ピークカットとは?
ピークシフトとの違いや取り組むべきメリットを解説!【法人】
法人が電気代を節約する方法は多岐にわたりますが、最近とくに「ピークカット」という手法が注目を集めています。
ピークカットという名前だけは聞いたことがあるものの、具体的な取り組み内容までは分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は法人向けに、ピークカットの取り組み方や、電気代削減効果を含むピークカットのメリットについて、詳しく紹介します。
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【目次】
・ピークカットとピークシフトの違い
・電力料金の仕組み
・企業がピークカットに取り組む方法
・企業がピークカットに取り組むメリット
・ピークカットに取り組む際の注意点・デメリット
・ピークカットに取り組むならPPA(太陽光発電)の活用がおすすめ!
ピークカットとは
「ピークカットとは、電力需要が最も高くなる時間帯(ピーク)に、電力使用量を削減(カット)することです。
電力需要のピークは業種業態・季節によっても異なりますが、とくに夏の平日13時〜16時頃は、冷房と各種事業設備の稼働が集中し、電力需要が高まります。この場合ピークカットは、電力需要のピーク(夏の平日13:00‐16:00頃)の電力使用量を下げることをいいます。
ピークカットが注目される背景
昨今ピークカットが注目される背景としては、電気代の削減ニーズが高まっていることと、企業の社会的責任が重視されていることが挙げられます。
詳しい仕組みは後述しますが、実は電力需要のピーク値を減らすと「基本料金」を削減する効果が期待できるのです。電気代の高騰が続く中、企業のコスト削減に直結する施策として、ピークカットに取り組む企業が増えているのです。
また、電力需要が集中することによる悪影響は、一企業だけの問題に留まりません。実は電気を安定供給するためには、電気の発電量(供給量)と消費量が、同じ瞬間に均等になっていなければならず、この需給バランスが乱れると大規模停電(ブラックアウト)が発生するリスクがあります。
CSR(企業の社会的責任)の観点からは、企業活動によって電力需給の逼迫を招くことは、望ましいものではありません。このため猛暑日や厳冬期など電力需要が高まりやすい時期は、企業が自発的にピークカットに取り組むことが求められているのです。
ピークカットとピークシフトの違い
さて、ピークカットと似た「ピークシフト」という言葉も聞いたことがあるかもしれません。
ピークシフトは、需要が高い時間帯に予定していた電力使用を、需要の少ない時間帯にずらす(シフトする)ことを意味します。
ピークカットが需要ピーク時の電力使用量そのものを削減するのに対し、ピークシフトは電力の使用時間を変更することが特徴です。
手段は異なりますが、どちらも電力需要を抑えることを目的にしています。実務的には、ピークカットとピークシフトを組み合わせて、より電力需要を抑えるケースも多いです。
電力料金の仕組み
ピークカットが電気代削減につながる理由を理解するには、法人向けの電気料金が主に「基本料金」と「電力量料金」によって構成されていることを知る必要があります。
| 基本料金 |
| + |
| 電力量料金 |
| (電力量料金単価×使用電力量+燃料費等調整額) |
| + |
| 再生可能エネルギー発電促進賦課金 |
基本料金と最大デマンドの関係
法人向けの電力料金のうち、基本料金は「最大デマンド」によって決まります。最大デマンドとは、30分ごとの平均使用電力のうち、月間で最も大きい値のことです。
たとえば、0分〜15分まで400kWの電力を使用し、15分〜30分までは200kWの電力を使用したとします。この場合の30分間の平均使用電力300kWが、30分デマンドです。この30分デマンドのうち、月間で最も大きい値が、当月の最大デマンドとされます。
そして基本料金の基となる契約電力は、当月を含む過去1年間の最大デマンドによって決まる電力会社が多いです。
つまり、電力需要が増えやすい真夏の1日に、30分間だけ電力使用量が跳ね上がった場合、そのときの30分デマンドが、その先1年間の基本料金に影響を与え続けることになります。
このため基本料金を削減するためには、ピークカットに取り組むことが非常に重要なのです。
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電力量料金の考え方
電力量料金は、使用した電力量(kWh)に応じて課金される、従量課金型の料金です。基本料金が瞬間的なピーク値(最大デマンド)で決まるのに対し、電力量料金は使った電力の総量で決まります。
つまり、ピークカットによって電力使用量そのものを削減すれば、電力量料金を削減する効果も期待できるのです。
これは電力の使用時間を変更するだけのピークシフトでは得られない、ピークカットならではのメリットといえます(時間帯別料金プランを契約している場合、ピークシフトでも電力量料金を削減可能です)。
企業がピークカットに取り組む方法
さて、企業がピークカットに取り組む方法としては、主に次の4つが挙げられます。
- 機器の稼働時間を見直す
- エネルギーマネジメントシステム(EMS)を設置する
- 太陽光発電を設置する
- 蓄電池を設置する
それぞれどのような手法なのか、詳しく見ていきましょう。
機器の稼働時間を見直す
最もシンプルにピークカットする方法は、オフィスや工場で機器の稼働時間を見直すことです。
たとえば製造業の場合、ピーク時間帯は一部の生産ラインを停止し、稼働する設備台数を減らせば、電力需要を抑えられます(単に停止するだけでなく、稼働時間を早朝や夜間にシフトする場合は、ピークシフトとなります)。
また、業種業態を問わず、電力需要が高まる時間帯は不要な照明を消灯したり、空調の設定温度を調整したりするのも、ピークカットの一種です。
しかし、上記のような方法で電力需要を単純にカットすると、事業に支障が生じます。そのため事業への悪影響が考えられる際は、無理に機器の稼働時間を見直すのではなく、他の方法を探るべきでしょう。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)を設置する
業務への影響を最小限に抑えながらピークカットを実現する手法としては、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を設置することが挙げられます。
EMSとは、施設全体のエネルギー使用状況を可視化し、電気機器を制御・最適化するシステムのことです。
EMSを導入すると、電力需要を調整すべきピーク時間帯を正確に把握できます。そして事業への悪影響が及ばない範囲で、空調や照明、各種電気機器を自動的に制御してくれるため、効率的にピークカットを実現できるのです。
なお、EMSの中でも、ビル向けのシステムはBEMS、工場向けのシステムはFEMSと呼ばれます。
太陽光発電を設置する
最大デマンドを抑えつつ、電力の使用量も維持したい場合に最もおすすめなのが、太陽光発電を活用してピークカットする手法です。
電力需要がとくに高まりやすい日中に、太陽光発電で自家発電した電力を利用すれば、電力会社から購入する電力量を減らせます。つまり工場やオフィスの電気機器を普段通り稼働させつつ、最大デマンドを抑制できるのです。
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ただし太陽光発電の発電量は、日射量や天候に依存するため、必ずしもピーク時間帯に十分な発電ができるとは限りません。そのような天候リスクに備えるためには、蓄電池を併用することも検討してみてください。
蓄電池を設置する
ここまで紹介したピークカットの手法とあわせて、蓄電池を活用したピークシフトを併用すると、より効果的に最大デマンドを抑制できます。
たとえば夜間や早朝など電力需要の少ない時間帯に充電しておき、それを日中のピーク時間帯に放電する手法が代表的です。この手法なら電力の使用量や使用パターンを変えずに、ピークシフトを実現できます。また、午前中に太陽光発電で自家発電した電力を蓄え、午後〜夕方のピーク時間帯に放電するのも有効です。
企業がピークカットに取り組むメリット
ピークカットには、社会全体の電力需給の安定化につながるというマクロ的なメリットがありますが、一企業としても、次のようなメリットを享受できます。
- 電気代を削減できる
- 企業イメージが向上する
- BCP対策になる(太陽光発電を活用する場合)
これらのメリットに魅力を感じる場合、ぜひピークカットに取り組んでみましょう。それぞれのメリットについて詳しく解説します。
電気代を削減できる
ピークカットの最も直接的なメリットは、電気代の削減効果です。
先述したとおり、ピークカットによって最大デマンドを抑制すれば、基本料金を抑えられる可能性があります。
また、ピークカットのために太陽光発電を導入し、電力会社から購入する電力量を削減すれば、電力量料金を削減することも可能です。
企業イメージが向上する
ピークカットに取り組むことは、企業イメージの向上にもつながります。
ピークカットは電力網全体の負荷を軽減することにつながるため、社会的意義が大きい活動といえるでしょう。とくに電力需給が逼迫しやすい夏季や冬季に、積極的なピークカット施策を実施している旨をアピールすれば、企業イメージの向上効果が期待できます。
また、ピークカットのために太陽光発電を活用している場合は、環境保護に貢献していることもアピールできます。
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BCP対策になる(太陽光発電を活用する場合)
太陽光発電を導入してピークカットに取り組んでいる場合、付随的にBCP対策にもつながります。
太陽光発電があれば停電時でも一定の電力を確保できるためです。蓄電池も併用している場合、より長期の停電時でも事業を継続できます。
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ピークカットに取り組む際の注意点・デメリット
ピークカットには多くのメリットがありますが、取り組む際に知っておくべき注意点やデメリットも存在します。
- 事業への影響を最小限に抑える必要がある
- 初期費用・メンテナンス費用がかかる
対策とあわせて、詳しく見ていきましょう。
事業への影響を最小限に抑える必要がある
ピークカットを実施する際に最も注意すべきは、事業活動や労働環境への悪影響です。
たとえばピークカットを目的に生産ラインを停止すれば、生産量が減少し、納期遅延や売上減少につながる可能性があります。また、空調・照明の使用を過度に制限すると、快適な労働環境を維持できません。
また、ピークカットのためにEMSや太陽光発電、蓄電池などの設備を導入した場合、それらを適切に運用・管理する担当者を選任しなければなりません。
このためピークカットを実施する際は、事前に影響範囲を調査し、もし電力使用量を単純にカットすることが難しい場合は、太陽光発電の活用をご検討ください。
初期費用・メンテナンス費用がかかる
EMSや太陽光発電、蓄電池などを導入する場合、数百万円以上の初期費用が発生し、さらにメンテナンス費用もかかります。電気代削減効果が期待できるとはいえ、とくに多額の初期費用がかかる点は、設備導入のハードルになるでしょう。
しかし太陽光発電を設置する場合、PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)というモデルを活用すれば、初期費用をゼロ円にすることが可能です。
PPA契約を結ぶ場合、PPA事業者の負担で需要家敷地内(屋根や空地)、もしくは遊休地に太陽光発電システムを設置し、需要家は電力使用量に応じたサービス利用料を支払います。初期費用負担をネックに感じている方は、ぜひPPAを活用して太陽光発電の導入をご検討ください。
ピークカットに取り組むならPPA(太陽光発電)の活用がおすすめ!

企業がピークカットに取り組むことには、電気代削減効果やイメージアップ効果など、さまざまなメリットがあります。
しかし、ただ電力需要を減らそうとするだけでは、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があるため、太陽光発電を導入し、電力購入量を減らす形でピークカットに取り組むのがおすすめです。
PPAモデルを活用すれば、初期費用ゼロ円でピークカットに取り組むことも可能なので、どうぞご検討ください。
京セラでは法人向けに 産業用電力サービス事業(PPA) を提供しており、ピークカットを考えている企業からの相談も承っております。
【法人向け】太陽光発電PPAスキーム(モデル)とは?仕組みやメリット、デメリット
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