしれません。

しかし、次のような節約術なら各家庭で実施でき、思いのほか電気代を削減できることもあります。
  • 契約している電力会社・電力プランを見直す
  • 電化製品の使い方を見直す
  • 旧型製品は省エネ製品に置き換える
  • 太陽光発電を導入する
  • 蓄電池を導入する

それぞれの節約術について、詳しく見ていきましょう。

 

契約している電力会社・電力プランを見直す

契約している電力会社・電力プランを見直すことで、電気代を節約できることもあります。

今ではさまざまな会社が電力事業に参入しているため、なるべく基本料金や電力量料金単価が安い会社を選ぶことも可能です。他サービスで使えるポイントが貯まりやすい電力会社に乗り換えてもいいでしょう。

また、電力会社を換えず、電力プランだけを見直す方法もあります。たとえば、夜間の電力料金単価が安いプランに切り替え、洗濯機や食洗器を夜中に動かすようにすれば、節電せずに電気代を節約することも可能です。

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電化製品の使い方を見直す

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電化製品の使い方を見直すことも、電気代を節約するためには不可欠です。

たとえば、テレビのつけっぱなしをやめたり、部屋を出る時は照明を消したりすることで、電気の消費量を削減してみてください。

また、先述した夜間の電力料金単価が安いプランを契約している場合、電力消費量の大きな電化製品はなるべく夜間に稼働させるようにするといいでしょう。洗濯乾燥機・食洗機を就寝中に動かすだけでなく、エコキュートも夜間に湯沸かしするよう設定するのも有効です。

 

旧型製品は省エネ製品に置き換える

記事前半で紹介したとおり、電気代は「消費電力× 稼働時間」によって決まります。

そして古い電化製品は、最新の省エネ製品と比べて消費電力が大きいケースが多いです。

エアコン・洗濯乾燥機・食洗機・冷蔵庫など消費電力量の多い家電を10年以上買い換えていない場合には、省エネ製品への置き換えを検討してみてください。室内照明を徐々にLEDに切り替えていくのもおすすめです。

 

太陽光発電を導入する

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使用する電力量を減らさずに電気代を節約する方法としては、太陽光発電の導入もおすすめです。

家庭で消費する電気を自家発電で賄うようにすれば、今と同じように電気を使い続けても電気代を削減できます。

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蓄電池を導入する

蓄電池も電気代節約に役立ちます。たとえば、夜間の電力料金単価が安いプランを契約し、就寝中に電気を貯めておくことで、日中に低単価な電力を使えるようになるのです。

また、蓄電池を太陽光発電と一緒に設置すると、さらに電気代節約効果を高められます。たとえば、日中に貯めた太陽光発電由来の電気を夜間・荒天時に使用すれば、電力購入量を減らすことが可能となり、電気代の削減も期待できます。

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1日の電力利用イメージ

 

電気代が高いと感じている方にはPPAもおすすめ

それでは電気代の計算方法をおさらいします。家庭の電気代を計算する方法は次のとおりです。

電気料金= 基本料金 + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金

そして電化製品ごとの電気代は次のように計算します。

消費電力量(kWh)×電力量料金単価(円/kWh)
●計算を簡略化するため、再エネ賦課金と燃料費等調整額は含めていません

電気代を節約する方法はいくつかありますが、このような計算で電気代が決まることを考えると、やはりもっとも効果的な節約術は電力購入量を減らすことだといえます。

電化製品を使わないようにすれば電力購入量を減らせますが、それでは生活に支障が出ることもあるでしょう。ストレスなく電気代を節約するためには、ぜひ太陽光発電と蓄電池を活用し、電気の自家消費量を増やしてみてください。

太陽光発電と蓄電池を導入するとなると、高額な初期費用が必要だと思う方もいるかもしれません。しかしPPAサービス(Power Purchase Agreement|電力購入契約)なら、初期費用0円で太陽光発電を導入でき、ランニングコストは使用した電力分、もしくは定額の電気料金(サービス利用料)のみです。

京セラも太陽光発電と蓄電池を同時に設置できるエネルギーシステム定額サービス 「ハウスマイルe」 を提供しているため、ぜひご検討ください。

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